株の流動性リスク、投資基準は?各指標と分析方法、具体的事例も

株式を取引するときは、流動性リスクに注意しなくてはいけません。流動性の低い銘柄は思った通りの値段で売買できない可能性があるからです。この記事では、流動性リスクの判断基準と対処法について解説します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 流動性リスクとは
    1-1.整理ポストと監理ポスト
  2. 流動性リスクの対処法
    2-1.分散投資する
    2-2.長期投資をする
  3. 流動性を判断する指標
    3-1.出来高で流動性を判断する
    3-2.板を確認する
  4. 株式売買では流動性が大切
  5. 流動性リスクが高い銘柄は長期で投資する
  6. まとめ

1.流動性リスクとは

流動性リスクとは、株式を売買しようとしても取引が成立しないリスクのことです。つまり、売りたいときに売れない、買いたいときに買えないという可能性のことです。たとえば、企業の不祥事などで上場廃止になると、買いが極端に減って売り注文が殺到するので、株価が付きづらくなるのです。

他にも、新興銘柄を中心に売買が活発ではない銘柄も多く、思うように売買できなかったり、急な値動きに翻弄されたりする可能性があるため注意が必要です。

1-1.整理ポストと監理ポスト

企業が上場廃止基準に触れると、上場廃止になります。しかし、いきなり上場廃止になるわけではありません。まず、「監理ポスト」に割り当てられるのです。監理ポストとは、企業が上場廃止基準に当てはまる恐れがある場合、それを投資家に知らせるために設けられています。

そして、上場廃止基準に当てはまらなくなれば、通常取引に戻ることができます。しかし、上場廃止基準にあてはまると正式に判断されると、「整理ポスト」に移されるのです。整理ポストに割り当てられると、原則、1カ月後に上場廃止になります。

2.流動性リスクの対処法

流動性リスクが高い銘柄への対処法について解説します。

2-1.分散投資する

株式投資する場合は、流動性リスクを理解した上で投資しなければいけません。株式市場の格言で、「卵は1つのカゴに盛るな」というものがあります。卵を1つのカゴに盛ると、そのカゴを落としてしまうとすべての卵が割れてしまいます。しかし、卵を複数のカゴに分けておけば、1つのカゴを落としても、ほかのカゴの卵は無事だという教えです。

流動性リスクを抑えるには1つの銘柄に集中投資するのではなく、複数の銘柄に分散投資することが大切なのです。複数の銘柄に分散投資しておけば、ある銘柄が値下がりしても、ほかの銘柄の値上がりでカバーできます。さらに複数の業種に分散投資しておけば、よりリスクを抑えることが可能です。

2-2.長期投資をする

流動性リスクが高い銘柄は、短期投資に向いていません。頻繁に売買すれば、買いたい値段で買えない、売りたい値段で売れないという流動性リスクが高まりますし、手数料もかかるからです。流動性リスクを抑えるためには、長期投資を心掛け、頻繁に売買しないことが大切です。

3.流動性を判断する指標

流動性を判断する指標として、「出来高」と「板」があります。それぞれの指標について解説します。

3-1.出来高で流動性を判断する

出来高とは、ある一定の期間に成立した売買数量のことです。株式では、1日や1週間など、一定期間内に売買が成立した株数を指します。通常、流動性を判断するには1日当たりの出来高を確認します。そして、出来高が多いほど活発に売買が行われていると判断できるので、「出来高が多い=流動性が高い」と判断できるのです。

出来高を確認するには、証券会社などで日足チャートを見ます。通常、ローソク足チャートの下に出来高が棒グラフで表示されています。出来高は人気を表すバロメーターで、株価との連動性が高いとされています。一般的に、出来高が増えると株価が動く可能性が高まるからです。

3-2.板を確認する

株式の取引においては、「板」を確認することが大切です。買い方と売り方の指値を「気配値」といいますが、この気配値に売買注文の状況を並べたものを「板」というのです。板は、証券会社などのツールで確認できます。

流動性が高い銘柄は板の数量も多く、買いたい値段や売りたい値段で売買できる可能性が高くなるのです。一方、流動性の低い銘柄では板の数量も少なく、思った通りの値段で売買できない場合があります。

とくに注文株数が多くなると流動性リスクが高まるので、自分が売買したい数量が取引できるのかどうかを、板情報で確認しておくことが必要です。

4.株式売買では流動性が大切

株式投資では、金額が大きくなればなるほど流動性が大切になります。流動性が低い銘柄だと、買いたい値段や売りたい値段で取引できないからです。

売買ルールをあらかじめ決めていても、流動性リスクが高い銘柄だと利益が減少しますし、損失も拡大する恐れがあります。売買ルールを定めて過去の値動きを検証しても、流動性の低い銘柄ではその通りに売買できるとは限りません。株式投資をする場合は、まず流動性が十分あるかどうかを確認してから銘柄を決めるようにしてください。

5.流動性リスクが高い銘柄は長期で投資する

流動性リスクが高い銘柄は、投資家が避ける傾向にあります。ですから、株価が割安になっている可能性もあるのです。頻繁に売買しなければ、あるいは大量の注文を行わなければ流動性リスクをあまり意識する必要はありません。

長期で株式を保有するのであれば、ほかの銘柄より割安に買うことができるケースもあるので、流動性リスクが高い銘柄を買うことはメリットになり得ます。世界的な投資家であるウォーレン・バフェット氏のように、「一度購入した銘柄はずっと保有し続ける」という投資方針なら、流動性リスクが高い銘柄に投資しても、ある程度リスクを抑えられるのです。

まとめ

今回は流動性リスクを判断する指標と対処法について解説しました。株式投資する場合は、流動性がとても大切です。とくに株数や取引金額が大きいほど流動性リスクは高まるので、出来高や板情報を必ず確認するようにしてください。

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山下耕太郎

山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011