コモディティ投資とは、貴金属、資源、農産物などの商品を対象として投資を行うことです。株式投資や投資信託などと並行して行えば、リスク分散やインフレ対策になるため、注目している方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、コモディティ投資を始めるのに適した証券会社をご紹介します。また、コモディティ投資の特徴についても詳しく解説するので、未経験者の方や新たに証券口座の解説を検討している方は参考にしてみてください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※この記事は2022年1月6日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
目次
- コモディティ投資とは
- コモディティ投資に強い証券会社5選
2-1.SBI証券
2-2.楽天証券
2-3.マネックス証券
2-4.GMOクリック証券
2-5.岡三オンライン - コモディティ投資の始め方
- まとめ
1 コモディティ投資とは
コモディティ投資とは、原油や天然ガスなどの資源や、金などの貴金属、大豆やコーンといった農産物など、実物の資産を対象として投資をすることを指します。コモディティ(commodity)は、英語で「商品」や「産物」などの意味があります。
コモディティ投資の対象となる現物資産の種類は様々です。貴金属では代表例である金のほか、プラチナや銀なども取引されます。資源エネルギー分野では、代表的な資産である原油に加え、天然ガス、電力などが対象となります。また、農産物では大豆やとうもろこしのほか、砂糖、コーヒーなど多くの商品が取引されています。
このような現物資産を対象とするコモディティ投資のメリットは、分散投資に役立つところです。コモディティの価格は、株式などの一般的な金融商品の価格とは異なる要因で変動するため、有価証券と組み合わせてコモディティ投資を行うことでリスク分散効果が期待できます。
また、インフレに強いのもコモディティ投資の特徴です。インフレになると物価が上昇するので、相対的に貨幣の価値が下がります。貨幣価値が下落する状況でコモディティに投資していれば、保有している資産価値を守ることにも繋がります。さらに、インフレによる物価上昇に伴い、コモディティ自体の価格も上昇する可能性があります。
このように、物価上昇時の資産価値の目減り防止を期待できる点がコモディティ投資の強みです。
一方、コモディティ投資にはデメリットもあります。商品を投資対象とするコモディティ投資の性質上、投資対象資産の価値がその商品の需要や供給によって大きく変動するリスクがあります。
例えば、原油の場合、供給面で産油国の意向に左右されやすいほか、需要面では景気や季節などの影響を受けます。また、農産物の供給は、天候の影響を強く受けます。
また、コモディティ投資では、配当金など保有しているだけで得ることのできる利益(=インカムゲイン)がありません。株式投資など、通常の投資であれば値上がりによる利益のほか、配当金などのインカムゲインも期待できる一方、コモディティ投資では配当金のような還元がないため、基本的に売買の差額のみが損益となります。
2 コモディティ投資に強い証券会社5選
コモディティ投資に適した国内の証券会社を確認していきましょう。
2-1 SBI証券
証券会社名 | SBI証券 |
取扱商品等 | ・貴金属 ・CFD ・投資信託 ・ETF |
特徴・強み | ・国内首位クラスの口座数と高い総合力 ・貴金属積立などコモディティ投資の幅広い選択肢 |
SBI証券では、コモディティへの投資が可能なサービスが豊富に提供されています。特に金・銀・プラチナは積立投資に利用できるほか、現物として引き出すことも可能です。
SBI証券の貴金属取引では、最低1,000円から金・銀・プラチナに投資することができます。取引手数料は、購入の際には約定代金の1.65%(税込)で、売却は無料です。好きなタイミングで購入でき、毎月定期的に積立することも可能です。
また、SBI証券の金・銀・プラチナ取引で購入・積立した貴金属は、現物転換を申し込むことにより、現物として手元で保管することもできます。貴金属取引・積立の手数料や取引単位などの詳細は以下の通りです。
項目 | 金 | 銀 | プラチナ |
---|---|---|---|
取引手数料買付 | 約定代金の1.65%(税込) | 約定代金の1.65%(税込) | 約定代金の1.65%(税込) |
取引手数料売却 | 無料 | 無料 | 無料 |
取引単位(金額) | 1,000円以上1,000円単位 | 1,000円以上1,000円単位 | 1,000円以上1,000円単位 |
取引単位(グラム) | 1g以上1g単位 | 10g以上10g単位 | 1g以上1g単位 |
現物化 | 可能 | 可能 | 可能 |
