「TOPIX」「日経平均」の違いは?「PER」「PBR」はどんな指標?株式投資の基礎知識

国内株式市場の代表的な株価指数として「TOPIX」や「日経平均」などが挙げられますが、その違いをご存知でしょうか。株式投資では、株式市場全体の動きを把握するのに役立つ「指数」のほか、個別銘柄を評価する場合に欠かせない「指標」を知っておくと、銘柄選びを上手に行えるようになります。

そこでこの記事では、株式投資をする際の判断基準となる主要な「指数」「指標」について詳しくご紹介します。投資対象の選び方を知りたい方、投資初心者の方などはご参考ください。

目次

  1. 株式投資の主要な「指数」「指標」とは
    1-1.株価指数
    1-2.株価指標
  2. TOPIXと日経平均の違い
    2-1.TOPIXの特徴
    2-2.日経平均株価の特徴
  3. 主要な株価指標の種類
    3-1.株価収益率(PER)
    3-2.株価純資産倍率(PBR)
    3-3.配当利回り
    3-4.自己資本比率
    3-5.株主資本利益率(ROE)
  4. 指数・指標はどうやって活用すればいい?
    4-1.TOPIXなどの指数で市場全体の大まかな動きを掴む
    4-2.株式指標で個別銘柄を絞る
  5. まとめ

1 株式投資の主要な「指数」「指標」とは

株式投資をする上での判断基準となるのが指数や指標であり、代表的なのが「株価指数」や「株価指標」です。

1-1 株価指数

株価指数は、株式市場全体やある範疇の銘柄群の動きを示す数値です。代表的な指数には、ニュース等でもよく目にする「日経平均株価」(日経225)や「TOPIX」(東証株価指数)などがあります。

株価指数はある時点の株価を基準にしてその増減を把握することで、株式市場全体の値動きを把握することができるものです。現在の株式市場が過去と比べてどのような状態にあるのかを客観的に掴むことができるので、合理的な投資に役立ちます。TOPIXや日経平均株価以外の株価指数には、以下のような種類があります。

  • JASDAQ指数
  • 東証2部指数
  • マザーズ指数
  • Jストック指数
  • JPX日経インデックス400
  • 日経平均先物

株価指数を確認すると、「指数が1年間かけて緩やかに上昇している」「直近1カ月間は大幅な上昇と下落を繰り返している」「3カ月前から徐々に下落し出した」などの市場の流れがわかるので、株を売買する際の参考データとして活用できます。

このほか、株価指数は投資信託のベンチマーク(運用の指標とする基準)としても利用されているほか、先物取引やオプション取引における原資産(投資対象とする資産)としても活用されています。

1-2 株価指標

株価指標は、ある特定の企業の株価を評価する場合に用いる様々な数値のことで、個別銘柄を選ぶのに役立ちます。

例えば、ある銘柄の株価が高いのか(=割高なのか)、安いのか(=割安なのか)を客観的に把握する際、株価の値動きだけで判断するのは難しい場合もあるため、株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)などの様々な株価指標が活用されています。

各証券会社では、様々な条件で上位銘柄を抽出できる銘柄スクリーニングツール(=株価検索機能)が提供されているので、主要な株価指標を知っていると銘柄選びがさらに上手にできるようになります。

2 TOPIXと日経平均の違い

代表的な株価指数である日経平均株価とTOPIXの具体的な内容を見ていきましょう。

2-1 TOPIXの特徴

TOPIXは、東証1部に上場する国内普通株式の全銘柄を対象とした東京証券取引所が算出・公表している株価指数であり、「東証株価指数」とも呼ばれています。TOPIXは1968年1月4日の時価総額を100として、それ以降の時価総額を指数化した値で、株式市場のみならず日本経済の動向を示す経済指標として認識されています。

TOPIXの対象銘柄は東証1部に上場する全銘柄の浮動株(各株式の市場に流通しているもの)で、TOPIXは浮動株を基準とした時価総額(株価×発行済み株式数)の変化を指数化した値となります。

TOPIXは1968年1月4日の時価総額を基準として算出されるため、現在の値が当初時点と比べてどのように変化したかが把握できます。例えば、2020年5月7日15時時点のTOPIXは1,426.73であり、基準値から約14倍拡大していると計算できます。

