社会的インパクト投資に特化したソーシャルレンディングを提供するネクストシフト株式会社は3月29日、金融庁から融資型クラウドファンディング(貸付型クラウドファンディング、ソーシャルレンディング)の事業者の融資先(借り手)の匿名化を不要とする要件が公表(同18日)されたことを受け、同社が提供する「ネクストシフトファンド」でも投資家への情報開示における対応を進めていくと発表した。
これまで融資型クラウドファンディング事業では、投資家には融資先を具体的に特定できるような情報を明示しない(匿名化)という実務が行われてきた。単一の融資先を特定したうえで投資を行う場合、その投資行為が実質的な融資と見なされ、投資家に貸金業登録が必要であり得るという見解があったため。これに対し、18日に金融庁から、これらの投資行為は貸金業に該当しないという正式な回答が公表された。回答の中で、融資先の匿名化を不要とする要件が明らかになり、融資先の情報開示が可能となった。
同社は社会的インパクト投資を通じて、世界の社会課題を解決し、投資家と投資先を幸せにすることをミッションとして掲げる。 現在はジョージアとカンボジアを中心に、健全な財務基盤と強い社会的ミッションを持つ複数のマイクロファイナンス機関への融資を実施中。投資家に社会課題解決に貢献しながら高い投資リターンを実現するため、融資型クラウドファンディングのスキームを活用してきた。
一方で「融資先対象国が新興国ということもあり、社会的・経済的環境の面等で投資家に懸念を抱かせてしまった」という反省もある。そのような中で今回の金融庁の公表を好機ととらえ、「今後は投資家の皆様が正しくリスクを理解し健全な判断の元に投資をしてもらえるよう融資先とも協議を重ねた上で積極的な情報開示を進めていく」という方針を表明した。
ソーシャルレンディングは社会的な意義を持つ融資として関心を集める半面、対象が開発途上国であるためカントリーリスクも負う。同社の具体的な施策はこれからの段階だが、融資先の情報が透明化されることで、投資家に対する障壁を低くする効果が期待される。
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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム
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