ソーシャルレンディングは貸付型のクラウドファンディングとも言われ、少額投資が可能な上、他の投資手段に比べて比較的利回りが高く、個人投資家の間で人気となっています。取り扱われる案件は不動産を含め様々な事業がありますが、なかでも新興国の開発や事業を対象とする「社会的インパクト投資」は、社会貢献と投資利回りの両方を達成できる案件として最近注目されています。
その社会的インパクト投資に特化したソーシャルレンディングサービスが「ネクストシフトファンド」です。
この記事では、ネクストシフトファンドのメリット・デメリットや評判や口コミなどについて紹介していきたいと思います。新興国投資やインパクト投資、ネクストシフトファンドへの投資を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- ネクストシフトファンドとは?特徴・メリット
1-1.ネクストシフトファンドは社会的インパクト投資に特化
1-2.ネクストシフトの株主は鳥取銀行、情報開示にも積極的で透明性も高い
1-3.ネクストシフトファンドは2万円から投資可能 - ネクストシフトファンドのデメリット
2-1.貸し倒れリスクがある
2-2.為替ヘッジの設定がない
2-3.募集額に達しないこともある - ネクストシフトファンドの評判・口コミは?
3-1.投資で社会貢献ができる
3-2.利息収入を得られる
3-3.他のソーシャルレンディングに比べて利回りは高くない
3-4.サービスには改善が必要な面も
3-5.投資初心者の中にはリスクの判断が難しいという声も - まとめ
1 ネクストシフトファンドとは?特徴・メリット
サイト名 | ネクストシフトファンド |
URL | https://nextshiftfund.jp/ |
運営会社名 | ネクストシフト株式会社 |
本社所在地 | 鳥取県八頭郡八頭町見槻中154-2 隼Lab. 2F |
設立 | 2016年10月7日 |
資本金等 | 3億9,870万円:資本準備金を含む |
上場有無 | 非上場 |
サービス開始年月 | 2018年3月 |
参考利回り | 4.5%~7.2% |
投資金額 | 2万円から |
運用期間の目安 | 12か月前後 |
出資総額 | 1億8264万円(2020年5月時点) |
以下では、投資による社会的な問題解決を目指す「ネクストシフトファンド」について詳しくご紹介します。
1-1 社会的インパクト投資に特化している
「社会的インパクト投資」とは、社会的問題の解決と投資による収益の両方を目的とした投資です。投資の成功・失敗の評価は、単純に利回りだけでなく、投資が社会的な問題の解決への貢献に十分だったかといった視点も求められます。ネクストシフトファンドの特徴は、この社会的インパクト投資に特化したサービスと言うことができます。
ネクストシフトファンドの主な融資先は新興国のマイクロファイナンス事業者などです。マイクロファイナンス事業とは、貧困層や社会的地位の低い人々を対象に融資を行うことで、その融資の返済金からファンド参加者への分配金を拠出するものです。
マイクロファイナンス自体は、バングラデシュのグラミン銀行の創始者であるムハマド・ユヌスが2006年にノーベル平和賞を受賞したことで有名になった金融の仕組みで、社会問題への貢献度が高い取り組みとして知られています。そのため、ネクストシフトファンドは自身の余剰資金を運用して単純な収益を追求するだけでなく、社会貢献や社会課題の解決に関心の高い投資家の間でも非常に注目されています。
1-2 ネクストシフトの株主は鳥取銀行、情報開示にも積極的で透明性も高い
ソーシャルレンディング事業を行う企業は都市部にほとんどが集まっていますが、ネクストシフトファンドを運営するネクストシフト株式会社は鳥取県を拠点としています。経営者の出身地でもありますが、日本一人口が少なく、多くの社会課題を構える鳥取県で事業をすることに社会的な意義があると考えており、社会貢献への誠実な姿勢が伺えます。
また、ネクストシフトファンドは鳥取銀行や山陰放送、鳥取銀行系の投資ファンドを株主として厳しい監視体制のもとで経営されています。健全な財務状況や資本金を維持し、事業者リスクに最大限の注意が払われているのも特徴です。
さらに、経営者自身は、SBIホールディングス役員などの経歴を持つ金融のスペシャリストです。主な投資先になっているカンボジア現地に共同創業者を持ち、現地金融機関とのつながりや案件審査などがしっかりと行われています。
また、海外ローンファンドの事業としては国内で初めて融資先の事業者の匿名化を解除するなど、投資情報の開示にも力を入れており、投資家からの評価や信頼に繋がる体制を敷いているのが特徴です。
1-3 ネクストシフトファンドは2万円から投資可能
ネクストシフトファンドの最低投資金額は2万円です。また、口座開設や口座管理、取引、口座からの出金に関する手数料は無料となっているため、入金と投資する資金以外の費用はほぼかかりません。まとまった資金を用意する必要がなく、手軽に参加することができる点もネクストシフトファンドのメリットです。
2 ネクストシフトファンドのデメリット
ネクストシフトファンドはその特徴的なビジネスモデルからデメリットになる面もあります。リスク回避のためにもしっかり確認しておきましょう。
2-1 貸し倒れリスクがある
ネクストシフトファンドでは融資先の金融機関に担保や保証を取っていません。現地で金融機関として免許を取得している先に投資しているためですが、新興国では金融機関だとしても将来安泰とは限りません。そのため、投資資金の全額回収ができない「貸し倒れ」の可能性があることは理解しておく必要があります。
2-2 為替ヘッジの設定がない
ネクストシフトファンドでは為替リスクの回避ができるような仕組みがありません。そのため、例えば2万円を米ドル建てで投資した場合、投資をした時よりも10%の米ドル安になると、元本は1万8,000円となります。
そのため、分配金の収入があったとしても予定利回りを下回る可能性もあります。逆に為替差益を得られる可能性もあるため、必ずしもデメリットとはいえませんが、確実性の高い投資をしたい方は注意することも必要です。
2-3 募集額に達しないこともある
ネクストシフトファンドは2016年に創業した若い企業ということもあり、ファンドを募集しても募集金が集まらないこともあります。募集金が集まらない場合、資金は投資家に返されますが、投資の時点から返金が決まるまでの期間は資金を引き出すことができない点に注意しましょう。
3 ネクストシフトファンドの評判・口コミは?
