高配当の外国株10選、各銘柄の利回り・業績と注意点【2022年3月】

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高配当の外国株は数多く、配当金が高く継続的なインカムゲインを期待できます。今後の成長を見込めるグローバル企業も揃っているため、アメリカ・中国・インドなどの外国銘柄に注目している方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、高配当外国株10銘柄の特徴や利回り、業績、注意点を詳しくご紹介するので、関心のある方は参考にしてみてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※また、本記事は2022年3月12日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. 高配当の外国株の特徴
  2. 高配当の外国株10選
    2-1.シェブロン
    2-2.アッヴィ
    2-3.中国工商銀行
    2-4.万科企業
    2-5.サムスン電子
    2-6.ハナ金融グループ
    2-7.インフォシス ADR
    2-8.HDFC銀行 ADR
    2-9.BHP グループ ADR
    2-10.テルストラ
  3. 高配当の外国株を購入する際の注意点
    3-1.配当金が出ないこともある
    3-2.配当利回りは変動する
    3-3.カントリーリスクに注意する
    3-4.外国株を取り扱っていない証券会社もある
  4. まとめ

1 高配当の外国株の特徴

高配当の外国株とは、株主に対して高い配当金を支払っている外国株(銘柄)のことです。株式を保有して株主になると、その企業が配当を実施する際に配当金の支払対象者となることができます。この配当金が株価に対して割高と評価されている外国株が高配当外国株です。

配当金が多いか少ないかの基準として「配当利回り」という指標が用いられます。配当利回りとは、年間で支払われる配当金を株価で割ることで求められる数字です。例えば、年間配当金4ドル、株価100ドルの米国株の場合、4ドル÷100ドル=0.04となり、利回りは4%となります。

なお、利回りは大体3%を超えると高配当銘柄に分類されやすいものの、高配当銘柄かどうかは評価主体によって様々であり、明確な基準はありません。世界的規模で活動する企業や、株主還元への高い意識を持つ企業も多い外国株の中には、株価に対して高い配当金の支払いを行っている銘柄もあります。

2 高配当の外国株10選

具体的な高配当外国株の主な例を確認していきましょう。以下では、アメリカ、中国、韓国、インド、オーストラリアの5か国から2銘柄ずつご紹介していきます。

※株価や利回りについては、2022年3月9日時点の終値を基準としています。各銘柄の配当の有無や配当金の額は変わることがあります。最新情報につきましては、ご自身にてご確認いただきますようお願いいたします。
※記載されている配当利回りの計算では、税金や手数料などが考慮されていません。また、小数点第3位以下は記載を省略しています。

2-1 シェブロン

銘柄名 シェブロン
ティッカーシンボル CVX
株価 166.27ドル
1株あたり配当金(年間) 5.68ドル
配当利回り 3.41%

シェブロンは、アメリカのカリフォルニア州に本社を置く石油・エネルギー関連企業です。エクソンモービルなどと並んでアメリカを代表する石油メジャーで、かつては日本でも「カルテックス」の名前で沖縄などでガソリンスタンドを展開していました。

シェブロンの売上高や営業利益は以下の通りです。

項目 2019年12月期 2020年12月期 2021年12月期
売上高 140,156百万ドル 94,471百万ドル 155,606百万ドル
営業利益 3,093百万ドル -5,404百万ドル 17,382百万ドル

2-2 アッヴィ

銘柄名 アッヴィ
ティッカーシンボル ABBV
株価 148.84ドル
1株あたり配当金(年間) 5.64ドル
配当利回り 3.78%

アッヴィは、アメリカのイリノイ州に拠点を置き、新薬の研究・開発を行う医薬品企業です。2013年にアボット・ラボラトリーズから分社して設立された会社で、日本にも子会社としてアッヴィ合同会社を置いています。代表な医薬製品としては、リウマチなどの皮下注射薬である「ヒュミラ」や、抗うつ薬の「ルボックス」などが挙げられます。

アッヴィの売上高や営業利益は以下の通りです。

項目 2019年12月期 2020年12月期 2021年12月期
売上高 33,266百万ドル 45,804百万ドル 56,197百万ドル
営業利益 12,983百万ドル 11,363百万ドル 17,924百万ドル

