投資において資金効率を上げることとは、運用で得た利益を再投資したり、より収益性の高い投資対象に組み替えたりなどして、運用のリターンを大きくしようとすることを指します。
少ない資金でもできるだけ多くの利益を出すには、投資の資金効率を上げることが重要です。クラウドファンディング投資では人気の案件に応募が集中してしまうケースもあるため、より一層、資金効率を意識した投資を検討する重要性が高いと言えます。
そこで本記事では、クラウドファンディング投資で資金効率を上げる運用のポイントはどういった点なのかをお伝えしていきます。
目次
- クラウドファンディング投資で資金効率を上げるための5つの対策
1-1.想定利回りの高い案件に投資する
1-2.長期運用案件に投資する
1-3.キャピタルゲインを織り込んだ案件に投資する
1-4.入金後すぐに運用開始される案件に投資する
1-5.キャッシュバックキャンペーンを利用する - 意識しておきたいクラウドファンディング投資のリスク
2-1.利回りが高い案件はリスクも高い傾向にある
2-2.長期運用案件は市況変動リスクに巻き込まれやすくなる
2-3.投資前に運営会社や融資先をチェックする
2-4.キャピタルゲイン前提の案件は損失が発生する可能性もある - まとめ
1.クラウドファンディング投資で資金効率を上げるための5つの対策
ソーシャルレンディングや不動産投資型クラウドファンディング投資は、資金を入金した後は投資家自身が管理や運営を行う必要はなく、定期的な分配金を待つ投資手法です。
手間がかからないメリットがありますが、その代わりに契約期間中に売買を繰り返して投資効率を上げることができないデメリットがあります。このような特徴を踏まえてクラウドファンディング投資で資金効率を上げるための5つの対策について解説します。
1-1.想定利回りの高い案件に投資する
まず一つ目のポイントは、掲示されている想定利回りの高い案件に投資することです。
ソーシャルレンディング・不動産投資型クラウドファンディングでは、運営サイトは案件募集時に想定利回りを提示します。想定利回り10%の案件がシミュレーション通りに契約満了を迎えれば、投資した資金の10%(税引前)が分配され、想定利回り5%ならば、1年間の運用で分配される金額は投資した金額の5%(税引前)となります。
少ない資金で大きな利益を獲得するには、提示されている想定利回りの高い案件に投資する事が一つの方法です。ただし、想定利回りが高い案件はその分リスクも高くなり、予定通りの分配が行われない可能性が高くなってしまうことに注意が必要です。
【関連記事】ソーシャルレンディング徹底比較!利回り・特徴・リスクなど
1-2.長期運用案件に投資する
次の方法は、長期運用される案件に投資することです。短期運用案件は投資した資金が運用されない時間的なロスが発生しやすくなるため、長期案件に投資することで、このような時間的なロスを避ける効果があります。
投資型クラウドファンディングはお金を入金した後、実際の運用が開始されるまで時間があり、案件の運用終了後に投資家にお金が返金されるまでも、一定の時間がかかります。
例えば、資金を入金から運用開始まで2週間かかり、案件運用終了後から投資家に返金されるまで2週間の時間がかかる場合なら、合計で運用前後に1ヶ月間、資金が運用されない時間が発生してしまいます。
2年間の長期運用案件に投資したら、資金が拘束される期間は25ヶ月、実際に資金が運用される期間は24カ月です。
しかし、運用期間6ヶ月の案件に4回投資すると、資金運用期間24ヶ月に対し資金拘束期間は28ヶ月となり、資金投資効率が下がります。できるだけ資金が運用されない時間を省き、効率よく運用するには長期運用案件への投資を検討してみましょう。
ただし、多くのクラウドファンディング投資サービスにおいて、契約期間中の途中解約は原則できないように設定されています。長期案件へ投資すると、その間におきる経済の変化や、投資対象の資産価値低下など、様々なリスクを受ける期間が長くなってしまうため注意が必要です。
1-3.キャピタルゲインを織り込んだ案件に投資する
不動産投資型クラウドファンディングの中には、不動産を売却してその利益を投資家に分配する、いわゆるキャピタルゲイン投資ができる案件もあります。このようなキャピタルゲイン案件は、運用後に高く売却できれば、インカムゲイン案件以上の大きな利益が発生することがあります。
なお、不動産の売却益のようなキャピタルゲインは予想することが難しく、インカムゲイン型と比較して想定通りの利回りを得られない可能性が高い案件となります。家賃収入を得られるインカムゲイン型のファンドと組み合わせるなどして、リスクとリターンのバランスをとることも大切です。
【関連記事】COZUCHIのファンド、インカムゲイン型・キャピタルゲイン重視型の違いは?
