国内株の投資信託、メリットとデメリットは?主なファンドも紹介

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国内株式を扱う投資信託の購入は、日本の企業に対して広く投資することを意味します。さまざまな企業に対して投資を行うため、結果として分散投資が可能です。

しかし「わざわざ国内株式を投資信託で購入するメリットは?」「国内株式の投資信託を利用する注意点は?」といった声も聞かれます。

そこで、この記事では、国内株式の投資信託について焦点をあてていきます。国内株式の投資信託の特徴やメリット・デメリット、主なファンドについて解説しますので、購入検討する際の参考にしてください。

目次

  1. 国内株式の投資信託の種類
  2. 国内株式の投資信託のメリット
    2-1.個別株より安価に投資できる
    2-2.分散投資が可能
    2-3.初心者でも投資しやすい
  3. 国内株式の投資信託のデメリット
    3-1.4つの手数料が発生する
    3-2.個別株の値上がりの影響を受けにくい
  4. 主な国内株式の投資信託を解説
    4-1.ニッセイ日経225インデックスファンド
    4-2.企業価値成長小型株ファンド
    4-3.eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
  5. まとめ

1.国内株式の投資信託の種類

国内株式とは、日本国内の企業が発行している株式のことです。日本で株式が登場したのは1878年です。同年には株式取引所が開設されたものの、株式の自由発行はできず、大企業のみが株式を発行できる状態でした。現在は大企業だけでなく、中小企業も株式を発行できるようになっています。

国内株式の投資信託に投資する場合、主に以下の投資対象があります。

  • 東証プライム上場などの大型株式
  • 中小企業などの中小株式
  • グロース株(成長が期待できる株式)
  • バリュー株(割安と判断できる株式)

それぞれのおおまかな傾向について把握しておきましょう。

株式の種類 株式の傾向
大型株 値動きに激しさはなく、流動性が高い。
中小型 値動きが激しく、流動性は低い。
グロース株 4つの中でも投資リスクが高い
バリュー株 値動きは小さめだが急騰・急落があり得る

また、個別株であれば短期であっても運用できるものの、投資信託の場合は中・長期的な運用を目指す商品です。例えば、投資信託に含まれている1つの銘柄が急な値上がりをした場合でも、投資信託の価値そのものは個別株よりも緩やかな上昇となる可能性があります。

投資信託および株式の種類と傾向を把握したうえで、投資を行いましょう。

2.国内株式を投資信託で購入するメリット

ここでは、国内株式の投資信託のメリットを見ていきます。少額から開始できることや分散投資ができることなど、具体的なメリットを把握することが大切です。

2-1.個別株より少額で投資できる

投資信託では、少額から国内株式に投資を行うことが可能です。個別の株式を運用する場合、基本的に最低購入数が決まっているため、数万円~数百万円単位の資金が必要となることも少なくありません。

対して投資信託の場合は、信託報酬などの手数料が発生するものの、100円単位から投資を行うことができます。投資額を抑えながら気軽に投資できる点は、個別株に対してのメリットだといえます。

2-2.分散投資が可能

投資信託はパッケージ商品のため、一口購入するだけで分散投資につながります。例えば、1つの銘柄に対して数十万円分の投資を行った場合、その企業の業績などによって大きく資産価値が動くことも少なくありません。

対して投資信託の場合、数十万円分の資金があれば、数十社以上の企業へ簡単に分散投資ができます。大型株やバリュー株など、株式の傾向に合わせて投資を分散させることも可能です。

ファンドごとの投資配分は自分でコントロールできないものの、購入できるファンドはいくつもあるため、自分が納得できる比率のファンドを探したり、複数のファンドを組み合わせて分散効果をより高めることができます。

2-3.初心者でも投資しやすい

投資信託の運用は、出資者ではなくファンドマネージャーが行います。そのため、投資初心者であっても投資しやすいといえます。

個別株などの場合は、購入するタイミングから運用方法まで、ある程度の知識が必要とされることも少なくありません。とくに、短期的な利益を出したい場合には知識に加えて、市場を読む経験も必要です。

投資信託では、出資者は直接運用する必要がないため、具体的な知識がなかったとしても、購入時からどのくらい基準価額などが変化したのか、今後利益はどのように推移するのかなどの、過去の結果と今後の予測に基づいて投資判断をすることが可能です。

3.国内株式の投資信託のデメリット

国内株式の投資信託にはデメリットもあります。投資信託で国内株式を購入する際には、短期的な値上がりの期待は難しい点や、手数料がある程度発生する点などに注意が必要です。

3-1.4つの手数料が発生する

投資信託には以下の手数料が発生します。

  • 購入時の販売手数料
  • 信託報酬
  • 監査報酬
  • 信託財産留保額

販売手数料に関しては、ノーロードと表記されているものには発生しません。しかし、信託報酬などその他の手数料も含めてファンドごとに金額は異なるため、中には手数料が高額なものもあります。