2-3 中国工商銀行

銘柄名 中国工商銀行
コード 01398
株価 4.51元
1株あたり配当金(年間) 0.319元
配当利回り 7.07%

中国工商銀行は、北京市に本社を置く銀行です。中国四大商業銀行の1つであり、事業規模や時価総額は世界の銀行の中でもトップクラスです。日本では東京・大阪に支店を開設しています。

中国工商銀行の売上高や経常利益は以下の通りです。

項目 2018年12月期 2019年12月期 2020年12月期
売上高 948,094百万元 1,063,445百万元 1,092,521百万元
経常利益 372,413百万元 391,789百万元 392,126百万元

2-4 万科企業

銘柄名 万科企業
コード 02202
株価 16.1元
1株あたり配当金(年間) 1.499元
配当利回り 9.31%

万科企業(ばんかきぎょう)は、中国の広東省深センに本社を置く不動産企業です。深セン証券取引所に上場しています。本拠である深センの他、北京や上海などで不動産開発・管理業務を手がけています。

万科企業の売上高や営業利益は以下の通りです。

項目 2018年12月期 2019年12月期 2020年12月期
売上高 297,083百万元 367,893百万元 419,111百万元
営業利益 88,966百万元 111,581百万元 102,773百万元

2-5 サムスン電子

銘柄名 サムスン電子
コード 005930
株価 69,500ウォン
1株あたり配当金(年間) 1,445.6ウォン
配当利回り 2.08%

サムスン電子は、韓国の京畿道水原市に本社を置く電気機器メーカーです。半導体・スマートフォン・家電などの製造・開発を強みとしており、韓国を代表する企業の1つです。スマートフォンブランド「Galaxy」などは日本でもおなじみです。

サムスン電子の売上高や営業利益は以下の通りです。

項目 2019年12月期 2020年12月期 2021年12月期
売上高 230,400十億ウォン 236,806十億ウォン 279,604十億ウォン
営業利益 27,768十億ウォン 35,993十億ウォン 51,633十億ウォン

2-6 ハナ金融グループ

銘柄名 ハナ金融グループ
コード 086790
株価 44,300ウォン
1株あたり配当金(年間) 3,101ウォン
配当利回り 7.00%

ハナ金融グループは、韓国のソウル特別市を本拠とする金融持ち株会社です。主要なグループ会社としては、韓国最大規模の銀行であるハナ銀行があります。このほか、証券・運用・クレジット・保険など、韓国内で様々な金融サービスを手がけています。

ハナ金融グループの売上高や経常利益は以下の通りです。

項目 2019年12月期 2020年12月期 2021年12月期
売上高 11,118十億ウォン 10,079十億ウォン データなし
経常利益 3,408十億ウォン 3,729十億ウォン 4,904十億ウォン

2-7 インフォシス ADR

銘柄名 インフォシス ADR
ティッカーシンボル INFY
株価 23.9ドル
1株あたり配当金(年間) 0.402ドル
配当利回り 1.68%

インフォシスリミテッドは、インドのカルナータカ州バンガロールに本社を置くIT企業です。コンサルティング事業やアウトソーシング事業などを手がけており、インドを代表するIT大手として知られています。

インフォシスリミテッドの売上高や営業利益は以下の通りです。

項目 2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期
売上高 826,750百万ルピー 907,910百万ルピー 1,004,720百万ルピー
営業利益 181,590百万ルピー 193,740百万ルピー 246,220百万ルピー

2-8 HDFC銀行 ADR

銘柄名 HDFC銀行 ADR
ティッカーシンボル HDB
株価 59.1ドル
1株あたり配当金(年間) 0.262ドル
配当利回り 0.44%

HDFC銀行は、インドのマハーラーシュトラ州ムンバイに拠点を置く銀行で、民間銀行としてはインド国内最大規模です。

HDFC銀行の売上高や経常利益は以下の通りです。

項目 2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期
売上高 1,041,714百万ルピー 1,211,982百万ルピー 1,275,967百万ルピー
経常利益 339,959百万ルピー 365,844百万ルピー 439,826百万ルピー

2-9 BHPグループ ADR

銘柄名 BHP グループ ADR
ティッカーシンボル BHP
株価 69.84ドル
1株あたり配当金(年間) 9.02ドル
配当利回り 12.91%

BHP グループは、オーストラリアのメルボルンに本社を置く資源会社で、特に鉱業分野を得意としています。主にオーストラリア国内や南北アメリカ大陸で、銅・鉄鉱石・石炭・石油などの採掘を行っています。