現物化時の最小単位 | 1kg | 100oz | 1oz |
また、SBI証券ではCFDによる原油・金取引にも対応しています。CFDとは、証拠金を預け入れて行う差金決済取引です。売りからトレードを始めることもできるので、原油や金の下落を予想する場面にも対応可能です。
さらに、投資信託でコモディティに投資する方法もあります。SBI証券の投資信託取引では、約20銘柄のコモディティ投信を売買できるほか、国内や海外上場のETF(上場投資信託)を通じてコモディティに投資することも可能です。
SBI証券のコモディティ投資について、利用者から次のような意見や感想が寄せられています。
- 現物転換で実際に金を手元で確認できる
- プラチナやパラジウムなどの貴金属ETFも購入できる
- 国内最大級の口座開設数の証券会社ということで利用している
※個人の感想です。サービスのご利用にあたっては、ご自分でも情報収集をされた上で最終的にご判断ください。
このように、SBI証券は、貴金属に投資してみたい方や、金・銀・プラチナの現物を実際に手に入れてみたい方に適した証券会社となっています。
2-2 楽天証券
証券会社名 | 楽天証券 |
取扱商品等 | ・貴金属 ・CFD ・投資信託 ・ETF |
特徴・強み | ・ネット証券上位の口座数と楽天グループの強み ・積み立てた金は100gから引き出し可能 |
楽天証券では貴金属の定期買付・積立や、CFDを利用したコモディティ投資を行うことができます。金やプラチナを一定の金額や重量で定期的に購入することができ、積み立てた金やプラチナが100g以上になると、現物として引き出し可能です。
なお、金は100gから現物化が可能ですが、銀は投資対象として購入することはできる一方で現物での受取はできません。貴金属取引・積立の手数料や取引単位などの詳細は以下の通りです。
項目 | 金 | 銀 | プラチナ |
---|---|---|---|
取引手数料買付 | 約定代金の1.65%(税込) | 約定代金の1.65%(税込) | 約定代金の1.65%(税込) |
取引手数料売却 | 無料 | 無料 | 無料 |
取引単位(金額) | 1,000円以上1,000円単位 | 1,000円以上1,000円単位 | 1,000円以上1,000円単位 |
取引単位(グラム) | 1g以上1g単位 | 10g以上10g単位 | 1g以上1g単位 |
現物化 | 可能 | 不可 | 可能 |
現物化時の最小単位 | 100g | 不可 | 100g |
一方、CFDではコモディティも取引可能で、金・銀も対象銘柄となっています。CFDで金や銀を購入しても現物にすることはできませんが、取引を売りからスタートできることに加え、最大20倍のレバレッジをかけて取引できるなど、柔軟な取引が可能です。
また、楽天証券のCFDでは原油をトレードでき、投資信託やETFなどでも幅広いコモディティ投資の機会が用意されています。
楽天証券のコモディティ投資について、利用者から次のような意見や感想が寄せられています。
- 少額で純金積立を始められる
- CFDでも金・銀・原油の取引ができる
- 貯まったポイントを投資信託の買付に利用できる
※個人の感想です。サービスのご利用にあたっては、ご自分でも情報収集をされた上で最終的にご判断ください。
2-3 マネックス証券
証券会社名 | マネックス証券 |
取扱商品等 | ・貴金属 ・投資信託 ・ETF |
特徴・強み | ・積み立てた金は100gから引き出し可能 ・海外を含む豊富な投資信託、ETF銘柄数 |
マネックス証券では金・銀・プラチナの取引を取り扱っており、毎月一定金額または量で購入する積立方式も利用可能です。
なお、マネックス証券では、金の保有量が100g以上になると現物として引き出せますが、銀とプラチナは現物にすることができません。また、取引には「証券総合取引口座」を開設した上で、「マネックス・ゴールド口座」という専用口座を別途開設する必要があります。貴金属取引・積立に関する詳細は以下の通りです。
項目 | 金 | 銀 | プラチナ |
---|---|---|---|
取引手数料買付 | 約定代金の1.65%(税込) | 約定代金の1.65%(税込) | 約定代金の1.65%(税込) |
取引手数料売却 | 無料 | 無料 | 無料 |
取引単位(金額) | 1,000円以上1,000円単位 | 1,000円以上1,000円単位 | 1,000円以上1,000円単位 |
取引単位(グラム) | 1g以上1g単位 | 10g以上10g単位 | 1g以上1g単位 |
現物化 | 可能 | 不可 | 不可 |
現物化時の最小単位 | 100g | 不可 | 不可 |
このほか、マネックス証券では、投資信託でも金や原油などを対象とした銘柄を取引可能で、海外ETFにおいてもコモディティ関連の銘柄が複数取り扱われています。
