株価チャートのローソク足の見方と分析方法は?種類や買い・売りのポイントも

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チャート分析で最も利用されるものの一つが「ローソク足」です。ローソク足を見れば、買い・売りのサインを確認することができます。この記事ではローソク足の見方と分析方法について解説します。

目次

  1. ローソク足とは
  2. ローソク足の種類
  3. 覚えておきたいローソク足の形
    3-1.大陽線と大陰線
    3-2.小陽線と小陰線
    3-3.上影陽線と上影陰線
    3-4.下影陽線と下影陰線
    3-5.十字線
    3-6.はらみ線
    3-7.つつみ線
    3-8.入り首線
    3-9.切り込み線
    3-10.あて首線
  4. まとめ

1.ローソク足とは

ローソク足は株価チャートで最もよく使われるチャートの一つで、「始値」「高値」「安値」「終値」の値動きを表示したものです。ローソク足は日本で生まれ、ローソクに似た形からその名前がつけられています。そして、海外でも「Candle Chart(キャンドルチャート)」の名前でよく知られています。

ローソク足は1日や1週間などの期間を定め、その期間の最初につけた株価を「始値」、その期間で最も高い株価を「高値」、最も安い株価を「安値」、最後につけた株価を「終値」としているのです。

始値よりも終値が高いものを「陽線」と呼び、反対に始値より終値が安いものを「陰線」と呼びます。そして、「始値」と「終値」の間を「実体」といい、実体から高値までの線を「上ひげ」、実体から安値までの線を「下ひげ」といいます。

2.ローソク足の種類

この記事では、陽線は「赤」、陰線は「青」で書いています。なお使用するツールや証券会社によって陽線・陰線の色は異なるため注意が必要です。

高値と終値の差である「上ひげ」と、始値と安値の差である「下ひげ」の長さから、日中の高値と安値を読み取れます。そして、株価が大きく動けばローソク足は長く伸び、小さく動けば短くなります。つまり、ローソク足を見れば、株価の推移を把握できるのです。

そして、ローソク足には、以下の5つがあります。

分足 1分当たりの株価の動き
日足 1日当たりの株価の動き
週足 週単位の株価の動き
月足 月単位の株価の動き
年足 年単位の株価の動き

3.覚えておきたいローソク足の形

次に、ローソク足の基本的な形(パターン)について解説します。株価分析や今後の株価予想に利用している投資家も多いので、ぜひ覚えておくようにしてください。

3-1.大陽線と大陰線

大陽線とは、ローソク足の実体部分が大きい陽線です。大陽線は、買いの勢いが続くことを意味しています。とくに下落相場で大陽線が見られた場合は、「株価上昇の転換点のサイン」とみなします。

一方の大陰線は、ローソク足の実体が大きい陰線です。大陰線は売りの勢いが続くことを意味します。とくに株価が高値圏で出現した時は、「下げ相場への転換のサイン」とみなします。

3-2.小陽線と小陰線

小陽線は大陰線に比べて実体部分が小さく、買いにやや傾いた形をしています。また、小陰線は大陰線に比べて実体部分が小さく、売りにやや傾いた形をしています。そして、どちらも「相場の迷いを表している」といわれています。

3-3.上影陽線と上影陰線

上影陽線は、実体が下にあり上ひげが長い陽線で、弱気のサインとなります。とくに、高値圏で出現したときは、下落への転換点になる可能性が高くなります。

一方の上影陰線も実体が下にあり上ひげが長い陰線で、これも弱気のサインです。とくに高値圏で出たときは、下落への転換点になることがあります。

3-4.下影陽線と下影陰線

下影陽線は、下ひげが長く実体が上にある陽線で、買いが強まるサインとなります。とくに安値圏で出現した場合、買いへの転換点になります。一方の下影陰線は、実体部分が上で下ひげが長い陰線で、これも買いが強まるサインとなります。とくに安値圏で出現した場合、買いの転換点となります。

3-5.十字線

十字線は始値と終値が同じで、実体がありません。買いと売りが拮抗している状態を表し、相場の転換点を表しています。

複数のローソク足で売買タイミングを見極める

1本のローソク足でも株価推移を分析できますが、それよりも長い期間である2本のローソク足のパターンにも注目することで、より精度の分析が可能になります。以下では代表的な2本のローソク足のパターンを紹介します。

3-6.はらみ線

はらみ線とは、2本のローソク足を見たとき、1本目のローソク足の方が長く、2本目のローソクを包んでいる形になっているものです。高値圏で1本目に陽線のはらみ線がでた場合、天井圏が意識されます。一方、安値圏で1本目が陰線のはらみ線がでた場合、底値圏と考えられます。

3-7.つつみ線

はらみ線とは逆に、1本目のローソク足が短く、2本目のローソク足が包み込んでいる形を「つつみ線」といいます。陰線を陽線が包み込む「陽線つつみ線」が下落トレンドででた場合、上昇に転じるサインになるのです。

一方、陽線が陰線を包み込む「陰線つつみ線」が上昇トレンドででた場合、下落に転じるサインと考えます。

3-8.入り首線

大陰線をつけた終値よりも翌日の始値が安くなり、終値も大陰線の中心まで届かなかったときを「入り首線」といいます。買い向かう動きはやや弱いと判断します。

3-9.切り込み線

大陰線の終値よりも翌日の始値が安く始まったものの、大陰線の中心を超えて大陽線をつけた場合を「切り込み線」といい、上昇トレンドが続いていると判断します。

3-10.あて首線

大陰線をつけた翌日に窓を開けて安く始まり、上げ幅を拡大したものの、大陰線の安値に届かなかった場合を「あて首線」といいます。売り買いの勢力が拮抗していると考えられますが、2日分のローソク足を足すと大陰線になることから、売り圧力の方が強いと判断します。

まとめ

ローソク足を見れば、買いの勢いが強いのか、売りの勢いが強いのかを判断できます。ただ、ローソク足だけで投資判断をするのではなく、移動平均線など他のテクニカル指標もあわせて分析するようにしてください。

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山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011