西武鉄道、2022年の株主優待は?配当や権利確定日、注意点も

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西武鉄道の株主優待では、電車・バスで利用できる株主優待乗車証や西武グループが運営する施設の利用優待券が贈呈されます。今回は2022年度の西武鉄道の株主優待について内容の詳細や配当、注意点などを紹介しますので、銘柄選びの参考にしてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年3月22日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. 西武鉄道の株主優待の内容
  2. 株主優待乗車券の贈呈
    2-1.電車全線パスなどはホテル宿泊券と交換可能
    2-2.株主優待乗車証はPASMOへの移し替えが可能
    2-3.一部利用できない路線がある
  3. 施設利用優待券の贈呈
  4. 西武鉄道の配当の内容
  5. 西武鉄道の業績の内容
  6. 西武鉄道の企業情報
  7. 西武鉄道の株主優待を受ける場合の注意点
    7-1.新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた事業が複数含まれる
    7-2.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
    7-3.権利付最終日での購入には注意
    7-4.元本を毀損する可能性がある
  8. まとめ

1.西武鉄道の株主優待の内容

銘柄 西武ホールディングス
コード 9024
優待回数 2回
優待権利確定月 3月・9月
優待利回り
株価 1,285円
優待を得るための最低投資額 128,500円
権利付最終日 2022年3月29日(火)、9月28日(水)

※2022年3月22日時点のデータ

西武鉄道(西武ホールディングス・9024)の株主優待の内容は下記のとおりです。

  1. 株主優待乗車券の贈呈
  2. 施設利用優待券の贈呈

それぞれ詳しく紹介します。

2.株主優待乗車証の贈呈

西武鉄道の株主優待では、電車やバスで利用できる株主優待乗車証の贈呈を受けられます。優待乗車証には下記の3種類があります。

  1. 片道きっぷ:1枚で1乗車につき有効となる優待乗車証
  2. 電車全線パス:有効期限内であれば何度でも電車利用時に使える優待乗車証
  3. 電車・バス全線パス:有効期限内であれば何度でも電車・バス利用時に使える優待乗車証

100株以上の株式を保有している株主が優待の対象で、保有株数や継続保有年数によって贈呈される優待乗車証の種類・枚数が変動します。

贈呈内容の詳細は下記のとおりです。

株式数 優待乗車証の種別 乗車区間 贈呈枚数 追加発行
(3年以上継続保有)
3月末基準日 9月末基準日
100株以上300株未満 片道きっぷ 西武線・西武バス全線 2枚
300株以上500株未満 片道きっぷ 西武線・西武バス全線 2枚 2枚
500株以上1,000株未満 片道きっぷ 西武線・西武バス全線 4枚 4枚
1,000株以上2,000株未満 片道きっぷ 西武線・西武バス全線 10枚 10枚
2,000株以上3,000株未満 片道きっぷ 西武線・西武バス全線 20枚 20枚
3,000株以上5,000株未満 片道きっぷ 西武線・西武バス全線 30枚 30枚 片道きっぷ5枚追加
※基準日ごと
5,000株以上10,000株未満 片道きっぷ 西武線・西武バス全線 50枚 50枚
10,000株以上20,000株未満 電車全線パス 西武線全線 1枚 1枚 片道きっぷ10枚追加
※基準日ごと
20,000株以上40,000株未満 電車・バス全線パス 西武線・西武バス全線 1枚 1枚
40,000株以上 電車・バス全線パス 西武線・西武バス全線 2枚 2枚