2019年時点でのネクストシフトファンドの評判についてSNSや投資家の声を中心に主なものを紹介します。
3-1 投資で社会貢献ができる
- ネクストシフトファンドは社会貢献と投資の両立ができる
- 社会的インパクト投資の先進的なサービスの一つ
ネクストシフトファンドの評判で、社会貢献性を評価する声が多くあります。海外の新興国に投資ができるソーシャルレンディングは多くないため、こうした仕組みや着眼点が高く評価されています。
3-2 利息収入を得られる
- ソーシャルレンディングの中でも利回りが安定しやすい気がする
- ネクストシフトファンドの利回りは普通預金(0.001%)と比較すれば高い
ネクストシフトファンドの案件で利益が上がっている方からは、利息収入が得られているとの意見が報告されています。また、ネクストシフトファンドの目標利回りは4.50〜7.20%と、銀行等の普通預金や定期預金と比べれば高いため、ネクストシフトファンドは運用の手間をかけずに資産形成をしたい方にも向いています。
3-3 他のソーシャルレンディングに比べて利回りは高くない
- 他のソーシャルレンディング会社・案件と比べるとネクストシフトファンドの利回りは高くない
海外案件を扱っている他のソーシャルレンディングの中には利回り10%以上のものもあります。そのため、他社と比較すると利回りが高くないという意見も見られます。
ただし、他の事業者では貸し倒れや返済遅延を起こしているケースもあります。リスクとリターンの大きさは比例する関係にあるため、利回りが高い案件ほど元本割れや貸し倒れのリスクも高まります。
なお、ネクストシフトファンドではサービス開始以降、貸し倒れ件数は0件となっています(2019年11月時点)。利回りで案件を選ぶのは投資スタイル次第ですが、担保状況や保証条件なども確認した上で、慎重に判断することが大切です。
3-4 サービスには改善が必要な面も
- ネクストシフトシフトファンドは使いづらい面もある
- ネクストシフトシフトファンドは案件がまだまだ少なく、募集規模も小さい
アプリやWebサイトの情報公開ページのUIの見やすさや、手続きなど入力が必要なページの使いやすさなど、ネクストシフトファンドのサービスに使いづらさを感じている方もいます。
3-5 投資初心者の中にはリスクの判断が難しいという声も
- カンボジアなど発展途上国・新興国への投資はカントリーリスクが大きいと感じる
- 投資先の経済・金融環境の変化や規制リスク、政治リスクなども懸念
- ネクストシフトシフトファンドには為替ヘッジがない
ネクストシフトファンドは海外の新興国への投資になるため、国内案件への投資と比較して情報も少なく、為替リスクやカントリーリスクの判断が必要となります。そのため、初心者が様々なリスクを勘案した上で投資判断をするには難しい点があることは否めません。
ただ、利益の最大化を追求せずに、「元本割れを起こさなければ社会貢献もできるのでいい」と考えて投資するスタンスの方には向いているでしょう。
4 まとめ
海外案件に投資できるソーシャルレンディング会社の中でも、社会的インパクト投資に特化したネクストシフトファンドは特徴的な企業です。同業他社と比較すると利回りなどの面で劣るケースもありますが、リスクを抑えながら手間をかけずに社会貢献もできる投資機会を得ることができます。
この記事を参考に、ソーシャルレンディングやインパクト投資を検討中の方はネクストシフトファンドへの投資を検討してみてください。
- 海外成長国投資・インパクト投資ができるソーシャルレンディングの比較・まとめ
- 手数料が安いソーシャルレンディングの比較・まとめ
- 不動産担保があるソーシャルレンディングの比較・まとめ
- 1万円から投資できるクラウドファンディングサービスの比較
- 大手が運営しているソーシャルレンディングの比較・まとめ
- 利回り10%以上が狙えるクラウドファンディング投資の比較・まとめ
HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム
最新記事 by HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム (全て見る)
- COZUCHI(コヅチ)の評判は?利回り実績やメリット・デメリットも - 2024年11月5日
- 【2024年11月】ソーシャルレンディング徹底比較!利回り・リスクや募集実績も - 2024年11月5日
- 不動産投資型クラウドファンディングを選ぶポイントは?注目の10社を紹介 - 2024年11月5日
- オーナーズブックの評判は?メリット・デメリットや始め方も - 2024年6月27日
- ソーシャルレンディング投資歴8年の私が本当に伝えたい7つのこと - 2024年6月27日