マネックス証券のコモディティ投資について、利用者から次のような意見や感想が寄せられています。
- 1,000円あれば純金積立を始められる
- 少額で分散投資できる
- 低コストなコモディティETFが揃っている
※個人の感想です。サービスのご利用にあたっては、ご自分でも情報収集をされた上で最終的にご判断ください。
2-4 GMOクリック証券
証券会社名 | ・GMOクリック証券 |
取扱商品等 | ・CFD ・投資信託 ・ETF |
特徴・強み | ・差金決済取引で国内証券上位 ・CFDで幅広い銘柄を取扱う |
FXやCFDなどの証拠金取引に強みのあるGMOクリック証券は、コモディティ銘柄のCFD取引が可能です。金や銀などの貴金属に加え、コーンや大豆といった農産物もトレード可能となっています。また、資源では天然ガスに加え、WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)と北海ブレントの2種類の原油CFD取引を行うことができます。
また、ハイレバレッジ型ETFも取り扱われており、コモディティ分野では「原油ブル2倍ETF」「原油ベア2倍ETF」「金ブル2倍ETF」「金ベア2倍ETF」の4種類が用意されています。いずれも、2倍のレバレッジ相当の値動きとなるETFであり、「ブル」型は対象資産の価格が上昇した際に、「ベア」型は対象資産の価格が下落した際に利益となる銘柄です。
さらに、GMOクリック証券では「はっちゅう君CFD」というパソコン向けのCFD専用取引ツールが用意されているほか、スマートフォン向けのアプリも配信されています。様々なチャート表示が可能で、実際の発注も手軽に操作可能です。
GMOクリック証券のCFD取引について、利用者から次のような意見や感想が寄せられています。
- スプレッドがあまり広がらずコスト面で嬉しい
- 取扱銘柄数が豊富
- デモトレードを利用できる
※個人の感想です。サービスのご利用にあたっては、ご自分でも情報収集をされた上で最終的にご判断ください。
GMOクリック証券のCFD取引では、デモトレードが無料で提供されており、CFD取引がどのようなものか分からない方は、デモトレードを利用すれば取引を手軽に体験することが可能です。
2-5 岡三オンライン
証券会社名 | 岡三オンライン |
取扱商品等 | CFD 投資信託 ETF |
特徴・強み | 取引所CFD(くりっく株365)を提供 投資情報やツールで人気 |
岡三オンラインでは、くりっく株365を利用した差金決済取引を行うことができます。くりっく株365とは、東京金融取引所に上場する公設CFD取引です。店頭CFDと比較して、業者破綻の際などの証拠金の保護に関して優れているのが特徴で、証拠金を預け入れることで対象資産を取引でき、コモディティでは金と原油のトレードが提供されています。
また、岡三オンラインでは「e-profit 株365」というくりっく株365向けの分析ツールを利用でき、チャートやニュースなど豊富な投資情報にアクセスできます。その他、くりっく株365専用のツールが、パソコン向け・スマートフォン向けなど幅広く展開されています。
岡三オンラインのCFD取引について、利用者からは次のような意見や感想が寄せられています。
- 取引所CFDなので信頼をもって利用できる
- 投資に関する情報提供が充実している
- 取引ツールが見やすく便利
※個人の感想です。サービスのご利用にあたっては、ご自分でも情報収集をされた上で最終的にご判断ください。
3 コモディティ投資の始め方
コモディティ投資を始める場合、最初に利用したい証券会社で証券総合口座を開設する必要があります。
口座を開設すると通常の株式取引などが利用できるようになりますが、貴金属取引やCFD取引の際は、既に開設した証券総合口座とは別に、専用口座の開設が必要となります。
コモディティ投資用の専用口座の開設は、証券総合口座にログインし、申し込み手続きを進めます。一方、すでに証券総合口座を持っていれば最短即日で取引を開始できます。
まとめ
コモディティ投資は、商品を取引する投資であり、分散投資やインフレ対策などに適した投資手法です。金やプラチナなどの積立以外にも、CFDや投資信託、ETFなどで商品を対象とする銘柄を取引する方法もあります。
一方、コモディティ投資にはリスクもあり、例えば比較的低リスクとされる金であっても価格が下落することはあります。また、CFDなどでレバレッジをかけてトレードする場合、投資のリスクが大きくなります。コモディティ投資を考える際には、投資する商品やトレード方法について慎重に検討を行うことが大切です。
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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