マイクロファイナンス投資のメリット・デメリットは?国内の投資会社も紹介

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発展途上国の貧しい人々に小口融資をして経済的自立を促すマイクロファイナンスの普及が国内でも進んでいます。マイクロファイナンス投資ではリターンを狙いつつ社会貢献できることや、少額から手間をかけずに始められることから、投資家の注目も日々高まっています。

そこで、この記事では、マイクロファイナンス投資のメリットとデメリットについて詳しく解説するほか、マイクロファイナンス投資ができるサービスもご紹介します。マイクロファイナンス投資に興味のある方は参考にしてみてください。

目次

  1. マイクロファイナンス投資とは
  2. マイクロファイナンス投資のメリット
    2-1.利回りは4%~10%程度
    2-2.小額から始められる
    2-3.手間がかからない
    2-4.社会貢献ができる
  3. マイクロファイナンス投資のデメリット
    3-1.貸し倒れリスクがある
    3-2.途中解約ができない
    3-3.社会貢献につながらない場合もある
  4. マイクロファイナンス投資ができる投資会社
    4-1.クラウドクレジット
  5. まとめ

1 マイクロファイナンス投資とは

マイクロファイナンス投資は、貧困の人々に対する小口融資(ソーシャルレンディング、貸付型クラウドファンディング)を通じて投資を行うことができるサービスです。

発展途上国の中には、高い失業率や低賃金労働などを背景とする経済的な貧困が問題となっている地域があります。マイクロファイナンスは、銀行等から融資を受けられない貧困層を対象として、マイクロファイナンス機関を通じて生活支援やビジネス支援を行う仕組みです。

マイクロファイナンス投資で最も有名なのは、1983年に設立されたバングラデシュのグラミン銀行です。グラミン銀行は、マイクロファイナンス事業を通じて発展途上国に対する経済的支援を行ったことが評価され、2006年にノーベル平和賞を受賞しました。受賞によりマイクロファイナンス事業に対する世間の認知が高まりました。

マイクロファイナンス投資は、借り手はその資金を活用することにより経済的に自立できる一方、投資した側は金利分を加えた元本を回収することで収益を得られるという仕組みになります。

2 マイクロファイナンス投資のメリット

次に、マイクロファイナンス投資のメリットについて見ていきましょう。

2-1 利回りは4%~10%程度

マイクロファイナンス投資は、預貯金の利息に比べれば利回りは高いと言えます。メガバンクの定期預金(1年もの)が0.010%であるのに対して、マイクロファイナンス投資における発展途上国に対する融資金利は対象国や事業者により様々ですが、投資案件の中には目標利回り10%を超える案件もあります。

発展途上国の中には、インフレなどの経済的要因から高い政策金利を適用している国もあるので、高金利を適用している国に貸し付けるほうが、高利回りを期待できるということになります。

2-2 小額から始められる

マイクロファイナンス投資では、株式投資や不動産投資などのようにまとまった資金を必要としません。実際の最低投資金額は投資会社によって異なりますが、中には1万円からの投資が可能な商品も提供されています。

運用期間は1年未満の短いものも多いので、長期運用に抵抗がある方や初めての投資で運用結果を早く知りたい方にも向いています。

2-3 手間がかからない

株式投資や不動産投資などをする際は、取引相場の監視や投資対象商品の購入・売却を適宜する必要があるため、相当の手間や時間がかかります。

一方、マイクロファイナンス投資では投資会社に口座を開き、投資する案件を決めて申し込みをすれば、後は分配金の入金を待つのみとなります。そのため、これまで投資を始めたくても、投資の勉強をするのが億劫だったり、仕事が忙しく自分で投資を行う時間がなかったりした投資初心者でも始めやすいのが、マイクロファイナンス投資の特徴です。

前述した通り、リターンは銀行の預貯金と比べれば高いので、お金を寝かせておくだけなら、社会貢献にもつながるマイクロファイナンス投資を検討するのも良いでしょう。

2-4 社会貢献ができる

投資を通じて社会貢献ができるのもメリットです。例えば、日常生活を送りながら発展途上国の貧しい人の力になりたいと思っても、具体的な行動に移れる機会はなかなかありません。

その点、マイクロファイナンス投資では、マイクロファイナンス関連のファンドを購入するだけで、途上国支援につながることがあります。土地などの担保を持たない貧困層の人達は、マイクロファイナンスでの融資を受けることで、子供を学校に入れたり、商売で設備投資を行ったりできるなど、様々な方法で経済的自立を目指した活動をしやすくなります。