BHP グループの売上高や営業利益は以下の通りです。

項目 2019年6月期 2020年6月期 2021年6月期
売上高 44,288百万ドル 42,931百万ドル 56,921百万ドル
営業利益 16,113百万ドル 14,421百万ドル 25,515百万ドル

2-10 テルストラ

銘柄名 テルストラ
コード TLS
株価 3.92豪ドル
1株あたり配当金(年間) 0.12豪ドル
配当利回り 3.06%

テルストラは、メルボルンを拠点とするオーストラリア最大規模の通信会社です。もともとは国営であった通信会社で、オーストラリア国内で固定電話事業や携帯電話事業を運営しています。オーストラリアの3大キャリアに数えられ、携帯電話のシェアは国内首位となっています。

テルストラの売上高や純利益は以下の通りです。

項目 2019年6月期 2020年6月期 2021年6月期
売上高 27,807百万豪ドル 26,161百万豪ドル 23,132百万豪ドル
純利益 2,149百万豪ドル 1,839百万豪ドル 1,902百万豪ドル

3 高配当の外国株を購入する際の注意点

高配当の外国株取引で注意したいポイントは以下の通りです。

3-1 配当金が出ないこともある

高配当の外国株を購入する際には、配当金の見通しについて十分な注意が必要です。配当金は、株式を発行する企業が株主に支払うものであるため、その企業の業績や経営方針などの影響を受け、配当金が少なくなったり、配当金の支払い自体がなくなったりする可能性もあります。

さらに、株価の変動に対する警戒も欠かせません。株価の下落率によっては、配当金による収益を超える損失が発生する可能性があります。配当金のみならず、株価下落のリスクについても検討しましょう。

3-2 配当利回りは変動する

配当利回りは常に変動するという点についても留意しておきましょう。株式の配当利回りは「年間の配当金÷株価」を基本として計算されます。たとえ配当金の額が変わらなくても、株価が上昇すれば利回りは低下し、反対に株価が下落すれば配当利回りは上昇します。

そのため、ある銘柄が高い利回りであるかどうかは、短期間の配当金と株価だけを見ても判断できない場合もあります。株価が変動することで、配当利回りが高めに出ていたり、あるいは低めに出ていたりする場合もあります。投資しようとする銘柄の過去の配当実績や、過去の株価などを確認してみましょう。

3-3 カントリーリスクに注意する

外国株投資を検討する際には、カントリーリスクへの注意も必要です。外国株の株価や利回りは、投資対象企業が本拠を置く国の景気や社会情勢に左右されるケースもあります。外交関係や自然災害などもカントリーリスクのひとつです。外国株へ投資する際には、カントリーリスクの存在についても理解しておきましょう。

3-4 外国株を取り扱っていない証券会社もある

外国株は高い配当金や成長率を強みとする一方、実際の取引のハードルは日本株と比較すると高いのも特徴です。最近では外国株取引ができる証券会社の数も増えていますが、外国株に未対応の証券会社もあります。

さらに、証券会社によってトレードできる銘柄数や種類も異なります。例えば、米国株の場合、外国株の中では対応している証券会社が多いものの、中国株や韓国株などを取り扱う証券会社は限られてきます。

また、インド株やオーストラリア株になると国内証券会社での取り扱いはさらに少なくなります。ただし、インド株やオーストラリア株を取引したい場合、ADR(米国預託証券)を利用できます。ADRはアメリカ国外の企業などが発行する有価証券であり、厳密には株式でないものの、株式と類似した性質・価値を持ち、証券取引所に上場され取引されるものもあります。

そのため、ADRでも米国株とほぼ同様の感覚で売買することができます。インド株やオーストラリア株の中には、自国の証券取引所へ上場する一方、ADRとしてアメリカの証券取引所にも上場している銘柄もあります。ADRを上手に活用できれば、比較的マイナーな外国株であってもトレードの機会を得ることが可能です。

まとめ

高配当外国株への投資は、配当金による継続的な収入を期待できる点がメリットです。特に外国株の中には、1国を代表する世界的大企業が、高配当を行っている例もあります。

しかし、配当金には減配や配当停止のリスクもあります。業績・経営状況によっては、配当金の減額が実施される場合や、配当自体がなくなる場合もあります。

さらに、株価自体が下落する可能性もあるため、配当金に着目して投資を行う際は、各企業の将来性やリスクについて事前に分析することが大切です。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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