グーグルの2021年第3四半期決算は、純利益が189.4億ドル(前年同期は112.5億ドル)、1株利益が27.99ドル(前年同期は16.40ドル)だった。総売上高は41%増の651億ドル、トラフィック獲得コスト(TAC、115億ドル)を除く売上高は536.2億ドル(前年同期は379.7億ドル)に増加。営業利益率は32%(前年同期は24%)へ大幅に改善した。
アルファベットのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は「5年前に人工知能(AI)ファースト企業に変貌するというビジョンを掲げている。今期の業績は、AI分野への投資により、さらに役立つ製品・サービスの開発が可能になったことを示すものだ。検索サービスの継続的な改善と新型スマートフォンPixel 6が、それを示す良い例である」と説明した。
米メディアのMarketWatchが報じたところによると、金融プロフェッショナル向けソリューションを提供する米ファクトセットが集計したアナリスト予想値は、1株利益が23.73ドル、TAC控除後の売上高が523億ドルだった。
また、同メディアは「フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)とスナップ(ティッカーシンボル:SNAP)が利益警告(業績の下方修正)を出すなか、グーグルが堅調な業績を発表したことは市場に安心感を与えた。今年、アップルがiPhoneなどでプライバシー保護を強化したことを受け、フェイスブックとスナップの両社は広告収入が伸び悩んでいる。アルファベットのルース・ポラット最高財務責任者(CFO)はアナリスト向け電話会議にて、『アップルの規制強化によるユーチューブの業績への影響は限定的だった』と説明した。グーグルの広告事業の総売上高は43%増の531億ドル、そのうち、検索事業が379億ドル(前年同期は263億ドル)、ユーチューブの広告収入は72億ドル(前年同期は50億ドル)に拡大した。
グーグルのクラウド事業の売上高は47%増の約50億ドルとなった。しかしながら、クラウド分野では、米アマゾン・ドット・コム(ティッカーシンボル:AMZN)や米マイクロソフト(ティッカーシンボル:MSFT)といった競合の後塵を拝すとみられている。」としている(※1)
グーグルが今四半期に最高益を更新したことを受け、10月27日の株式市場で株価は5%弱上昇。2021年にはこれまでに59%上昇しており、22%値上がりしているS&P500種株価指数(ティッカーシンボル:SPX)を大きくアウトパフォームしている。
【参照記事】※1 MarketWatch「Google earnings top estimates as online ad sales remain resilient」
【参照記事】Alphabet「Alphabet Announces Third Quarter 2021 Results」
【参照記事】Yahoo!ファイナンス「アルファベット」

HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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