低コストのバランス型ファンド10本の手数料や成績を徹底比較

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バランスファンドは、株式、債権、REITなど異なる資産をバランス良く配分し、極端な値動きを抑えて、信託財産を積み上げていくタイプのファンドです。バランスのとり方しだいでは、異なる資産どうしで収益が相殺されてしまい、思うように運用成績が上がらないこともあります。

記事内では、低コストなバランスファンド10本を紹介し、バランスファンドの運用について解説します。バランスファンドについて知りたい方や、投資信託のポートフォリオにバランスファンドを組み入れたい方は、ご確認ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 低コストなバランス型ファンド10本
  2. バランス型ファンドのテーマや構成銘柄
    2-1.配分比率固定型
    2-2.アロケーション型
    2-3.ターゲットイヤー型
    2-4.バランス型ファンドの種類
  3. バランス型ファンドの運用手法と特徴
    3-1.こまめなリバランスを行うアクティブファンド
    3-2.上昇トレンドに乗れないファンドもある
  4. バランス型ファンドを長期保有するときの注意点
    4-1.管理費用と運用スタイルをよく確認する
    4-2.過去の運用成績から分析
  5. まとめ

1.低コストなバランス型ファンド10本

楽天証券が扱うファンドから、楽天スーパーサーチを使って低コストなバランスファンド10本を抽出しました。数値は2022年1月14日時点の情報です。

管理費用(年率・税込) 純資産(億円) 基準価額 リターン/3年
たわらノーロード バランス(8資産均等型) 0.1540% 269.37 13,580円 12.01
DCニッセイワールドセレクトファンド(安定型) 0.1540% 88.87 10,954円 3.23
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 0.1540% 1,316.89 13,650円 11.53
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型) 0.1540% 181.41 14,449円 11.37
DCニッセイワールドセレクトファンド(株式重視型) 0.1540% 291.25 31,588円 13.62
DCニッセイワールドセレクトファンド(標準型) 0.1540% 521.51 25,688円 10.03
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型) 0.1540% 230.93 20,325円 6.35
※楽天・インデックス・バランス(DC年金) 0.1630% 136.43 11,453円 5.28
iFree 年金バランス 0.1749% 31.29 12,553円 11.07
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型) 0.1749% 4.64 13,511円 12.09

※iDeCoでのみ購入可能

管理費が低い順にファンドを並べてみましたが、異なるファンドで1位から7位まで、管理費用は同率になっていました。トータルリターンを見ると、各資産でバランスを取りながら運用しているため、インデックスファンドやアクティブファンドよりも低めとなっています。

2.バランス型ファンドのテーマや構成銘柄

バランス型ファンドは運用のテーマや構成銘柄がそれぞれのファンドで異なります。以下に、バランス型ファンドの運用スタイルを3つ紹介します。

2-1.配分比率固定型

株式に50%、債券に30%、REITに20%というように、複数の資産の組入比率を維持しながら運用するファンドです。ファンドによっては、複数資産に均等配分する運用スタイルもあり、6資産均等配分は16.6%、8資産均等配分は12.5%となります。

相場の値動きによって設定した資産配分が崩れないように、適宜リバランスを行いながら運用を進めていきます。配分比率固定型のファンドは、設定された資産配分を見ながら自分の運用スタイルにあったファンドを選べる点がメリットです。

2-2.アロケーション型

資産配分の維持を目標とせず、マーケットの状況や目標とするリスク、目標リターンを適宜設定し、機動的に資産の組入比率を変更しながら運用するタイプのファンドです。

マーケットの見通しが良い場合は、株式などリスクを取りながらもリターンを狙える資産を多めに入れ、逆に見通しが不透明な場合は、債券などリスクを抑えた銘柄の組入比率を増やして守りの運用に切り替えます。

アロケーション型は、マーケットの見通しと、適切な資産選び、配分を決めるファンドマネージャーの判断力が問われます。運用がうまくいくと、マーケットの見通しが悪い時はリスクを抑えつつ、逆に上昇トレンドの時には、大きく資産を増やす運用が可能です。

2-3.ターゲットイヤー型

目標とするターゲットイヤーを定め、その年に向けて資産の組入比率を変更する運用スタイルです。運用当初は株式などリスクが高めの資産を多く組み入れて積極的にリターンを狙う運用を行い、ターゲットイヤーに向けて少しづつ債券などの比率を高めながらリスクを抑えていきます。