優待乗車証は3月末日時点での株主には5月中旬(有効期限11月末日)に、9月末日時点での株主には11月中旬(有効期限翌年5月末日)にそれぞれ発送されます。

2-1.電車全線パスなどはホテル宿泊券と交換可能

優待乗車証として送付される電車全線パスと電車・バス全線パスは、西武グループが運営する「プリンスホテルズ&リゾーツ無料ペア宿泊券(1泊)」と交換できます。

パスの種類によって無料宿泊券との交換に必要な枚数が異なるほか、宿泊券の枚数によって利用できる施設を選択できるのが特徴です。

パスの種類ごとの必要交換枚数は下記のとおりです。

種別・枚数 「プリンスホテルズ&リゾーツ無料ペア宿泊券(1泊)」
電車全線パス 1枚 1枚
電車・バス全線パス 1枚 2枚
電車・バス全線パス 2枚 4枚

※片道きっぷは交換不可

また、無料宿泊券の枚数によって選択可能になる施設は下記のとおりです。

利用対象施設 必要枚数
プリンスホテルブランド、ホテルシーパラダイスイン、中国割烹旅館 掬水亭(1泊) プリンスホテルズ&リゾーツ 無料ペア宿泊券(1泊) 1枚
ザ・プリンス、グランドプリンスホテルブランド
プリンス バケーションクラブ軽井沢浅間(1泊)
プリンスホテルズ&リゾーツ 無料ペア宿泊券(1泊) 2枚
ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町
ザ・プリンス ヴィラ軽井沢
高輪花香路
旅館(三養荘、龍宮殿)
ザ・プリンス、グランドプリンスホテルブランドのスイートルーム
プリンス バケーションクラブヴィラ軽井沢浅間
プリンス バケーション クラブ 三養荘(1泊)
プリンスホテルズ&リゾーツ 無料ペア宿泊券(1泊) 4枚

※「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」のスイートルームは除く

交換には期限があり、5月発送分は5月末日、11月発送分は11月末日の消印有効となります。交換方法は乗車券に同封されている申込用紙の内容を確認してください。

2-2.株主優待乗車証はPASMOへの移し替えが可能

優待乗車証のうち、電車全線パスと電車・バス全線パスはPASMOに移し替えることができます。PASMOに移し替えることで、自動改札機にタッチするだけで優待を利用できるほか、チャージすることで乗り越し料金も自動精算可能です。また、紛失しても再発行できるなどのメリットがあります。

移し替えは定期券の発売窓口や定期券表示のある自動券売機で行えます。詳細については西武鉄道のサイトで確認してください。

2-3.一部利用できない路線がある

西武鉄道の株主優待乗車証は、下記の路線では利用できません。

株主優待乗車証が利用できない路線 深夜急行バス、高速乗合バス、空港連絡バス、自治体等により委託を受けて運行している路線(コミュニティバス)、立川駅南口・川越駅西口~三井アウトレットパーク線、イオンモール東久留米シャトルバス、飯能駅北口・東飯能駅東口~メッツァ線、メットライフドーム線、イベント開催時の臨時バス、西武観光バス(秩父・軽井沢・万座・草津地区)の路線全線など

また、特急列車または座席指定列車を利用する場合は、別途特急券や指定券が必要になります。さらに、深夜バスの利用時には、深夜バス運賃の半額が必要です。

3.施設利用優待券の贈呈

西武鉄道の株主優待では施設利用優待券の贈呈も受けられます。100株以上を保有する株主が優待の対象で、保有する株式数によって優待券の枚数が変動します。

詳細は下記のとおりです。

所有株式数 100株以上
300株未満
300株以上
500株未満
500株以上
1,000株未満
1,000株以上
10,000株未満
10,000株以上
基準日 3月末 9月末 3月末 9月末 3月末 9月末 3月末 9月末 3月末 9月末
内野指定席引換券 2枚 2枚 5枚 5枚 5枚 5枚
メットライフドームプレミアムシートA応募券 1枚 1枚
1,000円共通割引券 3枚 3枚 3枚 5枚 5枚 10枚 10枚 10枚 10枚
レストラン割引券 10枚 10枚 10枚 10枚 10枚 10枚 10枚 10枚 10枚
ゴルフ割引券 2枚 2枚 2枚 2枚 2枚 2枚 2枚 2枚 2枚
スキーリフト割引券 5枚 5枚 5枚 5枚
ウエディング割引券 1枚 1枚 1枚 1枚 1枚 1枚 1枚 1枚 1枚

