投資信託、人気の運用会社は?上位3社の人気ファンドも【2022年3月】

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ファンドを選ぶ過程で、運用会社の存在が気になって調べてみた方もいらっしゃるのではないでしょうか。運用会社は、銀行、生命保険会社、証券会社系と独立系に分けられ、運用会社ごとにテーマを設定し、数多くのファンドを運用しています。

運用会社ごとの特徴を分析するには、多角的な情報が必要です。当記事では、資産を多くもつ運用会社や、多くの人気ファンドをもつ運用会社を紹介しています。具体的な人気ファンドについても解説するので、ご確認ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 国内運用会社の純資産ランキング
  2. 運用会社ごとの特徴
    2-1.国内の運用会社
    2-2.海外の運用会社
  3. ファンドランキング上位を占める運用会社
    3-1.三菱UFJ国際投信
    3-2.アセットマネジメントONE
  4. 投資信託の仕組みと運用会社の役割
    4-1.投資信託のしくみ
    4-2.運用会社の役割
  5. まとめ

1.国内運用会社の純資産ランキング

国内運用会社の資産状況を、投資信託協会の統計データを参考にまとめました。情報は2022年1月時点の数値です。

項目 設定額 解約額 資金増減額 純資産増減額 純資産総額
野村アセットマネジメント 1,712,970 1,438,268 274,702 ▲ 1,671,520 42,360,236
日興アセットマネジメント 1,041,108 1,091,634 ▲ 50,759 ▲ 1,605,000 20,971,387
大和アセットマネジメント 594,554 645,231 ▲ 52,651 ▲ 1,251,802 20,767,887

(単位:百万円)

運用会社の資産が多い順番に見てみると、上位3社は老舗証券会社系の運用会社でした。SBI証券のファンドランキングでは、別の運用会社が運用するファンドも純資産を多く集めていましたが、総合的な純資産の多さでは、野村、日興、大和の3社となります。

純資産総額は野村アセットマネジメントが他の2社を大きく引き離しており、運用会社の中では特別に大きな規模となっています。

2.運用会社ごとの特徴

純資産を多く持つ日本と海外の3つの運用会社の特徴を解説します。

2-1.国内の運用会社

国内で純資産を多く集めている3社の特徴を解説します。

野村アセットマネジメント

野村アセットマネジメントは、1959年に設立された日本国内大手の資産運用会社です。投資信託やETFの運用を行う傍ら、機関投資家向けの資産運用サービスも行っています。請け負う資産運用の幅が広いため、他の運用会社に比べて純資産総額が大きくなっている点が特徴的です。

資産運用だけでなく、分析や研究の専門機関も設けており、有力な情報を世界へ発信し続け、業界内で確固たる地位を築いています。

日興アセットマネジメント

日興アセットマネジメントは、1959年に日興證券投資信託委託株式会社として設立されました。1999年に旧日興国際投資顧問と合併し、現在の日興アセットマネジメントとなります。

投資信託の運用に強みがあり、2003年には国内初となるJ-REITを組み入れたファンドの運営をスタートし、2015年には日本初のロボティクス関連企業に投資する「グローバル・ロボティクス株式ファンド」の運用に取り掛かりました。優秀なファンドに贈られる賞をいくつも獲得している点もポイントです。

大和アセットマネジメント

大和アセットマネジメントは、他の2社と同様に1959年に大和證券より分離し、大和証券投資信託委託株式会社を設立しました。

同社サイトにて、大和アセットマネジメントが目指す運用スタイルが公開されています。理想とする運用スタイルは、「運用は根拠があり、言葉で説明でき、将来に渡って再現性がないといけない」というものです。そのために、投資対象や市場、人間行動に至るまで深く研究を重ねます。投資初心者にもわかりやすく説明できることをモットーとしています。

2-2.海外の運用会社

海外で規模の大きな資産運用会社は以下の3社です。

ブラックロック

ブラックロックはニューヨークに拠点を置く世界最大の運用会社です。世界の各地にも多くの拠点を持っています。2021年12月時点で運用資産残高は10兆米ドルです。1ドル115円で計算すると約1,153兆円となり、資産規模の大きさがよくわかります。

ブラックロックは数多くのETFや投資信託を運用しており、日本のファンドでも、ベンチマークや投資先ファンドにされているケースが数多く見られます。有名なiシェアーズETFはブラックロックが運用するETFブランドです。

バンガードグループ

バンガードグループは、アメリカ合衆国のペンシルベニア州に本社がある、世界有数の資産運用会社です。インデックス型投資信託を個人向けに提供した初めての会社とされています。

バンガードが提供するETFは、運用コストが抑えられているため、投資へのハードルが低くなっています。多くの人に投資に参加してほしい、という創業者のジョン・ボーグルの意思が現在の運用にも受け継がれています。

