東証プライム上場企業のJR九州(九州旅客鉄道)では、保有株式に応じて鉄道利用などがお得になる株主優待や保有期間に応じてJR九州グループが運営する施設で利用できる株主優待割引券を実施しています。
今回は2022年度のJR九州の株主優待について内容の詳細や配当、注意点などを紹介しますので、JR九州をよく利用する方など、銘柄選びの参考にしてください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年1月29日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
目次
- JR九州の株主優待の内容
- 鉄道株主優待券の贈呈
- JR九州グループ株主優待券の贈呈
- JR九州高速船株主優待券の贈呈
- JR九州の配当の内容
- JR九州の業績の内容
- JR九州の企業情報
- JR九州の株主優待を受ける場合の注意点
8-1.移動・外出自粛の影響を受ける可能性がある
8-2.飲食店の規制により売り上げが下方修正される可能性がある
8-3.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
8-4.権利付最終日での購入には注意
8-5.元本を毀損する可能性がある - まとめ
1.JR九州の株主優待の内容
銘柄 | 九州旅客鉄道(JR九州) |
コード | 9142 |
優待回数 | 1回 |
優待券利確定月 | 3月 |
優待利回り | 1.05% |
株価 | 2,385円 |
優待を得るための最低投資額 | 238,500円 |
権利付最終日 | 2022年3月29日(火) |
※2022年1月29日時点のデータ
JR九州(九州鉄道旅客・9142)の株主優待の内容は下記のとおりです。
- 鉄道株主優待券の贈呈
- JR九州グループ株主優待券
- JR九州高速船株主優待券の贈呈
それぞれ詳しく紹介します。
2.鉄道株主優待券の贈呈
JR九州の株主優待では、片道の運賃・料金(特急料金など)が5割引になる鉄道株主優待券の贈呈を受けられます。保有株式と贈呈される割引券の枚数は下記のとおりです。
所有株式数 | 鉄道株主優待券 | 長期保有株主優待 |
---|---|---|
100株~500株未満 | 100株ごとに1枚 | ― |
500株~1,000株未満 | 100株ごとに1枚 | 1枚追加 |
1,000株~10,000株未満 | 10枚+1,000株超過分で200株につき1枚贈呈 | 2枚追加 |
10,000株~20,000株未満 | 55枚+10,000株超過分で300株につき1枚贈呈 | 2枚追加 |
20,000株以上 | 100枚 | 2枚追加 |
毎年3月31日の最終株主名簿に記載または記録された株主が対象で、割引券の発送は毎年5月下旬、割引券の有効期限は6月1日から翌年5月31日までとなります。
また、500株以上を継続して3年以上保有している場合、長期保有株主優待として、鉄道株主優待券が追加発行されます。
3.JR九州グループ株主優待券
JR九州の株主優待では、JR九州グループが運営する施設で利用できる株主優待割引券も贈呈されます。保有株式と贈呈される割引券の枚数は下記のとおりです。
所有株式数 | JR九州株主優待割引券 | 長期保有株主優待 |
---|---|---|
100株~500株未満 | 一律5枚 | ― |
500株~1,000株未満 | 2枚追加 | |
1,000株~10,000株未満 | 4枚追加 | |
10,000株~20,000株未満 | ||
20,000株以上 |
飲食店やホテルなど、さまざまな施設を割引価格で利用できます。利用可能な施設の内容は、JR九州のWebサイトにある「JR九州株主優待券のご案内」を参照してください。
4.JR九州高速船株主優待券の贈呈
JR九州の株主優待では、JR九州高速船の株主優待割引券の贈呈も受けられます。100株以上の保有で一律1枚が贈呈され、福岡と韓国のプサンをつなぐ「クイーンビートルスタンダートクラス」の1名分の往復を10,000円で利用できます。
5.JR九州の配当の内容
JR九州の配当の内容は下記のとおりです。
年度 | 1株配当(円) | 配当利回り |
---|---|---|
2017年3月期 | 38.5 | 1.12% |
2018年3月期 | 83 | 2.51% |
2019年3月期 | 93 | 2.55% |
2020年3月期 | 93 | 3.00% |
2021年3月期 | 93 | 3.61% |
※2022年1月29日時点のデータ
JR九州の2017年3月期から2021年3月期までの1株あたり配当金額は38.5円から93円の間で推移しています。直近の3年間は配当金93円をキープしており、配当利回りも3.00%を超えている状況です。
6.JR九州の業績の内容
JR九州の業績の内容は下記のとおりです。
年度 | 営業収益 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 包括利益 |
---|---|---|---|---|---|
2017年3月期 | 3,829億1,200万円 | 587億4,300万円 | 605億6,500万円 | 447億5,100万円 | 428億6,200万円 |
