新NISAの成長投資枠のおすすめ銘柄は?投資のプロがテンバガー(10倍株)の特徴、見つけ方を解説

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新しいNISA制度が2024年1月からはじまります。現行制度と比較すると限度額の大幅引き上げられ、非課税期間が無制限となります。

特に、成長投資枠(現行の一般NISA)の限度額は年間120万円、5年で最大600万円から、最大1,200万円に引き上げられます。新しいNISAを活用し資産を形成すれば、ライフイベントや老後などに向けての準備が可能です。

今回は投資のプロが、新しいNISAの成長枠投資枠の使い方や適した銘柄を解説します。

※本記事は2023年9月18日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。


目次

  1. 成長投資枠
  2. 10年間・30年間で株価が10倍以上に上昇した銘柄
    2-1.米国市場
    2-2.日本市場
  3. 過去の成長銘柄の特徴
  4. テンバガーを見つける方法
  5. 成長投資枠に適した銘柄
  6. まとめ

1.成長投資枠

成長投資枠とは、現行の一般NISAに相当します。投資限度額は年間240万円で、最大1,200万円です。

現行のNISAは、NISA枠で投資した株式や投資信託は売却しても投資枠は復活しませんが、新しいNISAでは復活します。また、投資した銘柄よりも良い銘柄が見つかれば、年間240万円の範囲であれば銘柄入れ替えも可能です。

株式投資においては、保有期間が長ければ長いほど、企業の成長とともに株価が上昇する可能性が高まります。例えば、米国のダウ平均株価指数はバブル崩壊やリーマンショックを経験したものの、40年で約27倍に、ナスダック指数は約46倍に成長しています。早く始めれば始めるほど相場の大きな流れを享受できるので、利益を期待できます。

2.10年間・30年間で株価が10倍以上に上昇した銘柄

ここでは過去10年と過去30年で、10倍以上に成長した銘柄や指数の上昇率などを見てみましょう。なお10年とは、2013年9月末から2023年9月15日、30年とは、1993年9月末から2023年9月15日です。

2-1.米国市場

過去10年の米国株式指数騰落率は、ダウ工業平均が128.81%、S&P500が164.65%、ナスダック指数が263.47%、ナスダック100指数は372.38%です。ナスダック指数やナスダック100指数の上昇率は、ダウ工業平均やS&P500指数をアウトパフォームしています。ナスダック指数は、ハイテク企業やIT関連など新興企業が占める割合が高いことが特徴で、過去10年で構成銘柄(現3,834銘柄)のうち、47銘柄の騰落率が1,000%を上回りました。

上昇率が最も高い銘柄はエヌビディアの11,925.12%、次がセルシウス・ホールディングスの4,777.28%です。なお、47銘柄の中には、アップル(1,077.71%)やテスラ(2,027.93%)も含まれています。

この30年での米国株式指数騰落率は、ダウ工業平均が873.75%、S&P500が869.71%、ナスダック指数が1,697.15%、ナスダック100指数は3,872.19%です。これらの指数構成銘柄で最も上昇した銘柄は、モンスター・ビバレッジで騰落率は200,437.30%、2位がアマゾンの143,277.02%、3位がエヌビディアの116,561.64%、4位がアップルの101,593.10%、5位はプールの50,389.71%です。

ナスダック指数の構成銘柄のうち308銘柄、ナスダック100指数では59銘柄、S&P500指数では304銘柄の騰落率が1,000%超です。騰落率が1,000%を超えた銘柄の特徴としては、ゲームチェンジャーであることです。従来の常識を覆し、新しい市場を開拓し、成長している企業ばかりです。また、一国にとどまらず、世界規模で経済活動をしているということも挙げられます。

2-2.日本市場

過去10年の日本株式指数騰落率は、日経平均株式指数が131.96%、TOPIXが103.36%です。ここではTOPIX構成銘柄を中心に取り上げます。

上昇率が最も高い銘柄はレーザーテックの10,774.89%、次がトリケミカル研究所の6,959.44%、3位が神戸物産の5,449.63%です。構成銘柄(現2,157銘柄)のうち過去10年で騰落率1,000%超えは50銘柄です。

過去30年の騰落率は、日経平均株式指数が66.78%、TOPIXが49.32%です。1990年初頭の日本経済は失われた30年の始まりと言われ、日本が長期停滞期に吸い込まれた時期です。それでも30年間で騰落率が1,000%超の銘柄は170銘柄確認できます。