フィデリティインベストメンツ

フィデリティインベストメンツは、1946年米国ボストンで創業されました。フィデリティの投資信託は、グループ会社のフィデリティインターナショナル内のフィデリティ投信の名前で運用されています。

1969年にフィデリティインターナショナル初の海外拠点として東京事務所を開設しました。外資系運用会社として、初めて日本に進出したのはフィデリティ投信です。フィデリティ投信は日本国内の公募投信を扱う外資系ファンドの中で、最も資金を集めています。

フィデリティの名前には、忠誠、忠実という意味があり、顧客に対しても常に誠実であるよう日頃から心がけています。

3.ファンドランキング上位を占める運用会社

SBI証券が扱うファンドランキングを確認すると、純資産上位の運用会社以外にも、人気ファンドを生み出している運用会社がありました。以下に運用会社の特徴と、代表的な取扱ファンドを紹介します。

3-1.三菱UFJ国際投信

三菱UFJ国際投信は、いくつかの証券会社、銀行系運用会社が合併を重ね出来上がった運用会社で、ルーツを辿ると1959年に設立された山一證券投資信託委託株式会社が最初のスタートとなります。

三菱UFJ国際投信はいくつものファンドを運用しており、特に購入費用がかからないノーロードタイプのファンドが人気です。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

三菱UFJ国際投信が運営するファンドの中で、もっとも資産を集めているファンドです。eMAXISシリーズはインターネットから注文できるノーロードファンドとして、以前から人気が高いシリーズでした。昨今のインデックスファンドブームによって、eMAXISシリーズでもS&P500インデックスファンドに視線が集まっています。

3-2.アセットマネジメントONE

アセットマネジメントONEも、三菱UFJ国際投信と同じく証券会社、銀行系のいくつかの運用会社が合併してできた運用会社です。1961年に大井証券投資信託委託会社の設立が最初のスタートとなっています。

細かな投資チャンスを捉えるためのモニタリングや、リサーチの積み重ねによって投資機会を伺うボトムアップアプローチ、マクロ経済分析に基づくトップダウン・アプローチを基本に運用を行うこととしています。

新光 US-REIT オープン

アセットマネジメントONEの前身である、新光投信の頃から人気を集めていた世界のREITに投資するファンドです。トータルリターンの制度が出来る以前から、毎月分配金を出すファンドとして多く資産を集めていました。

2016年頃から急に純資産の流出が始まり、以前ほど注目されなくなりましたが、額は少ないながらも依然毎月分配金を出し続けています。

4.投資信託の仕組みと運用会社の役割

運用会社の役割を理解するために、国内の投資信託がどのように運用されているのか、確認しておきましょう。

4-1.投資信託のしくみ

投資信託は、「販売会社」「委託者(運用会社)」「受託会社(信託銀行)」の3つの関係者によって販売、運用が行われます。販売会社と運用会社が同じというケースもあります。

販売会社はファンドを売る担当で、運用会社はファンドの運用方針や売買の計画と実行を指示し、実際に売買を行うのは運用会社から指示を受ける受託会社です。投資家がファンドを買い付けた時の金額は受託会社にて保管されます。

投資家が運用の指示をせず、運用を運用会社に任せるため、委託者指図型投資信託と呼ばれます。国内の公募投資信託の多くは、委託者指図型投資信託です。

4-2.運用会社の役割

運用会社は、経済や金融情勢に関する様々なデータを収集、分析し、専門家があらゆる知識や経験、ノウハウを駆使しつつ運用方針や銘柄の売買を策定し、受託会社へ実行を指示します。

投資信託の運用で、とても重要な役割を担っているのが運用会社です。運用会社には、証券会社、生命保険会社、独立系といくつかの系統があり、運用会社ごとに特色があります。

まとめ

投資信託の運用に携わる国内の運用会社は、野村アセットマネジメントが多くの資産を集めており、続いて大和アセットマネジメント、日興アセットマネジメントが続いています。

上位3社は投資信託以外にもETFや資産運用の請負など様々な運用に携わることで、多くの資産を集めていますが、投資信託の運用に限ってみると、三菱UFJ国際投信やアセットマネジメントONEも、資産を集めるファンドを運用しています。

投資信託の運用において、運用会社の役割はとても重要です。日々、経済や金融情勢に関する情報を集め、運用方針や銘柄の売買を決定しています。運用会社には、証券会社、生命保険会社、独立系など、系統がいくつかありますので、組入銘柄やファンドテーマ、運用方針を見比べて、特色を分析してみると、今後の運用に役立つでしょう。

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sayran

「資産形成をより身近に」をモットーに、証券会社にて投資信託を中心にリスクの低い資産形成をオススメしていました。 テキストではよりわかりやすくみなさんの興味分野を解説し、資産形成の理解を広めていきたいと思っています。