またそれぞれの優待券の詳細は下記のとおりです。

内野指定席引換券 埼玉西武ライオンズ主催の公式戦を観戦可能な内野指定席引換券
※クライマックスシリーズおよび日本シリーズを除く
メットライフドームプレミアムシートA応募券 応募者の中から毎試合抽選で2組4名(1組あたり2名)を無料招待
1,000円共通割引券 西武グループのホテル、レストラン、ゴルフ場、プール、スキー場、水族館、遊園地、温泉にて、平日・休日・休前日に利用可能な優待券
レストラン割引券 西武グループが運営するレストランで利用可能な食事割引券
ゴルフ割引券 西武グループが運営するゴルフ場で利用可能なゴルフプレー割引券
スキーリフト割引券 西武グループが運営するスキー場で使えるスキーリスト割引券
ウエディング割引券 西武グループが運営するホテルでの披露宴が割引にある優待券

4.西武鉄道の配当の内容

西武鉄道の配当の内容は下記のとおりです。

年度 1株配当(円) 配当利回り
2017年3月期 23 1.25%
2018年3月期 23 1.24%
2019年3月期 30 1.55%
2020年3月期 30 2.53%
2021年3月期 0 0.00%

※2022年3月22日時点のデータ

西武鉄道のここ5年間の1株あたり配当金は0円から30円の間で推移しています。2020年3月期の配当金額は30円でしたが、2021年3月期に無配に転じている状況です。また、配当利回りは0.00%から2.53%の間で推移しています。

5.西武鉄道の業績の内容

西武鉄道の業績の内容は下記のとおりです。

年度 営業収益 営業利益 経常利益 親会社株主に帰属する当期純利益 包括利益
2017年3月期 5,120億900万円 624億5,600万円 574億7,200万円 475億6,400万円 328億100万円
2018年3月期 5,306億3,100万円 642億5,900万円 554億9,000万円 429億800万円 428億5,200万円
2019年3月期 5,659億3,900万円 733億3,200万円 654億1,500万円 454億5,700万円 441億1,000万円
2020年3月期 5,545億9,000万円 568億2,300万円 487億7,000万円 46億7,000万円 △228億5,000万円
2021年3月期 3,370億6,100万円 △515億8,700万円 △587億8,500万円 △723億100万円 △641億6,100万円

※2022年3月22日時点のデータ
※業績は連結

ここ5年間の西武鉄道の業績を見ると、2019年3月期にピークを迎えたのち、各項目の数字は下落傾向にあります。特に2021年3月期には営業収益は3,300億円規模にまで減収しており、他の項目はすべて赤字となっています。

2022年3月期の連結業績予想では営業収益は4,000億円規模にまで回復予定ですが、営業利益・経常利益は赤字のままとなる模様です。

6.西武鉄道の企業情報

社名 西武ホールディングス
業種 陸運業
代表者 後藤 高志
決算 3月
資本金 50,000,000千円
本社所在地 東京都豊島区南池袋一丁目16番15号
上場市場 東証プライム
上場年月日 2014年4月23日

※2022年3月22日時点のデータ

西武ホールディングスは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業、不動産事業、建設事業、ハワイ事業などを手掛ける企業です。西武鉄道や西武バスのほか、国内外に多くのホテル・レジャー施設を保有しています。また、埼玉西武ライオンズの運営でも知られています。

7.西武鉄道の優待を受ける場合の注意点

西武鉄道の株主優待を受ける場合は、下記のポイントに注意しましょう。

  • 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた事業が複数含まれる
  • 優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
  • 権利付最終日での購入には注意
  • 元本を毀損する可能性がある

7-1.新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた事業が複数含まれる

西武鉄道(西武ホールディングス)では、コアとなる5つの事業セグメントがありますが、そのうち「都市交通・沿線事業」「ホテル・レジャー事業」「その他事業」が新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)拡大の影響を大きく受けています。