また、TOPIXは東証1部の全銘柄を対象としているため、投資信託やETF(上場投資信託)などの金融商品のベンチマークとして利用されることもあり、特に銀行や政府系金融機関などの機関投資家が重要視する傾向が見られます。

2-2 日経平均株価の特徴

日経平均株価は、日本経済新聞社が算出・公表している国内の代表的な株価指数の1つです。東京証券取引所の1部に上場している企業の中から流動性の高い銘柄を中心に、業種等のバランスを配慮して選ばれた225銘柄の平均株価となります。そのため、日経平均株価は「日経225」と呼ばれることもあります。

日経平均株価は、採用銘柄の株価合計を225で割って得られる単純な平均株価ではなく、株式分割(=1株を2株等に分割すること)や株式併合(=複数の株式を1株に統一すること)、採用銘柄の入れ替えなどが考慮されており、指数の連続性が担保されるように計算されています。

また、日経平均株価では指標としての有効性を維持するため、採用銘柄の見直しが行われます。入れ替えのタイミングは、年1回秋に実施される「定期見直し」と、採用銘柄が欠落する場合などの不定期補充である「臨時入れ替え」です。

日経平均株価を株式投資で利用する方法は様々ですが、日経平均が上がれば多くの企業の株価も上昇していることを示し、逆に日経平均が下がれば多くの企業の株価が下降していることを示すことになるので、株式市場全体の値動きを掴むのに役立ちます。

3 主要な株価指標の種類

日経平均やTOPIXは市場全体の動きを判断するのに役立つ指数ですが、個別銘柄を絞るのに役立つのが以下に挙げられる株価指標です。

3-1 株価収益率(PER)

株価収益率(PER=Price Earnings Ratio)は、「株価÷1株当たり利益」または「時価総額÷純利益」で計算される指標です。PERは、株価が1株当たり純利益の何倍で購入されているのか、1株当たり純利益の何倍の価格になっているのかを示してくれます。

例えば、株価が500円で1株当たり純利益が50円の場合、PERは500円÷50円=10倍と計算され、株価が1株当たり純利益の10倍の価格になっていると評価できます。

PERは企業の収益力と株価の関係を示す指標として利用されており、同業他社、業界平均、同一銘柄の過去・現在のPERを比較すれば、現在の株価が割安なのか割高なのかを分析することができます。

3-2 株価純資産倍率(PBR)

株価純資産倍率(PBR=Price Book-value Ratio)は、「株価÷1株当たりの純資産」で計算される指標で、株価が1株当たり純資産の何倍になっているのかを示します。

純資産は、会社が解散する際の株主に帰属する部分(持ち分)であることから、PBRは株価と1株あたりの解散価値との関係を示す指標になります。仮にPBRが1の会社が解散した場合、「株価」対「1株あたりの解散価値」=1対1となります。

株価はその時の1株当たりの投資額であるため、PBRが1の会社が解散すれば株価と同額が返却されることになり、投資家に損失は生じません。また1未満である場合、解散価値のほうが高く投資額以上の金額が返却されるため、投資は割安、株価は割安と判断できることになります。PBRが1を超える場合は逆に割高と判断されます。

3-3 配当利回り

配当利回りは、1株当たりの年間配当金を現在の株価で割って求める指標です。例えば、現在の株価が2,000円で、配当金が年30円である場合、配当利回りは30円÷2,000円=1.5%になります。なお、投資の判断で利用する場合、年間配当金の予想値を利用します。

株式投資では配当金を目的に投資する方もいるため、配当利回りは重要な指標の一つになっています。例えば、配当利回りが高い企業は、「投資家重視の経営を行える企業である」「配当金を多くできるほど儲ける力がある」「財務基盤が強い」などの評価を下せるなど、投資の判断材料に利用されています。

3-4 自己資本比率

自己資本比率は総資本に占める自己資本の割合を示す指標(自己資本÷総資本×100%)で、企業の財務の健全性を表す指標とも言われています。

企業の資本は自己資本と他人資本(負債)に分かれますが、経営の安全性から見ると自己資本比率の大きい企業のほうが安全性は高く、投資先リスクも低くなります。

業種によって自己資本比率の大きさは異なり、30%程度が平均であったり、20%未満であったりする業界もあります。そのため、業界平均と比較した自己資本比率の評価が重要になります。