2018年3月期 | 4,133億7,100万円 | 639億6,300万円 | 670億4,500万円 | 504億1,000万円 | 469億5,700万円 |
2019年3月期 | 4,403億5,800万円 | 638億8,500万円 | 665億3,900万円 | 492億4,000万円 | 521億500万円 |
2020年3月期 | 4,326億4,400万円 | 494億600万円 | 506億1,300万円 | 314億9,500万円 | 252億 |
2021年3月期 | 2,939億1,400万円 | △228億7,300億円 | △193億2,300万円 | △189億8,400万円 | △154億2,300万円 |
※2022年1月29日時点のデータ
※業績は連結
JR九州は、2017年3月期から2020円3月期まで、安定した業績を残してきましたが、2021年3月期の決算では営業収益が3,000億円台を割り込み、営業利益や経常利益などの項目も赤字に転落する状況になっています。
2022年度第2四半期決算の内容によると、2022年3月期の連結決算では、営業利益こそ赤字を継続するものの、経常利益・純利益については黒字回復すると見込まれています。
7.JR九州の企業情報
社名 | 九州旅客鉄道(JR九州) |
業種 | 陸運業 |
代表者 | 青柳 俊彦 |
決算 | 3月 |
資本金 | 160億円 |
本社所在地 | 福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目25番21号 |
上場市場 | 東証一部 |
上場年月日 | 2016年10月 |
※2022年1月29日時点のデータ
JR九州(九州旅客鉄道グループ)Jは、九州全域で運輸サービスや建設、不動産、ホテル、流通・外食などの事業を展開する企業です。特に運輸サービスにおいては、鉄道だけではなくバス事業・船舶事業・レンタカー事業などを手掛けています。
また、観光地であることを活かして「旅行業」「不動産事業」なども手掛けています。
8.JR九州の優待を受ける場合の注意点
JR九州の株主優待を受ける場合は、下記のポイントに注意しましょう。
- 移動・外出自粛の影響を受ける可能性がある
- 飲食店の規制により売り上げが下方修正される可能性がある
- 株主優待の変更・廃止の可能性がある
- 権利付最終日での購入は避ける
- 元本保証がない
8-1.移動・外出自粛の影響を受ける可能性がある
新型コロナウイルス感染症の発生から、今後も移動・外出自粛の影響を受ける可能性があります。
一時的に下火になっていた新型コロナウイルスの感染者が、2022年1月から再度増加傾向にあり、移動・外出自粛が呼びかけられています。今後の状況次第では、自粛の影響が大きくなり、運輸サービスがメインとなるJR九州にとって大きな打撃となる可能性があります。
株主優待にも何らかの影響が出てくるかもしれませんので、同社のニュースはこまめにチェックしたほうがいいでしょう。
8-2.飲食店の規制により売り上げが下方修正される可能性がある
JR九州は外食・流通事業も手掛けていますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、前年同時期の業績と比較して3割程度悪化している状況です。
外食事業では営業時間の規制などにより客足が離れる可能性や、物流の鈍化による仕入れコスト増加のリスクが考えられます。
多事業展開しているため、損失を小さく抑えることはできても、今後の状況によって潮目が大きく変わり、売り上げの下方修正が行われる可能性もあるため、注意が必要です。
8-3.株主優待の変更・廃止の可能性がある
株主優待の内容変更や優待の廃止のニュースには、敏感になっておきましょう。内容変更・廃止が発表されると、保有株が売りに出されて株価が急落し、損失が発生する可能性があるからです。
優待や業績に関する情報を常に仕入れ、適切な判断を下すことが大切です。
8-4.権利付最終日での購入は避ける
株主優待のために権利付最終日(権利確定日から2営業日前)やその直前で株式を購入するのは避けましょう。権利確定日前は株価が上昇しやすく、逆に権利落ち日以降は急落しやすいためです。
割高で購入した株式によって含み損が発生する可能性があるので、購入のタイミングは慎重に判断するべきです。
8-5.元本保証がない
株式投資では元本保証がありません。そのため、優待のために株式を取得して、結果的に損失が発生する可能性もあります。優待の内容と株式取得のリスクのバランスを考え、購入の是非について判断してください。
まとめ
今回はJR九州の2022年度の株主優待について紹介しました。JR九州の株主優待では、鉄道株主優待券やJR九州グループで使用できる優待券、JR九州高速船の優待券などがもらえます。
ただし、株主優待は今後も必ず受けられるわけではありません。内容の変更や優待の廃止の可能性もありますので、株主になる場合は必ず同社Webサイトなどをチェックして、慎重に検討するようにしてください。
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山本 将弘
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