昨日6/23は、英CPIの発表と米FRBパウエル議長の発言が注目となった。
CPIは前年同月比+9.1%と40年振りの高い伸びを記録した。市場予想は+9.1%であり、予想通りとなった。
詳細は、食品と非アルコール飲料の価格が前年同月比+8.7%と総合CPIの数字の寄与度では最大となった。イングランド銀行は、コアCPIが前年同月比+5.9%と前月の+6.2%から鈍化したことから、インフレ鈍化の僅かな希望と考える可能性がある。しかし、国民生活に関する物価の上昇が収まらない限りは政策金利の引き上げを止めるという判断はしにくいだろう。
生産者物価投入指数は前年同月比+22.1%と1985年の統計開始以来の伸び率を記録しており総じてインフレ鈍化が進んでいるという見通しにはならないか。
CPIの数字から英ポンドは一旦下落する動きとなったが、政策金利の引き上げに動かざる得ないため、ポンドは底堅く推移するだろう。
また、英では輸入物価の高止まりもあり、景気後退を受け入れざる得ない状況に追い込まれている。そのため、英FTSEの下落は免れないことから、FTSEショートのポジションも有効になると考えられる。
米FRBパウエル議長の議会発言があり、①インフレ抑制に向けて利上げは進めていく(マーケットの予想通り)②ソフトランディングは難しいという認識の2点がポイント。利上げを進めていくという点は、既に7月の利上げも織り込まれていることから大方予想通り。
またソフトランディングが難しいという点に関してコメントがあったとことにより、少し景気に対して敏感に対策を取るのではないかという思惑が働き、若干の株式市場の反発を誘発した可能性があるが、短期的な買い戻しといった状況。引き続き上昇したタイミングにおいて、米の株式市場はショート目線で見ている投資家がほとんど。
引き続き本日6/23のパウエル議長の発言が予定されているため注意しておきたいが、日本では黒田総裁を下ろす動きが出てきそうな状況。早めに政策金利の引き上げを行いたいという向きも出てきていることは注意。
岸田総理も参議院選で勝利した場合は遠慮なく人事を行うと発言していると報道されており、安倍・黒田両氏の緩和路線から引き締めに早めに転換する可能性がある場合、クロス円は一気に円高に振れる可能性があるだろう。
中島 翔
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