株の口座開設と取引の始め方を徹底解説!証券会社の選び方や注意点も

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コロナ禍をきっかけに、株式投資を始めた方や始めようと考えている方が増えています。そこで今回は株の口座開設と取引の始め方や、初心者にも便利な証券会社の選び方などを解説します。

目次

  1. 株式投資を始める前に
    1-1.何歳から始められるか
    1-2.投資目的を決める
  2. 証券会社の種類
    2-1.対面型証券会社のメリット・デメリット
    2-2.ネット証券のメリット・デメリット
  3. 総合口座を開設する
    3-1.特定口座「源泉徴収あり」
    3-2.特定口座「源泉徴収なし」
    3-3.一般口座
  4. 取引を始める
    4-1.現物取引
    4-2.信用取引
  5. まとめ

1 株式投資を始める前に

株式投資を始める前に押さえておきたいポイントを解説します。

1-1 何歳から始められるか

株式投資を始める年齢は法律的には何歳からでも可能です。しかしながら、投資を始めるには証券会社に口座を開く必要があり、そのためには20歳以上(既婚者は20歳未満も可)で、原則として国内に居住していることが必要となります。

20歳未満の未成年者は口座を開くことはできませんが、親権者の同意の上、一定の手続きをとれば未成年口座を開設することができます。なお、未成年口座では、親権者が未成年者本人の代理人となり株式の売買等を行う形となります。

1-2 投資目的を決める

株式投資を始めるにあたっては、投資目的を決める必要があります。老後のためなのか、結婚や住宅・自動車などの購入のためなのか、目的によってリスクの許容度が異なるためです。

例えば25歳の方が老後資金のために投資を始める場合、年金の受給開始年齢65歳までの運用年数が40年もあるため、成長が期待できるもののハイリスク・ハイリターンの株式や投資信託などを中心に運用することができます。

一方、目的が数年後の結婚のためだったり、自動車を購入するためだったりする場合には、元本割れのリスクが低い金融商品が望ましい投資対象となります。

2 証券会社の種類

証券会社には、店舗を構えて営業活動をしている対面型証券会社と、インターネット上でのみ株式等の取引ができるネット証券の2種類があります。それぞれメリットとデメリットがあり、自身が使いやすい方を選ぶことが重要です。

証券口座は複数開くことができるため、対面式証券会社とネット証券双方に口座を開設し、使い勝手が良い証券会社をメインにすることもできます。

2-1 対面型証券会社のメリット・デメリット

対面型証券会社のメリットは、担当セールスに相談しながら資産運用ができることです。パソコン操作に不慣れな方や、運用するにあたってプロに相談したい方は対面型証券会社に口座を開くと良いでしょう。

一方、デメリットとしては、ネット証券と比べて手数料が高いことが挙げられます。ネット証券大手のSBI証券の最低手数料は50円ですが、対面型証券会社大手の野村證券(本・支店)は2,860円かかります。また、外国株式に投資する場合には、最低投資金額が設定されている場合もあるため注意が必要です。

2-2 ネット証券のメリット・デメリット

ネット証券のメリットは手数料が安いことのほか、個人投資家が中心のため新規公開株(IPO)が相対的に当たりやすいことなどが挙げられます。また多くのネット証券では、米国株が1株から購入できることもメリットです。

一方で、パソコン操作に慣れていない方には扱いにくいこと、担当セールスがつかないため自身で投資先を探す必要がある点はデメリットです。ネット証券においても、IFA(資産運用アドバイサー)に相談することはできますが、担当をつけた場合は最低手数料が2,500円となり、対面型証券会社とほぼ同額となることには注意が必要です。

3 総合口座を開設する

対面型証券、ネット証券問わず、取引を始める前に総合口座を開設する必要があります。総合口座には「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」の3種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自身の投資環境によって最適なものを選びましょう。

3-1 特定口座・源泉徴収あり

特定口座・源泉徴収ありは、証券会社が株式売買益の税金を計算し、納入してくれる制度です。初心者の方や確定申告の経験がない方は、この口座を選ぶと面倒な確定申告をする必要がないため便利です。

しかし、通常年収2,000万円以下で利益が20万円以下の場合は、 申告義務の対象外となるため確定申告を行わなければ課税されませんが、この口座を開設した場合には自動的に課税されてしまいます。課税された金額は確定申告により還付されます。また損失を出した場合には、確定申告をすることで翌年以降3年間、他の口座の利益や配当と通算し相殺することができます。

3-2 特定口座・源泉徴収なし

特定口座・源泉徴収なしの口座は、年収2,000万円以下で利益が確定申告免除枠(20万円)を超えてしまった場合に確定申告が必要です。申告時に必要な株式の売買損益報告書(年間取引報告者)は証券会社が用意してくれるため、自ら作成する必要はありません。

3-3 一般口座

一般口座は確定申告が必要な口座で、特定口座で管理していない上場株式等を管理する口座です。特定口座は国内の居住者が対象のため、海外赴任や海外移住した場合は一般口座に資産が移されます。この口座では、確定申告に必要な年間取引報告書を各自で作成する必要があります。

4 取引を始める

株式取引には現物取引と信用取引があります。それぞれについて解説していきます。

4-1 現物取引

現物取引とは自身の資金で株を購入する取引のことで、一般的な取引です。一度購入すれば、買ってから売るまでの期間に制限がありません。

4-2 信用取引

現金や株式を借りて取引をする方法です。売り、買いどちらからでも始めることができます。少額で大きな取引ができるため、市場が大きく変動した場合、利益・損失も大きくなります。売買を繰り返す短期売買向けの取引と言えます。投資初心者の方にはリスクが高いため、おすすめすることはできません。

まとめ

対面型証券会社、ネット証券、それぞれにメリット・デメリットがあります。パソコン操作に抵抗がなく、ある程度株式市場に慣れている方にはネット証券が使いやすいのですが、投資初心者の方は対面型とネット証券の両方に口座を作り、使い分けるという方法もあります。

自身のライフスタイルなどから投資目的を明確にし、少しずつ投資に慣れていきましょう。

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藤井 理

大学3年から株式投資を始め、投資歴は35年以上。スタンスは割安銘柄の長期投資。目先の利益は追わず企業成長ともに株価の上昇を楽しむ投資スタイル。保有株には30倍に成長した銘柄も。
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。