不動産投資型CF、東京以外の物件に投資するメリット・デメリットは?

不動産投資の新しい形として注目されている不動産投資型CF(クラウドファンディング)では、東京以外の不動産も投資物件として提供されています。

首都圏への人口流入傾向がある日本において、東京と東京以外への不動産投資には大きな違いがあります。これらの違いについて理解し、投資前にしっかりと検討することが大切です。

本記事では、東京以外の不動産に投資する場合のメリット・デメリットについて詳しく紹介します。

目次

  1. 不動産投資型CFとは
  2. 不動産投資型CFで東京以外の物件に投資するメリット
    2-1.想定利回りが比較的高い
    2-2.一部の地方都市は地価上昇率が高い
    2-3.少額から投資できる
    2-4.分散投資ができる
  3. 不動産投資型CFで東京以外の物件に投資するデメリット
    3-1.空室リスクが高い
    3-2.家賃相場の下落リスクが高い
    3-3.流動性が低い
  4. 東京以外の物件に投資できる不動産投資型CFサービス
    4-1.COZUCHI
    4-2.CREAL
    4-3.TSON FUNDING
    4-4.信長ファンディング
  5. まとめ

1.不動産投資型CFとは

不動産投資型CF(クラウドファンディング)とは、一般の投資家からの出資金を利用して不動産の取得・運用を行い、得られた利益を投資家に分配する投資商品の1つです。

現物の不動産投資では、不動産の取得に多大な資金が必要になるうえ、物件の管理・運営を投資家自らが行う必要があります。

一方、不動産投資型CFでは最低1万円程度の少額から投資できるうえ、クラウドファンディング事業者が物件の管理・運営を行うため、投資に掛かる手間を省くことができます。

なお、ファンド型の不動産投資ができる投資商品には、REIT(不動産投資信託)があります。不動産投資型CFでは投資物件を投資家自身が選択できるのに対し、REITでは投資する信託商品の投資割合を事業者が選択するため、投資家が投資物件の選定を行うことはできない、といった違いがあります。

2.不動産投資型CFで東京以外の物件に投資するメリット

不動産投資型CFで東京以外の物件に投資する場合、下記のメリットがあります。

  • 想定利回りが比較的高い
  • 一部の地方都市は地価上昇率が高い
  • 少額から投資できる
  • 分散投資ができる

2-1.想定利回りが比較的高い

サービスによって異なりますが、東京都の物件を対象にしたファンドと比較して、地方の物件を対象にしたファンドの方が、想定利回りが高く設定されているケースが多いといえます。

不動産を購入するための価格を比較した場合、東京よりも地方の購入価格が少なくて済み、家賃収入によっては想定利回りが高くなるためです。

国土交通省の「令和2年都道府県地価調査」で発表された「住宅地の都道府県別価格指数」をみると、東京と比較してすべての道府県で価格指数が低くなっています。東京の平均価格指数を100とした時、2位の神奈川で47.4、3位の大阪で39.9と、大きな差があることが分かります。

なお、これらのデータは県内の平均価格を比較したものであり、地方都市の中でも一部のエリアにおいて東京と変わらない高水準の家賃帯となっているケースもあります。そのため、家賃水準が高い地方都市の不動産を対象にしたファンドでは、取得費を安く抑え、想定利回りが水準よりも高くなることがあるのです。

2-2.地価上昇している地方都市もある

東京だけではなく、地価が上昇傾向にある地方都市があります。国土交通省が発表している「土地白書」によると、令和2年の地価変動率(前年比)は全国で+0.8%、三大都市圏(東京・大阪・名古屋)で+1.1%、地方圏で+0.5%となっています。

ファンドの投資不動産を売却する際に、購入時よりも地価が上昇している場合、キャピタルゲインを期待しやすくなります。投資前には、対象不動産の地価推移についても注意してみましょう。

2-3.少額から投資できる

現物不動産に投資する場合、数百万円~数千万円以上の資金を調達する必要があり、投資規模の大きさから、運用に失敗してしまった時の損失も大きくなるというリスクがあります。特に地方都市の場合は地価下落リスクが高く、大規模な投資を行ってしまうとハイリスクになりすぎてしまうデメリットがあります。

不動産投資型CFでは、地方都市の不動産でも1万円~数十万円から投資できるため、現物不動産よりも投資に対するハードルが低く、リスクを限定的にできるメリットがあります。

2-4.分散投資ができる

東京の不動産にだけ投資している場合、台風や地震などの災害が発生すると投資物件すべてに影響する可能性があります。そのため、不動産へ投資する際は、できるだけエリアを分散した投資を心がけておくことも重要なポイントです。

不動産投資CFでも、一つのエリアだけでなく、複数の地域の不動産に投資することで分散投資ができます。東京の不動産と距離が離れた地域の不動産の両方に投資することで、災害リスクを軽減することができます。

3.不動産投資型CFで東京以外の物件に投資するデメリット

一方で、不動産投資型CFで東京以外の物件に投資する場合には、下記のデメリットも考えられます。

  • 空室リスクが高い
  • 家賃相場の下落リスクが高い
  • 流動性が低い

3-1.空室リスクが高い

地方都市の不動産に投資する場合、空室リスクが高くなるというデメリットがあります。

不動産投資においては、賃料収入と物件の売却益を得られることで利益が発生します。そのため、人が集まる立地を選ばなければ需要を見込むことはできません。

空室リスクはすべての不動産投資に伴うリスクではありますが、人口が流出しやすい地方都市では特に賃貸需要が減少傾向にあるエリアも多く、東京と比較して空室リスクは高くなってしまうデメリットがあります。