実際、前述のグラミン銀行の件では、バングラデシュのある村民108名が融資を受け、病気の治療や家の修理のほか、土地の質受け等転貸、リキシャなどの輸送手段といった生産活動に充てた結果、貧困が緩和したという実績があります。

3 マイクロファイナンス投資のデメリット

高利回り商品のあるマイクロファイナンス投資では、元本割れや貸し倒れといったリスクなどを知ることも大切です。

3-1 貸し倒れリスク

マイクロファイナンスの融資先は貧困層の人々が中心で、資産をあまり持っておらず担保の提供が困難という事情があります。そのため、融資には担保が設定されておらず、貸し倒れが発生した場合、元本を回収できる保証はありません。

担保提供の代替措置として、複数人で構成するグループに連帯保証を組ませて融資を実行するファンドもあります。返済不能者が出た場合は、他のグループ構成員に返済義務を持たせるという仕組みで、「仲間意識」や「相互監視」の意識が強いグループほど返済率も高まるというグラミン銀行の例でも採用されたシステムになります。

ただし、借り手グループの相互の信頼関係が崩れれば、連帯保証システムは適切に機能する保証はありません。

このように貧困層を対象とするマイクロファイナンス融資では、連帯保証制度や他の担保制度を導入していても、貸し倒れや元本割れといったリスクが起こる可能性もあることを認識しておきましょう。

3-2 途中解約ができない

マイクロファイナンス投資は、募集案件ごとに資金の運用期間が定まっています。運用期間は、短いもので数ケ月、長いもので1~2年程度です。

運用期間中は投資資金が拘束されるため、途中解約や出金ができません。運用途中で資金を引き揚げられれば、プロジェクトの遂行に支障をきたす可能性もあるからです。

生活資金を費やしたり、借金までしてマイクロファイナンスに投資をしたりすると、運用期間中に出金ができずに困ってしまう事態も想定されるので、投資を始める際は余裕資金で行うことが大切になります。

3-3 社会貢献につながらない場合もある

マイクロファイナンスは、経済力のない人々が経済的自立を目指して活動するのを支援するのが目的です。しかし、元々経済力や資産を持たない層が、融資資金の返済を行っていくことは簡単ではありません。借り手側が想定していた計画通りに事が運ばず、「起業が失敗した」「事業が拡大しなかった」といった結果に終わることもあります。

そのような場合に、融資の返済をやり繰りするために他から借金し、その借金返済のためにさらに他から借りるなどの悪循環に陥り、多重債務者となる可能性もあります。本来は貧困な人々を支援するはずのマイクロファイナンス融資が、逆にそのような人々を追い詰めるケースもあり得ます。

マイクロファイナンス投資を円滑に進めるには、開発途上国のマイクロファイナンス機関や国内投資会社の融資審査を参考にするのも重要ですが、投資家自身も得られる情報の範囲内で自分の目でチェックすることが大切です。

4 マイクロファイナンス投資ができる投資会社

以下では、マイクロファイナンス投資ができる国内の投資会社をご紹介します。

4-1 クラウドクレジット

クラウドクレジットクラウドクレジットは、積極的にマイクロファイナンス事業を行っている2013年創業の会社です。

クラウドクレジット会社概要

会社名 クラウドクレジット株式会社
設立 2013年1月
所在地 東京都中央区日本橋茅場町1-8-1
株主 伊藤忠商事、第一生命保険、三菱UFJキャピタルなど

クラウドクレジットでは、「メキシコ省エネ事業支援ファンド」「ブルガリア中小企業向けローンファンド」「東欧金融事業者支援ファンド」「メキシコ女性起業家支援ファンド」「アフリカ未電化地域支援ファンド」など多くのマイクロファイナンス事業を展開しています。

目標利回りは年率2.5~13%、最低投資金額は1万円、予定運用期間は約13~25ケ月程度となっています。

なお、これまでのファンド累計出資金額は300億円超となっています。

5 まとめ

マイクロファイナンス投資には、「利回り4%~10%が狙える」「少額で始められる」「手間がかからない」「社会貢献ができる」というメリットがある反面、元本割れや貸し倒れといったリスクを伴います。

そのため、マイクロファイナンス投資に関心が向いた方は、ファンドを利回りの高さだけで選ぶのではく、運用期間や担保条件、リスクなどをトータルで判断した上で始めるようにしましょう。

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