なお、自己資本比率が高い企業ほど倒産リスクは小さくなることを表しますが、他人資本を上手に活用して利息以上の大きな利益を稼げる場合、事業の効率性は高くなります。自己資本比率が高くても儲けの効率性が低いケースもあるため、「企業の儲ける力」を併せて評価することも大切です。

3-5 株主資本利益率(ROE)

株主資本利益率(ROE=Return On Equity)は自己資本に対する当期純利益の割合を示す指標で、「自己資本利益率」とも呼ばれています。簡単に言えば、自己資本で純利益をどれだけ稼げたかの割合=「儲けの効率性」を示す指標です。

ROEが相対的に高い企業は、効率的に儲ける力のある経営効率の高い企業と判断できます。特に米国ではROEの高さが重視される傾向にあり、日本企業においてもROEの向上に繋がる経営が注目されています。

経済産業政策局産業資金課の資料によると、2007〜2018年の国内上場企業のROEは8%~10%程度で推移していますが、米国では14%~18%程度です。これらの値も銘柄を選定する上での参考になるでしょう。

4 指数・指標はどうやって活用すればいい?

株式投資を行う際に、株価指数や株価指標をどのように活用するのがおすすめなのかをご紹介します。

4-1 TOPIXなどの指数で市場全体の大まかな動きを掴む

まず、TOPIXなどの株価指数で市場全体の大まかな動きを掴むことが重要です。両者の値が上昇傾向なら投資環境はおおむね良好であり、逆に下降傾向では不良と判断できます。

なお、TOPIXと日経平均は東証1部市場の動きを示すものですが、TOPIXは時価総額で全銘柄を対象とし、日経平均は平均株価で225銘柄を対象としているため、その動きに違いが生じることもあります。そのため両者ともに上昇(あるいは下降)している場合でも、変化率に大きな差が生じることも珍しくありません。

そこで、TOPIXと日経平均の動きを時系列で見たり、短期や中長期で両指標を比較したりするのもおすすめです。現在の市場が上昇傾向にあるのか、下降局面にあるのか、もみ合っている状況にあるのかなどの動静を掴むのに活用しましょう。

また、TOPIXは銀行や通信・不動産など内需株の影響が大きく、日経平均では電気・情報・通信などのIT関連やハイテク産業などの影響が相対的に大きくなります。

例えば、ある時点の両指標の変化率を見比べて大きいほうの内容を確認し、その変化に大きく影響した個別の業界や銘柄を探すといったアプローチ方法もあります。今後の有望株や注意するべき銘柄の候補などが探しやすくなるというメリットがあります。

4-2 株式指標で個別銘柄を絞る

株式投資では、株価指数で投資環境(株式市場全体の動き)を判断し、個別銘柄の目星をつけ、株式指標で個別銘柄を絞るという方法が一般的です。

株式指標は、以下のように各特徴を把握できると個別銘柄の選定に役立ちます。PERとPBRは銘柄の株価の割安感や割高感の評価に役立つため、業界平均値、銘柄同士、過去の値動きなどで比較すると投資価値の判断や株価の予想に利用できます。

  • PERやPBRが低い企業ほど株価は割安である
  • 配当利回りが大きい企業ほど株主重視で儲ける力もある
  • ROEが高い企業ほど経営効率や投資効率が高い
  • 自己資本比率が高い企業ほど倒産リスクが低い

このほか、配当金などのインカムゲインを期待する場合は、配当利回りで比較します。効率的に儲けることのできる経営効率の良い企業を探したり、投資効率の良い企業を探したりする場合は、ROEの高い企業を比較します。倒産しにくい企業を優先したい場合は、自己資本比率の高い銘柄を探すなどの方法がおすすめです。

まとめ

TOPIXと日経平均株価は国内の代表的な株価指数であり、どちらも東証1部の銘柄を対象としているため、株式市場全体の動きを把握するのに役立ちます。しかし、株価指数だけでは個別銘柄の絞り込みは難しいので、PERやPBRなどの株価指標を利用することも重要になります。

株式投資では株価指数と株価指標をうまく活用することが投資の成功に繋がることもあるので、この記事を機会に理解を深めておきましょう。

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