騰落率が最も高い銘柄は、ファーストリテイリングの24,484.72%、次がレーザーテックの12,741.49%、3位がパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの5,962.57%、4位がHOYAの5,646.15%、5位は竹内製作所の5,177.34%です。

上昇率が高い銘柄の特徴としては、レーザーテックやトリケミカル研究所、HOYAなど半導体関連が占めています。

3.過去の成長銘柄の特徴

株価が10倍になった銘柄は、テンバガーと呼ばれています。過去10倍以上に株価が上昇した銘柄のキーワードは、グローバル、ゲームチェンジャー、高い技術力、市場規模の拡大などが挙げられます。

4.テンバガーを見つける方法

テンバガーの原石は、今後大きな成長が期待される業界で、高い競争力のある企業です。テンバガーの原石を発見するには、地球規模の問題や未来の世界について考え想像し、銘柄を絞り込むと良いでしょう。

例えば地球温暖化問題についてみてみると、温暖化を背景に世界中で異常気象が起きており、脱炭素化を進める必要があること、水素や核融合など新しいエネルギーの供給源の開発・普及といったことから、関連銘柄を探すようにすると良いでしょう。

また、近未来の世界を想像することも大切です。自動運転技術の発達により、数年後には無人タクシーや無人トラックが中心となるでしょう。遠隔地への配送には無人ドローンが活躍し、医療業界では遠隔治療が一般的となり、世界中のどこに住んでいても最先端医療が受けられるようになるでしょう。

食糧危機も大きな問題です。AIを活用した農業の自動化など近代化が進み、その地に適した効率経営ができるようになることでしょう。

5.成長投資枠に適した銘柄

成長投資枠に適した銘柄として、ナスダック100指数に連動した投資信託やETFが挙げられます。ナスダック100指数のパフォーマンスは過去10年で372.38%、30年では3,872.19%とS&P500(10年:264.65%、30年:869.71%)、日経平均株価指数(10年:131.96%、30年:66.78%)などをアウトパフォームしているからです。

将来同じ成績は保証されないものの、ナスダック100指数は、ナスダック上場銘柄のうち金融セクター以外で、流動性が高く時価総額上位100銘柄で構成されています。勢いある企業銘柄が多く、将来にわたり期待成長が高いためです。

個別銘柄では、国策に沿った銘柄が挙げられます。日本の国家戦略として経済産業省が水素基本戦略を策定し、取り組んでいます。国家戦略として新しいエネルギーとして水素を活用することに取り組んでいます。

日本は、脱炭素社会に向けた取り組みを推進しています。この取り組みはグリーントランスフォーメーション(GX)と呼ばれ、エネルギー安定供給、経済成長・国際的な競争力強化、脱炭素の同時実現を目指しています。また、今後10年間に国が20兆円規模の先行投資支援をし、それを呼び水として、民間で150兆円超のGX関連投資を行うとしています。

水素関連の銘柄としては、岩谷産業、三菱化工機、加地テックなどが挙げられます。世界の水素市場は2050年までに年間2.5兆ドルの収益と、3,000万人の雇用創出が予想され、市場規模の拡大が期待できます。

参考:資源エネルギー庁「水素基本戦略の概要

核融合発電は、ウランなど放射性物質を使わず、水素やヘリウムなどを利用するため、安全でかつ、資源の枯渇問題が発生しない発電方法です。また、温室効果ガスが発生しないため次世代エネルギーの切り札とも言われています。関連銘柄としては、古河電機工業、フジクラ、浜松ホトニクスなどが挙げられます。

6.まとめ

新しいNISAの成長投資枠は、成長期待が高い銘柄に投資してみることも選択肢の一つです。成長期待が高い銘柄の条件としては、今後市場規模が拡大するとみられる業界で、高い技術力を持つ企業です。

各国は2050年の脱炭素目標に向け、様々な新エネルギー開発に取り組んでおり、日本では官民一体となり水素の活用や核融合発電の研究開発などに力を注いでいます。こうした新エネルギー開発の関連企業は、成長期待が持てそうです。

なお、個別銘柄投資のリスクを避けたい場合には、ナスダック100指数のETFや投資信託に投資してみてください。

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藤井 理

大学3年から株式投資を始め、投資歴は35年以上。スタンスは割安銘柄の長期投資。目先の利益は追わず企業成長ともに株価の上昇を楽しむ投資スタイル。保有株には30倍に成長した銘柄も。
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。