ルイ・ヴィトン親会社LVMHの21年通期純利益2.6倍 コロナ禍前を上回る結果に

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高級ブランド世界最大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(ティッカーシンボル:MC)が1月27日に発表した2021年12月期決算は、純利益が前期比2.6倍の120億3600万ユーロ(約1兆5,500億円、1ユーロ=129円換算)に拡大した(*1)。コロナ禍以前の19年比でも67.8%増と、高級ブランド消費の力強さを浮き彫りにする結果となった。

売上高は同44%増の642億1500万ユーロ、オーガニック成長率(#1)は2019年比22%増だった。米国とアジアで皮革製品を始めとするラグジュアリー消費需要が高まった。「ルイ・ヴィトン」や「クリスチャン・ディオール」などを含むファッション・皮革部門の売上高は前年比46%増だった。価格を上げてインフレに伴うコスト高を吸収し、粗利益率は前年から8ポイント改善の26.7%となった。

ベルナール・アルノー会長兼最高経営責任者(CEO)は「世界的な健康危機から徐々に回復するなか、素晴らしい業績を上げることができた」と述べた。また、アルノーCEOはメタバースに関しても言及。この分野はビジネス機会をもたらす可能性はあるものの、バブルを警戒しなければならないと語っている(*1)。

成長期待高まるメタバースにおいて、ラグジュアリーブランドの動向が市場の注目を集めている状況だ。たとえば、ゲーミングプラットフォーム「ロブロックス」上でしか利用できないグッチのバーチャルバッグに4,500ドルの値がついた。

ナイキやバレンシアガ、バーバリーといったブランドも、リアルな世界からデジタル分野での収益化を模索している。ナイキはバーチャルスニーカーやグッズをデザインする新興企業RTFKTを買収(*2)。バーバリーはブロックチェーンゲーム「ブランコス・ブロックパーティー」を運営するミシカル・ゲームズと提携し、同ゲーム内でのみ利用できるNFTコレクションを発表した(*3)。

一方、LVMHはバーチャルよりもリアルな世界に注力している。アルノーCEOは「バーチャルなスニーカーを10ユーロで販売することに興味がない(*4)」と述べたほか、ドットコムバブル時の企業のように永続的な価値をもたらさない投機的バブルの可能性に警鐘を鳴らしていると考えられる。

また、アルノーCEOは「当社はただのファッション企業ではない。非常に重要な顧客基盤であるジェネレーションZにリーチして文化を創造する企業だ」と述べた(*1)。業界最大手である同社の、更なる取り組みに注目だ。

(#1)オーガニック成長率…為替やM&Aの影響を除いた内部成長率。

【参照記事】*1 LVMH「New records for LVMH in 2021
【参照記事】*2 ナイキ「NIKE, Inc. Acquires RTFKT
【参照記事】*3 バーバリー「BURBERRY DROPS NFT COLLECTION IN MYTHICAL GAMES’ BLANKOS BLOCK PARTY
【参照記事】*4 「2021 FULL YEAR RESULTS

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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