最近よく見る「レバナス」、評判やメリット・デメリットは?成績、リスクも

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レバナスは、米国のテクノロジー市場と呼ばれるNASDAQに連動する指数にレバレッジをかけた値動きを目指すファンドです。NASDAQインデックスの倍以上の値動きをするファンドと考えて良いでしょう。

ブル、レバレッジ型ファンドは長期保有をしていると基準価額がジリ貧になる特徴がありますが、レバナスはどうでしょうか。当記事では、レバナスの概要と、投資するメリットやデメリット、活用方法・注意点などについて紹介します。レバナスの運用が気になっているという方はご参考ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※信託報酬など、課税対象となる数値はすべて税込表示としています。

目次

  1. レバナスとは?
    1-1.NASDAQ-100指数のレバレッジファンド
    1-2.ハイリスク・ハイリターンが特徴
  2. レバナスの運用成績や手数料など
  3. レバナスをうまく活用するには
    3-1.マーケットのトレンドを把握する
    3-2.確度の高い投資情報を網羅的に集める
  4. レバナスのメリット、デメリット
    4-1.メリット
    4-2.デメリット
  5. NASDAQ市場の見通しとレバナスの今後
    5-1.原油高とオミクロン株による行動制限
    5-2.調整局面は過ぎたという見方も
    5-3.レバナスの今後
  6. まとめ

1.レバナスとは?

最近になってよく目にするようになった、レバナスの運用について概要を解説します。

1-1.NASDAQ-100指数のレバレッジファンド

NASDAQ-100指数にレバレッジをかけて連動するファンドが、SNS上を中心にレバナス(レバレッジナスダック)と呼ばれるようになりました。

NASDAQ-100指数の主な構成銘柄は、アップル・マイクロソフト・アルファベット・アマゾン・メタ(旧Facebook)・テスラ・エヌビディアなど、GAFAMを始めとした米国を代表するIT企業です。時価総額の大きさから、NASDAQ市場は世界中から注目されています。

1-2.ハイリスク・ハイリターンが特徴

レバナスは、他のブル、レバレッジ型のファンドと同じく、ベンチマークとする指数に対してレバレッジをかけた運用を行い、少ない資金でも大きな収益を出すことができるメリットがあります。NASDAQ指数が上昇を続けていると、レバナスへの投資で大きな成果を上げることができます。

反面、相場が下降局面を迎えると、損失にもレバレッジがかかってしまい、大きく資産を減らしてしまう可能性もあります。レバナスは大きく収益を獲得できる一方で、予想外の損失を被ってしまう可能性がある、損益が表裏一体のファンドなのです。

2.レバナスの運用成績や手数料など

ファンド名 純資産(億円) 管理費用 基準価額 設定日 設定来高値 設定来安値
楽天レバレッジNASDAQ-100 216.82 0.77% 7,953円 2021/11/17 10,322円 (2021/11/22) 7,244円 (2022/01/28)
iFreeレバレッジNASDAQ次世代50 7.01 1.17% 6,480円 2021/02/09 10,347円 (2021/11/17) 5,696円 (2022/01/28)
NASDAQ100 3倍ブル 87.52 1.52% 16,566円 2020/10/23 24,955円 (2021/11/22) 8,404円 (2020/11/02)
iFreeレバレッジ NASDAQ100 1,696.23 0.99% 33,347円 2018/10/19 43,151円 (2021/11/22) 6,726円 (2018/12/25)

NASDAQ指数にレバレッジをかけたファンドを4本、ピックアップしました。レバナスファンドは運用がもっとも古いiFreeレバレッジ NASDAQ100でも、今年の10月で運用が4年目に差し掛かるほどの運用歴が浅いファンドです。

通常レバレッジ型ファンドは、ピンポイントな投資に向いているとされていますが、NASDAQ100 3倍ブル以外は積立投資有りとなっています。

今回の比較では、設定来高値と設定来安値をピックアップしました。すべてのファンドが2021年の11月に設定来高値をつけており、その後大きく下落していますが、2020年3月から上昇した分の貯金があるため、設定来安値を記録するには至っていません。

3.レバナスをうまく活用するには

投資の参加や撤退が難しいとされるレバナスを、無難に使いこなすための考え方を紹介します。

3-1.マーケットのトレンドを把握する

NASDAQを牽引する構成銘柄は主に、GAFAMです。NASDAQの大型株を中心に時価総額の増減やテクニカル分析、ニュースの察知など、高精度なアンテナを張って、今後のトレンドを自分なりに把握しましょう。

マーケットは、緊急事態やイレギュラーな出来事以外では、大きな周期で上昇と下降を繰り返しています。トレンドの周期が3年以上にわたる長期なのか、それ以下の短期間なのかを見極めるのは難しいのですが、今後の米国の金融政策や、地政学リスク、IT企業に対する法案の可決など、重要な情報を獲得しつつ、適宜分析しながら大まかなトレンドを把握してみましょう。

3-2.確度の高い投資情報を網羅的に集める

レバレッジ型の投資信託のようなハイリスク投資には、事前の情報収集が重要です。確度の高い情報をもとに投資方針を決めて、ぶれない運用を行いましょう。

運用をスタートする時には投資に関する情報収集が重要です。信頼できる確度の高い情報は、基本的には網羅的に経済・金融関係のニュースを収集しているポータルサイトで気になる情報を見つけ、内容によって掘り下げていきます。

