本日の日銀政策会合の結果は政策金利据え置きとなり、為替相場は上下に乱高下となった。
米ドル円は一時134円台半ばまで上昇したが、その後132円台前半まで2円ほど急落して再度134円台に戻すという状況。最近の日銀政策会合ではなかなか見たことがないボラティリティとなっている。
日銀は、「現状物価目標としている2%は達成しているが、足元の物価上昇に関してエネルギー等外的要因が主因である」という見解を示しており、緩和路線を継続した格好となった。
黒田総裁の会見では「足元の円安は好ましくない」というコメントを出しており会見で異例の為替市場への言及となったものの、黒田総裁のコメントには関せず円安方向で推移している。
足元注目となっていた、イールドカーブコントロールについては変更なしとなり、現在行っている指値オペも毎営業日実施する方針を表明している。
指値オペは海外勢を中心に限界を迎えて、日銀も金融政策のスタンスを変更しないといけなくなるという懸念を持っていたことから10年金利は度々0.25%を越える場面が見られていたものの、黒田総裁はこの指値オペに限界はないと言い切っており、イールドカーブコントロールには強い自信を持っている様子。
為替市場がこれだけ上下に動いたのは前日にスイス中銀が予想外に0.5%の利上げを行っており、リスク回避資産として日本円と比較されて利用されるため、日本もスイスのように利上げに追い込まれると考えている投資家が多かったことが今回の値動きの材料の一つとなっていたのだろうと推測される。
ドル円は一旦下を攻めて前戻しという動きになっていることもあり、一度ショート勢は撤退せざるを得ないという状況か。
クロス円も上昇しており、クロス円の中でもスイスフラン円の上昇幅が大きい動きとなっている。
為替は一旦円安トレンド継続と考えて攻めていかざる得なくなるだろう。
次のポイントは円安がどこまで進むと介入スタンスが強まるかというところが焦点となるか。
しかし介入についてアメリカは否定的な見解を示しており、単独介入となった場合の効果は一時的と考えられる。
引き続き政策変更のスタンスが変わるまではクロス円のトレンドは引き続き上方向と考えて乗っていくのが無難だろう。
中島 翔
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