ビットコインの大型アップデート「Taproot」が実装完了

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約4年ぶりとなるビットコインの大型アップデート「Taproot」が11月14日に実装された。このTaprootにより、ビットコインの匿名性やセキュリティ、スケーラビリティが向上することになる。

Taprootは、主にECDSAという方式の署名をシュノア署名に切り替えることで実現される。シュノア署名により、複数の署名データを1つにまとめることが可能となり、スケーラビリティの向上による手数料の低減などが見込まれるものだ。

より具体的には、トランザクションの署名部分をブロックの外部領域に記録することで、ブロック内のデータ量の削減が可能となる。加えて、署名とトランザクションを切り離すことにより匿名性の向上も期待できる。

他にも、シュノア署名への切り替えだけではなく、MAST(マークル化抽象構文木)の導入により、複雑な条件分岐のあるトランザクションから生じるデータ量の削減が可能となった。このことから、複雑なスマートコントラクトや新たなユースケースの開発が進むことが期待されている。

2017年に行われた前回の大型アップデートSegwitでは、主に各ブロックサイズの拡張が行われた。現在は、送金手数料を大幅に下げることに成功したライトニングネットワークなどのレイヤー2における決済基礎となっている。

Taprootによるシュノア署名の実装に際して、Segwitは欠かせないものだった。複数の署名データを1つにまとめる仕組みの導入は、ビットコインをハードフォークさせる必要があったものの、事前にSegwitを実装していたことで、ソフトフォークでのシュノア署名の実装が可能になった。

今回Taprootが実装されたが、全てが完全に移行するわけではなく、Taprootに対応してないノードやウォレットではその機能を使うことができない。6月にアップデートの実施が確定され、マイナーや開発者には5ヶ月間のアップデート猶予があった。

5月時点では90%以上のマイナーがアップデートを表明しているが、多くのウォレットは未だ対応していない。なお、Segwitではウォレットの対応率が50%に達するまで約2年かかっていた。

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【参照記事】https://twitter.com/f2pool_official/status/1459753170024861700

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株式会社techtec リサーチチーム

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