1-4.入金後すぐに運用開始される案件に投資する
資金効率を上げるためには、資金の無駄な拘束期間を短くすることが重要です。そのためには、入金後、即運用開始される案件や、運用が終了したらすぐに投資家に返金される案件を選ぶようにしましょう。
資金の拘束期間が短ければ投資資金をすぐに再投資に回せるため、投資効率を高められます。
1-5.キャッシュバックキャンペーンを利用する
ソーシャルレンディングや不動産投資型クラウドファンディングサイトでは、時折投資家にキャッシュバックキャンペーンを提供するものもあります。投資をすれば定額の金券をプレゼントするものや、投資金額に応じたキャッシュバックや金券プレゼントキャンペーンがあります。
このようなキャンペーンを利用すれば、実質的な利回りを提示利回り以上に高めることができるので、資金効率を高められます。
2.意識しておきたいクラウドファンディング投資のリスク
資金効率を高める時には、リスクも考えなくてはいけません。利益だけを追求するとリスクから目を離し、思わぬ落とし穴に陥ることもあるのです。そこで投資前に知っておきたいリスクを紹介します。
2-1.利回りが高い案件はリスクも高い傾向にある
リターンが大きな投資はリスクも高くなる傾向にあります。
例えば、金利収入を主な収益源としたソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)では、高利回りになるほど、融資先の企業の返済負担を増大させてしまい、貸し倒れリスクが高くなります。過去には、利回り10%の案件を提供するソーシャルレンディングサービスが複数あったものの、2021年8月時点、そういった高利回りのサービスは少なくなってきています。
不動産投資型クラウドファンディングにおいても、分配利回りが高い案件は空室が起きやすい物件であったり、キャピタルゲイン前提という案件が多くなっています。利回りが高い案件はハイリスク・ハイリターンになりやすい点に注意が必要です。
2-2.長期運用案件は市況変動リスクに巻き込まれやすくなる
長期運用案件は、資金拘束時間が短くなるメリットがありますが、その代わりに市況変動リスクに巻き込まれやすくなる可能性があります。
例えば2年間の長期運用案件に投資した場合、ソーシャルレンディングは運用中のキャンセルが原則できないために、資金が必要なときにも引き出せずに資金を拘束されたままになってしまいます。
また、不動産投資型クラウドファンディングも運用期間中に不動産市況が悪化すれば、空室が発生して分配金が減ったり、売却時の価格が下がり、投資家に資金の満額が返済されない可能性もあります。
なお、不動産投資型クラウドファンディングでは運用期間中に投資家が任意で解約(キャンセル)できるサービスもあります。投資前にキャンセルが可能かどうかをチェックしておきましょう。
【関連記事】途中解約(キャンセル)ができる不動産投資型クラウドファンディング2社
2-3.投資前に運営会社や融資先をチェックする
ソーシャルレンディングサや不動産投資型クラウドファンディングのサービスを運営する会社のリスクも存在しています。例えば、運用元の会社が倒産してしまうと、投資家が預けた資金は破産管財人の管理下に置かれ、満額が投資家に返済されない可能性があります。
キャッシュバックキャンペーンを行なっている会社の決算情報などを確認し、売上や財務状況を見て倒産リスクもチェックしておきましょう。
2-4.キャピタルゲイン前提の案件は損失が発生する可能性もある
不動産投資型クラウドファンディングのキャピタルゲイン込みの案件に投資する時も注意が必要です。
キャピタルゲインを出すためには、不動産を購入した価格よりも高く売らなければ利益が出ません。不動産価格が下落すれば、利益を出すどころか投資家側にも損失が発生してしまう可能性もあります。
キャピタルゲイン込みの案件に投資する時には、運用不動産の公示地価の推移やエリアのマーケット情報などをチェックしておきましょう。
まとめ
少ない資金で投資効率を上げていくためには、利回りの高い案件に投資したり、キャッシュバックキャンペーンを利用して実質利回りを高めていくことがまず考えられます。
しかし、投資においてはリターンが大きいときには、リスクも高くなる傾向にあります。リターンが大きな案件に投資する時には、投資案件の収益性が妥当かどうか、担保や保証が設定されているか、運用中のキャンセルができるかどうかといった点をチェックする習慣をつけてみましょう。
また、一つの案件に資産を集中させてしまうと、いざという時のリスクが高まります。リスクを下げながら資金の運用効率を上げるためにも、複数の案件やサービスに資金を分けるなど、分散投資を心がけておくと良いでしょう。
HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム
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