ソフトバンクグループの株の配当利回り・優待は?業績や買い時・売り時も

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携帯電話やインターネット関連企業を傘下に持つソフトバンクグループですが、10兆円規模を誇るビジョンファンドによって、株価は米国株式市場の動向に影響を受けるようになっています。この記事ではソフトバンクグループの株価分析と、投資するときの注意点について解説します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. ソフトバンクグループ(9984)の業績は好調
  2. ソフトバンクグループの株価は21年ぶりの1万円台
  3. 中国株の動向にも注目
  4. ソフトバンクグループへの投資はキャピタルゲイン狙いが適している
  5. まとめ

1.ソフトバンクグループ(9984)の業績は好調

ソフトバンクグループが2021年2月8日に発表した2020年4~12月期の連結決算(国際会計基準)は、売上高が4兆1,380億円(前年同期比6.1%増)、純利益が3兆551億円(前年同期比6.4倍)の大幅増益でした。純利益は4~12月期としては過去最高。4~12月期としては、2017年のトヨタ自動車(2兆131億円)を上回り、日本企業でも最大となったのです。

とくに大きかったのが、投資ファンド「ビジョンファンド」の運用成績改善。投資先企業の株価が上昇し、ファンド事業の投資損益は2兆787億円と、前年同期の7,290億円の赤字から大きく改善しました。

投資先で大きな上昇を見せたのが、フードデリバリーサービスを展開している「ドアダッシュ」。投資額704億円に対し、2020年末時点での時価総額は9,304億円と13.2倍になったのです。

2.ソフトバンクグループの株価は21年ぶりの1万円台

2月8日の決算発表を受け、ソフトバンクグループの株価は10,140円まで上昇。2000年のITバブル以来、約21年ぶりに1万円の大台に乗せました。これまでの高値は2000年2月15日につけた11,000円ですが、この水準も視野に入ってきたのです。

ソフトバンクグループは、好調な株式市場が追い風となり、保有株の売却や料理宅配大手ドアダッシュなど投資先企業のIPO(新規株式公開)によって大きな利益を上げました。

ソフトバンクグループは、新規投資を積み増す方針で、今後も年間10~20社のIPO(新規株式公開)を目指すとしています。

ただ、米IT企業に多く投資しているビジョンファンドは、米国株式市場の中でも特にハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の影響を受けやすくなっています。ナスダック総合株価指数は2020年10~12月に15%上昇し、ビジョンファンドの投資先企業の株価も大きく上がりました。

そのため、ナスダック総合株価指数が上昇している限り、米ハイテク株に巨額投資しているソフトバンクグループの株価も堅調だといえます。しかし、調整局面に入れば業績の悪化は避けられません。良くも悪くも、ソフトバンクグループの株価は米国株式市場の影響を強く受けるようになっているのです。

3.中国株の動向にも注目

ただ、ビジョンファンドの最大の投資先は米国ではありません。2020年3月末時点での地域別の投資先構成は、以下の通りです。

  • アジア(中国中心) 46%
  • 米州(米国中心)  36%
  • 欧州        18%

今後のビジョンファンドのIPO予想リストには、中国企業が多く入っています。ビジョンファンド最大の投資先とされる中国のライドシェア大手「ディディ」のほか、動画投稿アプリTikTokを運営する「バイトダンス」など、中国のユニコーン企業(創業から10年以内で評価額10億ドル以上)の上場準備が進んでいるのです。

今後は米国だけでなく、中国の株式市場の動向にも強く影響を受ける可能性が高いと考えられます。

4.ソフトバンクグループへの投資はキャピタルゲイン狙いが適している

2021年2月末時点のソフトバンクグループの株価と株価指標は、以下の通りです。

  • 株価 9,895円
  • PER 10.88倍
  • PBR 3.77倍
  • 配当利回り 0.44%

ソフトバンクグループの株価は、2020年3月のコロナショックで2,609.5円まで下落しましたが、2021年2月22日の高値10,630円まで約4倍に上昇しました。ただ好調な決算により、予想PERは10.88倍と東証1部全体の約26倍と比べても割高感はありません。

ソフトバンクグループの予想配当利回りは0.44%と低く、株主優待もないのでインカムゲイン狙いの投資には向いていません。値上がり益を期待するキャピタルゲイン狙いの投資が適しているのです。

ただ、ビジョンファンドの投資先企業の株価動向に大きな影響を受けるので、米国や中国の株式市場の動向には注意が必要です。

まとめ

ソフトバンクグループはコロナ禍でも業績を伸ばし、株価も21年ぶりの1万円台を回復しました。ただ、ソフトバンクグループの好決算は、投資先企業の株価上昇による部分が大きいので、米国や中国の株式市場の動向に強く影響を受けるがゆえの時期的なものともいえます。

好調なマーケット環境のときはいいのですが、世界的に株価が調整局面になったときにソフトバンクグループの株価も下がる可能性が高いので、投資するときは損切りをするなどしてリスク管理を徹底するようにしてください。

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山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011