個別株と比較した場合、投資信託は長期的な保有が前提条件であるため、手数料が予想以上に高額となる可能性もあります。そのため、コスト管理には注意が必要です。

3-2.個別株の値上がりの影響を受けにくい

国内株式を投資信託で購入した場合、個別株の株価が上昇していても利益が想定したより上昇しないことがあります。投資信託は、ファンドごとに組み入れている株式の比率が大きく異なり、1つの企業の配分が高いケースは珍しいためです。

例えば、ある企業の株価が個別で倍になったとしても、ファンドは数%ほどしかその企業の株式に投資していないようなケースも多いといえます。その場合、投資信託の価値上昇はわずかだと想定できます。

投資信託は分散投資が可能であり、1つの企業の価格変動による影響を受けにくいことはメリットです。しかし同時に、個別株の株価上昇の影響を受けにくい点はデメリットだといえます。

4.主な国内株式の投資信託を解説

ここでは、国内株式の投資信託で、日本国内で購入できる主なファンド3本について見ていきます。どのようなファンドがあるのか、検討の参考にしてください。

※2020年8月1日時点の情報です。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

4-1.ニッセイ日経225インデックスファンド

信託報酬 0.275%
純資産総額 143,724百万円
基準価額 25,113円
委託会社 ニッセイアセットマネジメント株式会社
為替ヘッジ なし
NISA・つみたてNISAの取り扱い NISAのみ
購入できる金融機関 SMBC日興証券
SBI証券
エース証券
auカブコム証券
岡三オンライン
GMOクリック証券
松井証券
マネックス証券
楽天証券

ニッセイ日経225インデックスファンドは、国内の上場株式に投資するファンドです。ニッセイ日経225インデックスマザーファンドを通じて、投資を行います。

ファンドとして、日経平均株価に連動する資産運用を目指します。日系平均株価(225)は、日本経済新聞社が算出している指標で、東証プライムに上場している225銘柄の平均株価指数を表したものです。

組み入れ銘柄の中には、ファーストリテイリング、KDDI、ダイキン工業など日本を代表する企業を多く含んでいます。

4-2.企業価値成長小型株ファンド

信託報酬 0.838%
純資産総額 211,77億円
基準価額 14,133円
委託会社 アセットマネジメントOne株式会社
為替ヘッジ なし
NISA・つみたてNISAの取り扱い NISAのみ
購入できる金融機関 SBI証券
auカブコム証券
SMBC日興証券
フィデリティ証券
楽天証券
マネックス証券など

企業価値成長小型株ファンドは、企業価値成長小型株マザーファンドを投資対象としています。マザーファンドでは、東証・JASDAQ、マザーズなどで取り扱われている小型株に投資を行っています。

企業価値成長小型株ファンドでは、指標と連動しての運用は行いません。参考にしている指標は、JASDAQに上場している全株式の時価総額過重型のジャスダック・インデックスと、TOPIXから500銘柄を除いた時価総額過重型のTOPIX Smallです。

4-3.eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)

信託報酬 0.154%
純資産総額 18,685百万円
基準価額 10,416円
委託会社 三菱UFJ国際投信株式会社
為替ヘッジ なし
NISA・つみたてNISAの取り扱い NISA・つみたてNISAあり
購入できる金融機関 SBI証券
auカブコム証券
GMOクリック証券
楽天証券
岡三オンライン
LINE証券

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は、TOPIXマザーファンドを通じて日本国内の東証プライム上場銘柄に広く投資しています。TOPIXを指標として採用しており、TOPIXにできる限り連動した運用を行います。TOPIXは、東京証券取引所第一部に上場している全銘柄を対象とした指数です。時価総額8兆6,020億5,695万1,154円が基準指数100の価値を表します。

組み入れ銘柄は、トヨタ自動車やキーエンスなど電気機器・輸送用機器をメインとしています。加えて、NISAやつみたてNISAでも購入可能です。

まとめ

国内株の投資信託は、少額から株式投資をスタートできる、初心者でも投資をしやすいなどのメリットがあります。また、日本国内の証券会社や金融機関など多くの場所で購入可能です。

元本保証ではなく、資産価値は増減する可能性があるものの、一つのファンドを購入するだけで分散投資を行えるため、簡単にリスク軽減が可能です。大型株や中小株などのタイプごとの特性を知り、購入する投資信託を検討してみましょう。

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鈴原 千景

Webライター。内容として、わかりやすくを心掛けながら金融、不動産関係・ふるさと納税の記事を多く執筆している。日本株・米国株、投資信託、仮想通貨、ロボアドバイザーを運用中。