VIX指数を投資判断に使うポイントは?株価との相関性や指標連動商品も

投資家の不安心理を表す指数として、「VIX指数」があります。VIX指数が高いときは株の値動きが激しく、株式市場は不安定な状態になるので注意が必要です。昨今のコロナ禍やテーパリングの議論に伴い、このVIX指数が注目されています。

この記事では、VIX指数の特徴と、投資判断として使うポイントについて解説します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. VIX指数とは
  2. VIX指数と株価との関係
  3. VIXを対象にしたETF(上場投資信託)
  4. 日経平均株価を対象にした「日経平均VI」
  5. 日経平均VIを利用した取引
  6. まとめ

1.VIX指数とは

VIXは「Volatility Index(ボラティリティ・インデックス)」の略で、「恐怖指数」とも呼ばれています。そしてVIX指数は、米国のシカゴ・オプション取引所が発表していて、米国の代表的な株価指数であるS&P500種株価指数のオプション取引をもとに算出・公表しています。

S&P500種株価指数は米国を代表する株価指数で、機関投資家の運用指標(ベンチマーク)として採用されている指数です。ニューヨーク証券取引所やナスダック市場などに上場している企業のうち、代表的な500社の株価をもとに算出・公表されています。

また、オプション取引とはデリバティブの一種で、S&P500種株価指数を売ったり(プット)、買ったり(コール)する権利を売買できます。VIXでは満期まで30日前後のプット(売り)とコール(買い)の価格から計算しているので、今後1ヶ月でS&P500種株価指数がどの程度変化するのかを表しているといえるのです。

2.VIX指数と株価との関係

VIX指数と株価には、密接な関係があります。株価が下落するとVIX指数は上昇し、株価が上昇するとVIX指数は下落する傾向にあるからです。 そして、VIX指数の数値が高いほど、投資家が株式市場の先行きに対して不安を感じていると判断します。

通常、VIX指数は10~20の間で推移しますが、株式市場での不安が高まると40~50に上昇します。1990年以降にVIX指数が大きく上昇した事例は、以下の通りです。

1997年10月 アジア通貨危機 48.64
2001年9月 米同時多発テロ 49.35
2008年10月 リーマンショック 89.53
2011年10月 ギリシャ通貨危機 46.88
2020年 コロナショック 85.47

2020年のコロナショックでは、S&P500種株価指数が2月の高値3,393.52から3月の安値2,191.86まで約36%下落し、VIX指数は85.47まで上昇。これは2008年のリーマンショック時の89.53に次ぐ水準になりました。

3.VIXを対象にしたETF(上場投資信託)

ETF(上場投資信託)を利用してVIXを取引することも可能です。米国株式市場が下落する時にVIX指数を対象にしたETFを購入しておけば、利益をあげることができます。

とくにS&P500指数を対象にしたインデックスファンドを購入している人は、VIX指数を対象にしたETFを購入しておけばリスクヘッジができるのです。また、個別株を保有している人も、リスク軽減効果が期待できます。

ただ、国内ETFでは「VIX短期先物指数(1552)」がありますが、2024年2月14日を信託終了日として繰上償還する予定なので、取引をしないほうが無難です。

4.日経平均株価を対象にした「日経平均VI」

VIX指数は米国のS&P500種株価指数を対象にした指数ですが、国内では日経平均株価を対象にした「日経平均VI」があります。「日経平均VI」は日経平均ボラティリティ・インデックスの略で、大阪証券取引所に上場している日経平均先物と日経平均オプションの価格をもとに、日本経済新聞社が算出・公表しています。

日経平均VIは、投資家が日経平均株価の将来の変動をどのように想定しているかを表した指標です。そして日経VIが20の場合、1年後の日経平均株価がプラスマイナス20%変動する可能性が7割程度あることを示しています。

2021年12月17日時点の日経VIは20.09となっています。通常、日経平均VIは20~30の間で推移しているので、現在の20.09は比較的落ち着いた水準と考えられるのです。ただ、2020年のコロナショック時には、日経VIは50近くまで上昇しました。

過去には、2008年のリーマンショック時で92、2011年の東日本大震災の直後には70に迫る水準まで上昇しています。日経平均VIも、日経平均株価が下落すると上昇する傾向にあり、おおむね逆相関の関係にあるといえるのです。

5.日経平均VIを利用した取引

「日経平均VI」は指数なので売買することはできませんが、日経平均VIを原資産にした「日経平均VI先物」が大阪証券取引所に上場しているので、先物取引としてネット証券などで売買できます。

また、日経平均VI先物に連動したETN(2035)も上場しています。ETNとは「上場投資証券」と呼ばれる上場商品で、価格が株価指数などの特定の指標に連動する商品です。

日経平均株価が大きく下落し、マーケットの変動率が高まりそうだと想定するなら、日経平均VI先物やETNを買います。想定通り日経VIが上昇したタイミングで売却すれば値上がり益を得られますが、相場の下落が限定的だったり、変動率が低かったりした場合は損失が発生する場合もあるので注意が必要です。

まとめ

VIX指数は投資家の不安心理を判断するための指数で、とくに株価が暴落するときに注目されます。VIX指数はS&P500種株価指数を対象にしたものですが、日経平均株価を対象にした「日経平均VI」もあります。

米国株を取引するときはVIX指数を、国内株を取引するときは日経平均VIを参考にするようにしてください。

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山下耕太郎

山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011