ファンド内で自動的にリバランスが行われ、人の判断が介在しない点がメリットです。

ターゲットイヤー型は、長期運用に適しています。若いうちはリスクを取った運用を行い、お金がかかる世代になるにつれ、リスクを抑えた運用にシフトしつつ、老後を迎えるころには、低リスクな資産を中心として構成されるためです。

2-4.バランス型ファンドの種類

代表的なバランスファンドの種類を以下の表にまとめました。

項目 配分比率固定型 資産配分固定タイプ
ライフサイクル型 ターゲットデート型 リスクコントロール型
資産配分 固定 変動 変動
運用スタイル 資産配分を決めて運用を行う。許容リスクに応じてファンドを選択できる。 時間の経過とともに、リスクを減らしながら運用。長期運用に向く。 許容リスクを限定し、マーケットの状況に合わせて資産配分をコントロール。

3.バランス型ファンドの運用手法と特徴

バランス型ファンドの運用は、どのようなスタイルで行われているのでしょうか。以下に解説します。

3-1.こまめなリバランスを行うアクティブファンド

2022年1月時点における楽天証券が取り扱う純資産額上位のファンドを確認してみたところ、多くのファンドが、マーケットの状況に合わせて機動的に売買を行う運用スタイルをとっていました。

これらはバランス型ファンドというカテゴリーに分けられていますが、運用スタイルはアクティブファンドとほとんど同じです。管理費用はファンドごとに幅があり、約0.1%~2%となっています。

バランス型ファンドは、アロケーション型と配分比率固定型で運用スタイルが大きく異なります。バランス型ファンドを選ぶ時は、運用方針をしっかり確認しておきましょう。

3-2.上昇トレンドに乗れないファンドもある

バランス型ファンドには、基準価額の変動リスクの年率が設定されていることが多く、基準価額が極端に下がらないかわりに、急激な上昇トレンドの時もマーケットの動きと連動して基準価額が上がらない設定になっています。

したがって、基準価額が下がった時は、ファンドに資金が流入しない限りは基準価額がもとに戻るまで時間がかかるため、見方によっては、物足りない運用に見えてしまう場合もあるかもしれません。

4.バランス型ファンドを長期保有するときの注意点

バランス型ファンドをポートフォリオに組み込んで長期運用する際の注意点を以下に解説します。

4-1.管理費用と運用スタイルをよく確認する

バランス型ファンドへの投資を検討する場合、まずは運用スタイルを確認しましょう。

資産配分を維持する配分比率固定型と、マーケットの状況に合わせて資産配分を臨機応変に変更するアロケーション型では、売買頻度によって管理費用が大きく異なります。

配分比率固定型は「債券重視型」「標準型」「株式重視型」など、投資家のスタイルに合わせてファンドを選ぶことができます。一方アロケーション型は許容できるリスクの幅を設定し、収益を目指します。目論見書をしっかりと確認し、ファンドの運用スタイルを確認して投資判断をしましょう。

4-2.過去の運用成績から分析

トータルリターン、シャープレシオはファンドの運用を判断する上で参考になる指標です。併せて時系列で純資産の増減も確認しておくと、どのような要因で資金が増減しているのか把握できます。

目論見書や月次レポートを確認すると、運用方針や直近のマーケット状況に対してどう運用するかなど、詳しい情報を確認できますので、投資を検討する場合は、ファンドの関連資料をしっかりと読み込んでおきましょう。

まとめ

バランス型ファンドには異なる運用スタイルのファンドが用意されており、リスク許容度に合わせて選ぶことができます。

楽天証券が取り扱う低コストなバランスファンドを10本ピックアップしましたが、上位7本のファンドは管理費用が同じでした。バランス型ファンドではコストの低さと注目度は伴っておらず、管理費用が高く、運用成績が好調なファンドのほうが資金を集めています。

低リスクなファンドはインデックスファンドとバランス型、アクティブファンドではリスクを取りながらリターンを狙いたい、という投資家の判断がなされていると読み取ることができます。

バランス型ファンドは、運用が複雑なファンドもありますので、投資を検討する前に目論見書や月次レポートに記載されている過去の実績をもとに、しっかりと内容を確認しておきましょう。

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sayran

「資産形成をより身近に」をモットーに、証券会社にて投資信託を中心にリスクの低い資産形成をオススメしていました。 テキストではよりわかりやすくみなさんの興味分野を解説し、資産形成の理解を広めていきたいと思っています。