昨日のマーケットは東京時間株安方向で推移したが、NY時間には後場持ち直す動きが広がり、小幅安で引け。米国債金利は一時3.13%と大きく金利低下の動きとなり米ドルは下落する動きとなった。
注目されていたパウエル議長の会見内容はインフレ対策に集中することと同時に、経済のソフトランディングは非常に困難との見方を示しており、このソフトランティングが困難という内容に対して投資家はFRBはリセッションの可能性を念頭に置いていると捉えて、若干ハト派な内容と理解したか。その会見を受けて株高となっていたが、足元はしっかりとした買いフローは全く出ておらず、株高に転換するのはまだまだといったところだろう。
現在は金利高と株安が同時に進んでしまっており、機関投資家としてもヘッジのための商品がないことから、インバース型の商品に資金が向かっているようだ。
個人的に気になるニュースとしては、アメリカのJPモルガンが住宅ローン部門の人員を数百人クビにしたというニュースで、住宅市場は大幅な金利上昇から住宅ニーズが低迷し始めていることが表れている一つのニュースと言えるだろう。
世界でも住宅市場の価格高騰と金利高騰が同時に起きており、崩壊するのではないかとの懸念が強まっている。特にニュージーランドは注意したい国となっている。

イギリスでは注目されたCPIが発表され前年同月比9.1%の上昇と引き続き高い伸びを記録しており、イギリスポンドが一時下落する動きが見られていた。
また香港では米ドルペッグのために介入を中銀が行っており、香港ドルの買い介入でレンジ下限を割らないように調整している。しかしこの介入も限界があり、米ドルの上昇圧力が続いた場合は香港ドルの大幅下落という可能性もあり、アジア通貨に波及する可能性があることから注意したい。
仮想通貨市場はビットコインが再度20,000ドルを下回る水準にまで下落。

一旦セルシウスを発端とした信用不安がFTX等の出資等含めた報道があったこともあり落ち着いているような動きだったが、しっかりとした買いフローは入っておらず打診買い的なフローが多かった状況。戻りは弱く、引き続き20000ドルを挟んだ展開が継続するか。仮想通貨市場全体が弱い地合いのなか、MATICや先日UNISWAPが強い動きとなっている。
オプション市場をチェックするとビットコインは19,000ドルから20,000ドル付近にプットオプションが集中しており、この辺りが底になると見ている投資家が多い様子。

ビットコインのロジスティック曲線を見ても標準偏差からは完全に逸脱している水準であり、現在の水準は長期的に見たら買い場と捉える方が自然と考えているため、現物を淡々と増やしていく方針。

ポジションはドル円、CHFJPYショート、EURUSDロング継続。ビットコインのロングもずっと保有している。
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中島 翔

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