株価の暴落はいつ起きる?直近の注意点と不況が来るスパンとは

2020年3月のコロナショックで株価は暴落しましたが、各国中央銀行による金融緩和により株価は上昇しました。ただ、こういった暴落は10年に1度程度起こっています。この記事では、株価が暴落した時どのような対応すればいいのか、どのような点に注意して投資を続ければいいのかについて解説します。

※2022年1月6日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. 過去の暴落
  2. 2008年のリーマンショックは「100年に1度の危機」といわれた
  3. 株価の暴落は突然やってくる
  4. 金利上昇局面ではグロース株よりもバリュー株に注目
  5. 今後は「スタグフレーション」に注意
  6. まとめ

1.過去の暴落

株価が暴落すると、恐怖指数と呼ばれる「VIX指数」が上昇します。VIX指数は、「Volatility Index(ボラティリティ・インデックス)」の略で、投資家が株価の先行きにどのぐらいの振れ幅を見込んでいるかを示します。

株価の値動きが荒くなるとVIX指数は上昇し、株価が膠着状態になるとVIX指数は下落するのです。VIX指数は、通常10~20の範囲で動きますが、30を超えてくると警戒感が高まっていると判断します。

2020年3月のコロナショック時には、VIX指数が85.47まで上昇しました。これは、かなり高い数値です。過去にVIX指数が大きく上昇した事例を確認してみます。

2001年9月 米国同時多発テロ 49.35
2008年10月 リーマンショック 89.53
2011年10月 ギリシャ通貨危機 46.88
2015年8月 チャイナショック 53.29
2018年2月 米国景気悪化懸念 50.3

VIX指数の過去最大値は、 リーマンショック時の89.53です。その後、VIX指数が50を割るまで1~2カ月かかり、完全に落ち着くまでは1年以上の時間が必要だったのです。

2.2008年のリーマンショックは「100年に1度の危機」といわれた

リーマンショックは、「100年に1度の危機」といわれ、1929年の世界大恐慌に匹敵する事態になるのではないかと懸念されました。ただ、 FRB(米連邦準備理事会)のバーナンキ議長が恐慌の専門家で適切な対応を行ったため、世界恐慌にはなりませんでした。

近代史の中で、最も悲惨な不況と言われているのが1930年代の米国の大恐慌です。国民総生産は1929年のピークから半分になり、失業率は最大24.9%(1933年)まで上昇。株価もピーク時から89.2%も下落したのです。

しかし、近年は2008年のリーマンショックや、2020年のコロナショック時に各国の中央銀行は積極的な金融緩和を行い、1930年代のような大恐慌のようにはならないような対策をしています。

3.株価の暴落は突然やってくる

ただ、どんなにいい相場が続いていても、それが永遠に続くということはありえません。直近の暴落は2020年3月のコロナショックでしたが、慌てた人も多かったでしょう。コロナショックは一時的な暴落でしたが、2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックのような暴落は、10年に一度程度起こるということは十分あり得るのです。

4.金利上昇局面ではグロース株よりもバリュー株に注目

2021年の株価は大きく上昇しました。米国の代表的な株価指数であるS&P500種株価指数は、約27%(年率)の上昇。過去30年間の平均上昇率8%を大きく上回っています。

2008年のリーマンショック以降、 落ち込んだ成長率を押し上げようと、各国の中央銀行は緩和的な金融政策を行ってきました。その結果、あふれた緩和マネーによって株式と債券が同時に買われるという状態が続いてきたのです。

ただ、2022年は各国の中央銀行が金融引き締めをおこない、金利が上昇しやすくなると見られています。金利が上昇する局面では、グロース株(成長株)よりもバリュー株(割安株)が買われやすくなります。

バリュー株とは企業の本質的価値(ファンダメンタルズ)に比べて株価が低い銘柄です。一方のグロース株とは、売上や利益などの成長性が高く、今後の株価上昇が期待できる銘柄のことです。

2021年2月には、米10年債利回りが1.6%まで上昇し、半導体やハイテク株などのグロース株の比率が高いナスダック総合株価指数が1%近く下落しました。長期金利が上昇すると、ハイテク株などのグロース株が売られやすくなるのです。

5.今後は「スタグフレーション」に注意

金利上昇には、「良い金利上昇」と「悪い金利上昇」の2種類があります。経済が成長し、企業業績が上向いている中での金利上昇であれば、経済の拡大とともに株価も上昇します。

一方、景気が悪い中での金利上昇は、株価に悪影響を及ぼすのです。金利が上昇することによって借り入れコストが上昇するので、企業は設備投資の縮小を行います。また、給料も上がらないので、個人消費が低迷し、企業業績への不安が高まるからです。

さらに、景気後退と物価上昇(インフレーション)が同時に進行する現象のことを「スタグフレーション」といいます。景気後退で賃金が上がらないにもかかわらず物価が上昇する局面は、生活者にとって極めて厳しい状況です。

近年では、1970年代のオイルショック後にスタグフレーションになりました。スタグフレーションになると、株価が暴落する可能性もあるので警戒が必要です。

まとめ

株価暴落時に大切なことは、投資を止めないことです。2008年のリーマンショックや、2020年のコロナショック時に株価は大きく下がりましたが、長期・積立・分散投資をしておけば、その後の株価の戻り局面でリターンが大きくなります。

株価は短期的に暴落することがあっても、経済成長を背景に長期的には上昇していますので、長期・積立・分散投資を心がけると良いでしょう。短期的な下落に焦ることなく、長期的な運用を心がけるようにしてください。

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山下耕太郎

山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011