これから始めて不動産投資型CFを始める初心者の方は、マスターリースによる賃料保証がある案件や、運用期間の短い案件を選ぶなど、リスクを抑える工夫をしてみましょう。

3-2.家賃相場の下落リスクが高い

地方都市の不動産に投資する場合、家賃相場が下落するリスクも高くなるというデメリットがあります。

地方都市は東京や大阪、福岡などの都市圏と比較して人口が少ないため、景気が悪化した際の影響を受けやすくなります。

また、先述したような賃貸需要が少ない地方都市の場合、入居者を確保するために相場よりも家賃を下げざるを得なくなることもあります。空室リスクと同様に賃料収入に関わるため、案件を選択する際は慎重に検討しましょう。

3-3.流動性が低い

地方都市の不動産は東京と比較して買い手が少なく、流動性が低いというのもデメリットです。

特に、賃貸不動産の流動性は人口が増加している都市で高くなり、減少している都市で低くなります。人口が増加している地方都市もありますが、大半の地方都市では人口が減少しているため、物件を売却する際の買い手が付きにくくなります。

売却益を想定利回りに加えた案件の場合、想定価格での売却ができないと、最終的な投資家へのリターンに影響する可能性があります。買取保証が付いているか、その場合の利回りはどのように変化するのか、事前に確認しておきましょう。

4.東京以外の物件に投資できる不動産投資型CFサービス

東京以外の投資物件を紹介している不動産投資型CFには下記のようなものがあります。

  • COZUCHI
  • CREAL
  • 信長ファンディング
  • TSON FUNDING

4-1.COZUCHI

COZUCHI(コヅチ)COZUCHIはLAETOLI株式会社が運営する不動産投資型CFで、東京都以外に神奈川県や静岡県の不動産に投資することができます。

LAETOLI株式会社は不動産ファンド事業をメインに展開する企業で、投資不動産に関するノウハウを豊富に持ち合わせており、厳選された投資不動産に対して1口1万円の少額から投資できるのが特徴的です。

インカムゲインをメインにしたファンドでは4%~6%、キャピタルゲインをメインにしてファンドでは200%を超える利回り実績となったものがあるなど、ファンドの種類によっては高い利回りを期待できます。

詳細な物件情報を手に入れられるほか、優先劣後方式によるリスク対策や途中解約ができるなど、投資家の資産を守りやすくなっているのもCOZUCHIの特徴といえます。ただし、案件によっては手数料の支払いが発生するケースがあるため注意しておきましょう。

4-2.CREAL

ESG不動産投資クラウドファンディング「CREAL」CREALはクリアル株式会社が運営する不動産投資型CFです。居住用物件や保育園、学校、ホテルなどさまざまな種類の物件・施設を投資対象にしており、東京都、福岡県、山梨県、沖縄県、千葉県の不動産に投資できるファンドを提供しています。

不動産投資における情報の不透明さをクリアにすることをコンセプトにしており、各ファンドの投資対象別件の内容が詳細に記載されているのが特徴です。

1口1万円からの少額投資が可能であり、優先劣後スキームによって損失から投資家を守るためのシステムが採用されているなど、リスクコントロールを優先しながら投資したい方に向いているサービスとなっています。

4-3.TSON FUNDING

TSON FUNDINGTSON FUNDING(ティーソンファンディング)は愛知県名古屋市に本社を構える株式会社TSONが運営する不動産投資型CFで、愛知県内の不動産物件をメインに東京都や埼玉県に不動産に投資できるファンドを提供しています。

運営会社が不動産事業や関連事業を展開していることを活かして、月に1回のペースでファンド組成をしています。

ファンドにはキャピタルゲイン型とインカムゲイン重視型の2種類があり、投資家のポートフォリオに合わせて選択できるのが特色です。

1口1万円からの少額投資が可能で、優先劣後方式によるリスク対策や手数料を支払うことで途中解約による現金化が可能であるなど、投資がしやすい環境が整っているほか、運営会社が上場している点も特徴的です。ただし、譲渡・解約事由によっては譲渡・解約を断られてしまうケースもあるため注意しましょう。

4-4.信長ファンディング

信長ファンディングは、愛知県名古屋市に本社を構える株式会社ウッドフレンズが運営する不動産投資型CFです。

「尾張発の不動産投資クラウドファンディング」をうたっており、愛知県や岐阜県など東海エリアの不動産ファンドを提供しています。また、不動産によるESG投資をテーマに掲げ、国産の資材を積極的に活用するなど、独自の取組みを行っています。

最低投資額は1口10万円となっていますが、運営会社がJASDAQと名古屋証券取引所に上場している点や、優先劣後方式を採用している点などから、リスクを軽減しながら投資した方に向いているサービスといえます。

まとめ

今回は不動産投資型CFで東京以外の物件に投資するメリットやデメリットについて紹介しました。

不動産投資型CFでは、東京の投資案件がまだまだ多く、地方物件への投資機会は少ない状況と言えます。しかし、地方都市の物件に投資できる案件も少しずつ増えており、高い想定利回りや投資エリアを分散し、投資の分散効果を期待することができます。

また、地方ファンドは投資機会が少ないことから募集と同時に目標額に達してしまい、投資をしようと思ってもなかなかできないことも少なくありません。各サービスの投資家登録を早めにすませておき、募集時に素早く検討できるよう準備しておくと良いでしょう。

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山本 将弘

山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。