株式投資を副業で行うメリット・デメリットは?注意点や手続きも

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将来に対する不安の解消や、よりよい働き方のために副業を考える人が増えています。副業には様々な種類があり、中でも始めやすいのが株式投資です。副業として株式投資を行う場合、何に注意したらいいのか、どのようにすると成功するのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、株式投資を副業で行うメリット・デメリット、注意点、株式投資の始め方について詳しく解説します。副業を検討されている方は、参考にしてみてください。

目次

  1. 株式投資の特徴
    1-1.短時間の作業で副収入を得ることができる
    1-2.副業禁止の会社でも行いやすい
    1-3.様々な特典がある
  2. 株式投資を副業で行うメリット
    2-1.リスクに応じたリターンを期待できる
    2-2.非課税制度を活用できる
    2-3.少額から取引が可能
    2-4.定年後も続けることができる
  3. 株式投資を副業で行うデメリット・注意点
    3-1.業種によっては禁止される
    3-2.リターンに応じてリスクも大きい
    3-3.好きなタイミングで売買できないこともある
    3-4.正しい情報の取捨選択が難しい
  4. 株式投資の始め方
    4-1.勤め先の副業規定を確認する
    4-2.証券会社で口座を開設する
    4-3.銘柄を選んで取引する
  5. まとめ

1 株式投資の特徴

株式投資とは、企業が発行する株式を株式市場で売買し、その差額や配当金によって収益を得る投資方法です。副業としての株式投資について、主な特徴を見てみましょう。

1-1 短時間の作業で副収入を得ることができる

株式投資に慣れていると数分程度の空き時間があれば有効活用することができます。システム上であらかじめ指示しておけば、一定の価格になったときに自動的に売買することも可能です。取引の仕方によっては、必ずしもパソコンやスマートフォンの画面にずっと張り付いて市場の様子を眺める必要はありません。

通勤時間や昼休み時間などのちょっとした時間でも取引ができるため、プライベートの時間をあまり削りたくない人にも向いた副業の一つとなっています。

1-2 副業禁止の会社でも行いやすい

働き方改革が推進される中、副業禁止という会社もありますが、株式投資を行うことを禁止する企業は多くありません。

ただし、勤務時間中の副業は業務に支障をきたすため会社の規定で制限できます。また、業務上得た知識や情報によって市場に影響を与えかねないような業界・業種では、株取引そのものが禁止されている場合があるので注意も必要です。

1-3 株主優待や配当金を受け取ることができる

株は売買するだけでなく、保有することでもメリットがあります。例えば、「株主優待」では、株を保有している企業に関連した品物やサービスを受け取ることができます。その他にも定期的に受け取れる「配当金」、株主として「株主総会への出席」などの権利を持つことができるのも特徴です。

利益が出るタイミングまで無理に売買せず、保有によって特典を受けることで中長期的には利益につながりやすいのも株式投資の特徴です。投資金額が大きくなるほども大きくなるため、保有資産を徐々に増やすことも可能です。

2 株式投資を副業で行うメリット

株式投資を副業で行う際、どのようなメリットがあるのかを詳しく見てみましょう。

2-1 リスクに応じたリターンを期待できる

株式はハイリスク・ハイリターンな金融商品です。株式を購入した企業の株価が倍以上になることもあるほか、本業で稼ぐ金額よりも大きなリターンが短時間の株式投資で入ってくる場合もあります。一方でどんどん資産額が減り、損切りせざるを得なくなるケースもあります。

特に企業の決算発表など重大なイベントがあるタイミングには株価も大きく動くため、イベントの内容に注意したり、事前に値動きを想定して注文を入れたりする人もいます。

また、上場前の株式を取得して上場後に売却するIPO投資は、利益を狙いやすいので購入申し込みが殺到します。場合によっては数日で購入金額の2倍以上になることもあるため、多くの投資家が購入を希望しており、証券会社では抽選によって購入者を決めているほどです。

マネックス証券など証券会社によっては、当選する権利が平等に配分される完全平等抽選方式を採用している場合もあるなど、初心者でもIPO抽選には参加しやすくなっています。

2-2 非課税制度を活用できる

資産形成の必要性を政府が推進している通り、税制上も有利な制度が多くなっています。もともと株式の収益は分離課税となっており、一律で税率20.315%となっていますが、所得税のような累進税率ではないため、収益額が大きくなるほど税制上のメリットが大きくなります。

また、利益が出ずに損失が出た場合でも、3年間は損益通算が可能なので、翌年以降の課税額を減らすことができるのもメリットです。加えて、株式投資で払った手数料や情報収集のための書籍代・セミナー参加費などは、確定申告の際に経費として計上できます。

このほか、「NISA」や「つみたてNISA」などは、毎年の投資収益の一部を非課税にできるため、少額で運用したい方に向いた優遇制度となっています。

2-3 少額から取引が可能

株式投資では株価や単元株数(取引可能な最低数の単位)が決まっているため、通常の取引なら安くても数万円、数十万円が必要になります。

しかし、最近はネオモバなど株式を単元株未満でも購入できるサービスが提供されており、数百円からの取引も可能です。手数料もネット証券を中心に安くなっているため、ちょっとしたお小遣いや買い物のお釣りなどを積み立てることで資産形成を図りやすくなっています。

