2021年1月現在、数多くのソーシャルレンディングサービスが提供されています。各社ともその特徴は異なるため、自身の投資目的に合ったサービスを選ぶことが重要です。
利回り重視のサービス、もしくは資産保全性重視のサービスなど、ソーシャルレンディング会社によってリスクやリターンのバランスが大きく異なることも少なくありません。
そこで今回は、利回りが高い案件を提供するソーシャルレンディング会社に絞って、そのメリット・デメリット、リスクについて詳しくお伝えしていきます。
目次
1.高利回りソーシャルレンディングファンドのメリット・デメリット
ソーシャルレンディング投資の大きな特徴の一つに、金利収入である点が挙げられます。金利収入のため、運用のパフォーマンスの影響によって利回り(分配率)は変わらず、投資開始時に設定された一定の収入を期待することが出来ます。
高利回りのソーシャルレンディングは、このような特徴を持った金利収入に加え、高い予定分配率が設定されている案件であることは大きなメリットと言えます。
しかし、高い収益性の反面、高利回り案件にはデメリットもあります。ソーシャルレンディング投資では、融資時に投資家に配当する金利より高い貸付金利を設定して金銭消費貸借契約を結びます。
そのため、案件の予定分配率が高利回りであるほど、貸し先の会社にとって返済負担が大きくなり、貸し倒れや返済遅延のリスクが上昇します。
このように、ソーシャルレンディング投資では金利収入によるリターンと、返済負担の上昇による貸し倒れや返済遅延が起きるリスクは比例して高くなる特徴があります。ソーシャルレンディングを始めるのであれば、両方のバランスを取り、慎重に投資検討することが重要になります。
なお、LENDEXでは貸付金利とソーシャルレンディング会社の報酬、投資家への配当金利の配分が案件情報として示されています。これらの情報をチェックし、貸し先の企業に返済を圧迫するような金利が設定されていないか確認しておきましょう。
2.高利回りのファンドが選べるソーシャルレンディング3社
日本国内で運営されているソーシャルレンディングの中でも、特に高い利回りを提供しているソーシャルレンディングを3社ピックアップしました。それぞれの特徴を詳しく見て行きましょう。
2-1.LENDEX(レンデックス)
LENDEX(レンデックス)は日本国内における不動産関係の運営案件を専門に取り扱っているソーシャルレンディングです。
LENDEXの案件で特に利回りの数字が高いのは、不動産ローンファンドです。不動産ローンファンドとは、不動産事業者に対する融資案件で、不動産事業者はLENDEXから調達した資金を使って不動産のリフォームを行い、付加価値を付けた上で高値での売却を狙います。
なお、利回りが高いということは、融資を受けた事業者の支払い金利も高くなり、貸し倒れのリスクが上昇するデメリットがあります。
そのためLENDEXでは、高利回りの不動産ローンファンドの融資期間を短期間に設定するなどの工夫をし、融資を受けた事業者が早めに返済すれば金利の支払負担を減らせるような仕組みとなっています。
また、格闘技イベントRIZINの運営資金融資の案件でも予定分配率が10%を超える案件です。
この案件の資金用途は、格闘技イベントに必要な会場のレンタル料や格闘家のファイトマネーとなります。グッズの売り上げやチケット代、そしてテレビ局などの放送権料収入からLENDEXに金利支払いと返済を行います。
LENDEX(レンデックス)のリスク
LENDEXの高利回り案件を見ると、RIZINファンド、不動産ローンファンドともに担保が設定されていません。RIZINファンドの場合は無担保無保証、不動産ローンファンドは無担保有保証となっています。
RIZINファンドの場合は、仮に格闘技の大会が中止になると、グッズ収入やチケット収入がなくなり、大幅な損失が発生する可能性もあります。さらに無担保無保証であるため、資金償還時に損失が起こる可能性もあります。
不動産ローンファンドは、運用期間中に不動産を売却できないと返済遅延が起こりえます。また想定通りの価格で売却できなかった場合にも損失が起こります。
この案件は融資先の企業の代表者連帯保証が設定されていますが、返済は代表者の資産内で行われるため、代表者の資産によっては満額が返済される保証はありません。
このように、無担保無保証の案件は投資先の事業が失敗してしまうと投資金を回収できないリスクの高い案件であることがわかります。LENDEXで投資を検討する際は、このような点に注意をすることが大切です。
【関連記事】レンデックス(LENDEX)の評判・口コミ・口座開設
2-2.クラウドクレジット
クラウドクレジットは年間利回り10%を超える案件を積極的に投資家に提供しています。海外の案件を専門に取り扱っており、日本国以外で運営される案件の中には利回りが10%や12%というものもあります。
例えば、クラウドクレジットの【ロシアルーブル建て】ユーラシアオンライン金融事業者ファンド19号では、年利12%という他のソーシャルレンディングと比較して高い利回りを提供しています。
ただし、海外通貨は相場変動により資産価値が大きく上下するデメリットがあります。一つの通貨だけに投資するのが不安な場合は、ファンドパッケージ案件も並行して検討してみましょう。
ファンドパッケージ案件は、複数の国、複数の事業への融資案件を複合し、一つの案件として組成した案件で、分散投資ができるメリットがあります。
クラウドクレジットは、利回り10%を超える高利回りの案件を提供しながら、リスク対策も行っている点は、他のソーシャルレンディングと比較して特徴的であると言えます。
クラウドクレジットのリスク
クラウドクレジットは海外案件であることから、主に2つのリスクが考えられます。
一つめは、案件が運用される国特有のカントリーリスクです。途上国案件は政情不安や通貨のボラティリティ(変動幅)、その他、国によってはその国特有の自然災害リスクもあります。
クラウドクレジットの提供するデータを見ても、全案件の10%近い案件で損失が発生しています。海外案件に投資を検討する際は、このようなカントリーリスクに注意が必要です。
もう一つのリスクが、通貨の為替変動リスクです。例えば、日本円で運用される案件ではないロシアルーブル建て案件は、ルーブルの為替相場が変化すれば、日本円に両替したときの価格が変動することになります。
自分がそのファンドに投資した時より円安に進行すれば、運用終了後に日本円に両替した時に資産が増えますが、円高に進めば資産は減少します。
このように、当初の想定した利回り通りに投資家に配当が行われるとは限らず、ソーシャルレンディングサービスの中でもリスクの大きい案件提供をしていると言えるでしょう。
【関連記事】クラウドクレジットの評判・口コミ・口座開設
まとめ
数多くあるソーシャルレンディングの中でも、特に高い収益を狙うことができる、案件の特徴とリスクについてご紹介しました。
利回りの高い案件は高い収益を上げられる可能性がある反面、融資先への貸付金利も高く、返済が行われないリスクも存在しています。そのため、貸し倒れが起きた時のリスクや保証も見ながら、慎重に投資の検討をすることが大切です。
また、収益性が高い案件だけではなく、担保や保証が設定されている資産保全性の高い案件にも同時に投資することでリスクを分散できます。1つの案件に資産を集中させるのではなく、複数のサービスや案件に分散投資することも検討してみましょう。
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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム
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