四季報オンライン、企業のプレスリリースや、日本経済新聞、金融機関が公開している相場のレポートなどを参考に、順番に粒度を細かくしていくイメージで掘り下げていくと良いでしょう。

ニュースをキャッチするためのアンテナは、繰り返して磨いていくしかありません。

なお、レバナスは長期投資向きの投資方法とは言えませんので、自分なりに短期・中期的な相場観がつかめないという場合は、他の金融商品を検討したほうが無難です。

4.レバナスのメリット、デメリット

レバナスが持つメリットと気をつけるべきデメリットを解説します。

4-1.レバナスのメリット

メリットは以下の2点です。

NASDAQ市場でレバレッジをかけた投資ができる

NASDAQ100は世界のマーケットを牽引するGAFAを始めとした米国のIT銘柄を中心に構成されており、レバナスはNASDAQ100にレバレッジをかけた投資ができます。

IT関連の銘柄は注目度が高く、成長著しい企業が生まれる可能性を孕んでいます。今後の成長が期待されるIT銘柄へのレバレッジ投資ができる点は大きなメリットとなるでしょう。

トレンドに乗った時は収益を大きく伸ばせる

情報収集を行い、自分で定めた投資方針がトレンドに合致すると大きく収益を伸ばすことができます。IT・テック系の銘柄は、良いニュースが流れると値動きがプラスにふれ、大きなトレンドを形成することがありますので、適宜トレンドを掴みながらうまくピンポイントに運用していくと、継続的に収益を上げることも可能です。

4-2.レバナスのデメリット

デメリットは以下の2点です。

リスクが高い

レバナスはNASDAQ100指数の値動きの2倍の動きをするため、上昇しているときは良いのですが、下降している間も保有し続けると大きく損失を出してしまうことになります。

過去数十年を見るとNASDAQ市場は上昇し続けているから長期保有でも良い、という考え方もありますが、レバレッジ型ファンドは手仕舞いのタイミングが難しいため、もみ合い相場になると基準価額を下げ続ける特徴から、短期でピンポイントな投資を行う場合に向いているとされています。

外国企業の情報収集が難しい

GAFAのような大型株は比較的、情報収集はしやすいのですが、外国の企業のプレスリリースは英語で、国際基準にならって決算書が開示されるため、日本の企業に比べると情報収集が難しいというデメリットがあります。

また日本での出来事はニュースを通じて体感的に感じ取ることができますが、外国企業の場合、感覚的な違いによって、ニュースの捉え方がずれてしまうこともあります。

5.NASDAQ市場の見通しとレバナスの今後

米国市場の見通しと合わせてレバナスの今後を考察しました。

5-1.原油高とオミクロン株による行動制限

2021年の11月から2022年にかけてダウ平均やNASDAQを始めとする米国株式市場は、調整局面に入りました。株価下落の表面的な懸念点は金融引き締めによる金利上昇ですが、根本的には米国金融政策の不透明さがあります。

金利上昇の要因は、原油高による物価上昇や、行動制限によるインフレ懸念に関連し、FRBの金融引締政策につながったためと見られています。

インフレ懸念に関して、新型コロナウイルスのオミクロン株による行動制限により、需要>供給という図式が成立し、インフレが加速する要因となりました。また直近の原油高動向については、UAEがイエメンのプーシ派からドローンによる攻撃を受けたという報道(参照:Bloomberg「親イラン武装組織のフーシ派がUAE攻撃、湾岸地域の緊張高まる)や、ロシアがウクライナへの進攻の態度を表している点(参照:NHK「緊張続くウクライナ ロシアが侵攻したら何が起きる?)が挙げられます。

5-2.調整局面は過ぎたという見方も

今後の米国市場は、原油高も一段落し、オミクロン株の懸念は後退する見通しで、株価は底堅い動きをすると見られています。グロース株は金利上昇の懸念を受けて大きく株価を下げ、今後も大幅な調整が続くという見方もありますが、一方で調整局面は一段落し、今後は上昇に転じるという見方もあります。

5-3.レバナスの今後

レバナスは、近年の株式市場の好調を受けてハイリスク投資の需要が高まり、いくつかのファンドが新たに運用をスタートしました。しかし2021年11月より、各ファンドとも、ファンドの運用が始まって以来の大きな調整局面を迎えており、投資家の資金の引き上げが目立つようになりました。

運用会社が提案している「レバレッジ型ファンドに積立投資」というスタイルを受け入れるか否か、投資家それぞれの判断に委ねられることになりますが、投資経験の少ない方や相場観に自信が無いという方は、まずはレバレッジ無しの米国インデックスファンドや米国ETFなどから検討してみると良いでしょう。

まとめ

レバナスはNASDAQ100指数の値動きの2倍程度となることを目指すファンドです。リスクを取る代わりに、一般的なファンドと比べて大きな収益を狙うことができます。また積立投資ができる点もレバナスの特徴の一つです。

2021年の11月より、直近まで継続的に続いてきた上昇トレンドが調整段階に入りました。レバナスファンドの設立以来、初めての大きな調整局面にどう対応できるか、注目度が高まっています。

レバレッジ型ファンドは、ハイリスクなため、長期運用には向いていないとされています。レバレッジ型ファンドへの投資はマーケットの状況や、ファンドの運用状況をよく確認した上で検討しましょう。

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sayran

「資産形成をより身近に」をモットーに、証券会社にて投資信託を中心にリスクの低い資産形成をオススメしていました。 テキストではよりわかりやすくみなさんの興味分野を解説し、資産形成の理解を広めていきたいと思っています。