2-4 定年後も続けることができる

株式投資を副業とする場合、定年退職がないのもメリットです。副業として知識や経験を積み重ねることで、どのくらいの投資によってどのくらいの運用益を得られるかの感覚も掴みやすくなります。

運用次第では、定年後も貯金を取り崩す必要なく、運用益や配当金で老後の生活を送ることも可能です。

3 株式投資を副業で行うデメリット・注意点

株式投資を副業で行う場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。特に注意したいポイントは次の通りです。

3-1 業種によっては禁止される

金融商品を取り扱う証券会社や保険業などの業種では、従業員の金融商品の取引は禁止されることがほとんどです。業務上得た知識や情報から特定の金融商品に投資し、利益を得た場合、インサイダー取引と見なされます。

また、国家公務員の場合、副業が国家公務員法で禁止されています。株式投資は基本的に資産運用ですが、勤務時間中に取引をしている様子があれば注意対象となるほか、繰り返すようなら副業と見なされ、懲戒解雇になる可能性もあります。

副業として判断されるかどうかは、営業行為(繰り返し行われる、利潤獲得のための活動)に当たるかがポイントになるので、例えば、デイトレードのように多くの取引が日々行われている場合、その可能性は高くなります。

3-2 リターンに応じてリスクも大きい

株式投資はリターンの大きい投資ですが、リスクも大きくなります。現物株式ではその購入額以上の責任を追及されることはありませんが、信用取引の場合、購入金額以上の損失が発生する場合もあります。

また、投資していた企業で不祥事や事件があった場合や、業界や国際情勢の動向から企業の成績とは関係なく株価が大きく動いて損失を被ることもあるので注意が必要です。株式単体でのリスク分散は難しいため、様々な株を組み合わせたポートフォリオを作り、値動きに急な変動があっても対応できるようにしておくことが大切です。

3-3 好きなタイミングで売買できないこともある

株式投資では、市場が開いている時間帯ならいつでも取引可能ですが、希望するタイミングでの売買が難しい場合もあります。例えば、自分が売りたいと思っている価格で購入を希望する人がいない場合や、システムのトラブルによって売買ができない場合、大量の注文がすでに入っていて自分の注文がなかなか処理されない場合などです。

このようなケースでは、取引ができない場合も多く、取引ができても希望した価格で購入・決済ができないこともあります。結果として不利益を被ることがあることに注意しましょう。

また、上場していない企業の株式(未上場株)を手に入れた場合、公開市場での取引ができないため、取引相手を自分で探す必要があります。現金化したくても、相手探しや価格交渉が必要になるため、なかなか現金化が進まないなど、慎重な投資判断が求められます。

3-4 正しい情報の取捨選択が難しい

ネットでは株式投資に関する様々な情報を見つけられますが、多すぎる点はデメリットにもなります。正しい情報を見極めるには、それなりの知識や経験を積む必要があるものの、プロと同等の情報が無料で得られることも珍しくないため、以前よりも個人投資家と機関投資家の間の情報格差は小さくなっています。

4 株式投資の始め方

副業として株式投資を始める際の基本的な手順は、以下の通りです。

4-1 勤め先の副業規定を確認する

株式投資を始める前に、勤め先の就業規則を確認する必要があります。副業禁止の項目がある場合、個人的な株式投資が副業にあたるかどうかを人事に確認しておくとよいでしょう。

副業に関する項目が特にない場合は問題ありませんが、企業で働く従業員は、勤務時間中、企業の利益のために働くことが求められるので、本業に支障がないようにすることが大切です。

企業によっては、システムによって金融機関へのインターネットアクセスが禁止されていたり、アクセスしたログが取得されていて勤務時間中の取引を会社がチェックしていたりすることがあります。勤務時間中の取引は、基本的に控えることが大切です。

4-2 証券会社で口座を開設する

株式投資を始めるためには、まず証券会社で証券口座を開設します。株式投資にかかる手数料やツールの種類、取引ルール、取扱商品などは、証券会社によって違いがあるので、自分の投資スタイルに合った証券会社を選ぶことが大切です。中には金融商品ごとに異なる証券会社を利用し、複数の口座を持っている人もいます。

口座開設では、基本的に本人確認書類とマイナンバーの確認書類が必要になります。画像をアップロードするか、もしくは郵送でこれらの書類を送ることになるので、必要書類を準備しておくとスムーズに手続きを進めることができます。申し込み後、2週間前後で口座が利用できるようになります。

なお、口座開設時には、口座の種類を「特別口座(源泉徴収あり)」にしておくと取引ごとに源泉徴収が行われるので、年末調整や確定申告での納税処理が楽になります。

4-3 銘柄を選んで取引する

口座開設が済んだら、取引画面や取引用ツールから銘柄を選んで取引を行います。その際、購入にあてる金額や損切りの基準をあらかじめ決めておくなど、自分の中でルールをしっかりと決めておくことが大切です。そうすることで感情的な取引を抑制し、冷静な運用を図りやすくなります。

5 まとめ

株式投資は、多くの場合、副業ではなく資産運用として考えられます。短時間で取引できるほか、株式の保有によっても配当や株主優待を受けられるため、副業に時間をあまりかけたくない人にも向いています。税制上の優遇措置も多く、中長期的に利益を得られる可能性もあります。

ただし、株式投資は元本割れ等のリスクも大きくなりやすいので、注意点やデメリットもしっかりと確認して検討することが大切です。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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