2021年3月期の連結決算短信によると、「都市交通・沿線事業」では感染症の流行から鉄道部門の旅客輸送人員が前期比で約29%減少したことから、旅客運輸収入も前期比約29%減少しました。

鉄道やバスの利用者の減少、レジャー施設などの臨時休業・入場制限などの影響により、2021年3月期の営業収益は約1,225億円で前期比約459億円減(約27%減)となっています。

また「ホテル・レジャー事業」では、緊急事態宣言中をメインに、一部を除いた施設で臨時休業を余儀なくされており、加えて営業再開後の利用客数が回復していないことから、同様に数字を大きく落としています。

ホテル業におけるRevPAR(宿泊に掛かる収入を客室総数で除した数字)は3,029円となり、前期比で8,607円減となっていることからも苦しい状況がうかがえます。

ホテル・ゴルフ場・レジャー施設などの臨時休業、営業再開後の利用客の減少などにより、2021年3月期の営業収益は約840億円で前期比約1,434億円の減収(約63%減)、営業利益は約534億円の損失を計上しています。

「その他事業」では各方面で影響を受けています。埼玉西武ライオンズのシーズン開幕延期や開幕後の入場制限、横浜アリーナでのイベントの中止、伊豆箱根事業・近江事業での外出自粛などが大きく影響し、2021年3月期の営業収益は約267億円で前期比約174億円の減収(前期比約37%減)、営業利益は約75億円の損失計上となりました。

このように、西武鉄道(西武ホールディングス)では、感染症拡大の影響を受けて数字を大きく落とした事業・収益の減少率が大きい事業が複数あります。

2022年3月期の連結決算では、全体の営業収益が4,000億円台に回復する見込みですが、営業利益・経常利益ともに赤字のままと予測されています。

また、決算短信には、下記の場合には営業収益の減少など、業績・財務状況に一層影響を与える可能性があると記されています。

  • 国内外の各種経済情勢への影響が長期化した場合
  • アフターコロナの社会において、リモートワークの普及による通勤の減少やオンライン上での交流の活発化により外出の減少など、価値変容・行動変容が想定を超えて広がった場合
  • 人の出控えや国内外からの観光客の減少が継続した場合

今後の社会情勢によっては、数字が悪化する可能性もあるため、株主優待目的で西武鉄道(西武ホールディングス)の銘柄を保有する場合は、同社の決算短信や最新情報などを注視する必要があるでしょう。

7-2.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある

株主優待は内容の変更や優待の廃止が実施されることがあります。内容変更・廃止がアナウンスされた場合、株式が売られて株価が急落することがあります。損失が発生することもあるので注意しましょう。

優待を受ける場合は関連する情報を仕入れ、状況に応じて適切に判断できるようにしましょう。

7-3.権利付最終日での購入には注意

優待目的で権利付最終日(権利確定日から2営業日前)やその直前で株式を購入するのは避けましょう。

人気が高い優待銘柄の場合、権利確定日に向かい株価が上昇し、権利落ち日(権利付最終日の翌日)以降に株価が下落する傾向にあります。場合によっては含み損を抱えてしまうケースもあり、購入のタイミングには注意しなければなりません。

7-4.元本を毀損する可能性がある

優待目的の投資であったとしても、元本を毀損する可能性があります。さまざまな要因に影響され株価は常に変動しているので、株価の動きは必ずチェックするべきです。

元本を毀損する前に株式の売却や損切り(=損失を確定させるための売却)を決断するなど、さまざまな状況を想定した対処法を事前に考えておきましょう。

まとめ

今回は西武鉄道の2022年の株主優待について紹介しました。

西武鉄道の株主優待では、鉄道やバスで利用できる株主優待乗車証と関連施設で利用できる株主優待券が贈呈されます。ただし、優待内容は今後変更になる可能性があります。優待を受けたい場合は、最新情報を必ず確認して、株式取得の是非を検討してください。

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山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。