米国発の暗号資産プロジェクト「CityCoins(シティコイン)」は11月13日、テキサス州オースティン市で「オースティンコイン」の発行を開始すると明らかにした。
シティコインとは、地域住民またはその地域を応援する人々が主体的に地域を活性化させるために、地域に根付いた通貨を発行するプロジェクトである。日本で近年普及している「地域通貨」と近い役割を果たすものだ。
シティコインは、Stacks(スタックス)と呼ばれるプロトコルを使用している。スタックスは、ビットコインにスマートコントラクトやDAppsを導入する目的で作られたプロトコルである。
シティコインを発行するためにマイナーは、スタックスの独自通貨STXをスマートコントラクトに転送する。その際、マイナーは一定量のシティコインをマイニング報酬として手に入れることが可能だ。
マイニングに使用されたSTXの30%は、発行されたシティコインをステーキングしている人々に分配される。残りの70%は、シティコインが発行されている地域行政のウォレットに分配される仕組みとなっている。地域行政のウォレットに配分されたSTXの用途については、行政に決定権があるため法定通貨に換金して自治体の財源とすることも可能である。
一部では、収益をあげるために新たな参加者を必要とする現状の仕組みについて、ポンジ・スキームに近いのではないかという懐疑的な意見も出ているようだ。
今回のオースティンでの発行に先立ち、シティコインはフロリダ州マイアミ市、ニューヨーク州ニューヨーク市でも発行されている。マイアミ市は、8月に発行された「マイアミコイン」の報酬が2,100万ドルを超えていると公表していた。
マイアミ市のFrancis Suarez市長は11月11日に、マイアミコインから得た収益をビットコインとして市民に分配することを明らかにしている。また、今後もシティコインと連携して、様々な取り組みを行っていくとのことだ。
今回、新たにオースティン市でシティコインを発行する理由として、シティコインは「独立性、技術力、創造性の組み合わせが、ATX(オースティンコイン)を立ち上げるための理想的な環境となっている」と主張。実際、オースティン市には、多くのスタートアップ企業やハイテク企業が拠点を置いている。
現状オースティン市は、マイアミ市のようにシティコインとの提携を明らかにしていない。もしオースティン市が正式に「オースティンコイン」を認めることになれば、「オースティンコイン」による収益を、同市のウォレットに分配し行政資金として使うことも可能となる。
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【参照サイト】CityCoins.co
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