リスクが高い投資信託、リスクが低い投資信託は?アセットタイプ別に分析

投資信託をこれから始める方の中には、各ファンドのリスクや特徴が分からず悩んでいる方も多いかと思います。投資信託のファンドは、株式を組み入れたものや不動産投資信託(REIT)など、複数の資産に分かれているのも大きな特徴です。なお資産の種類をアセットタイプと呼びます。

そこで今回は、投資信託のリスクや特徴をアセットタイプ別に解説します。

目次

  1. 国内外の株式に投資を行う「株式型」
    1-1.株式を組み入れている株式型ファンド
    1-2.株式型は国内と海外に分かれている
    1-3.運用方針によってリスクも変わる
    1-4.日経平均やNYダウを基準にしている株式型ファンド
  2. 国内外の公社債に投資を行う「債券型」
    2-1.株式よりはリスクを抑えられる可能性がある
    2-2.ハイイールド債などはリスクが高い
  3. 不動産へ投資を行う「REIT」
    3-1.リスクは景気だけではない
  4. 金など原油を投資対象とした「コモディティ」
  5. 複数の資産を含めた「バランス型ファンド」
  6. まとめ

1 国内外の株式に投資を行う「株式型」

まずは、株式を組み入れている株式型ファンドを解説します。株式型ファンドの中にも、リターン重視のファンドやリスク回避重視のファンドなどがあるので、投資銘柄や運用方針も確認しましょう。

1-1 株式を組み入れている株式型ファンド

株式型ファンドは、文字通り株式を組み入れているファンドのことです。複数の銘柄に投資しているのが特徴で、投資銘柄の値上がりによって基準価額も上がると、投資家の利益につながります。

基準価額とはファンドの価格のことです。1口単位で表記されていて、購入時は1口単位の口数買付と金額買付から選ぶことができます。

【例】

  • 1口1万円の基準価額:2口購入=2万円分の購入

株式型ファンドは、複数の銘柄へ分散投資しているため、個別の株式投資よりもリスク回避しやすい一方、投資信託全体として見るとミドルリスク~ハイリスクです。株式は比較的価格変動しやすい傾向があり、分散投資を行っているとはいえ、ある程度のリスクを取ってリターンを求める方向けのファンドだと言えます。

1-2 株式型は国内と海外に分かれている

株式型ファンドは、国内株式と海外株式を扱うものに分かれています。

国内株式型は、主に国内の株式市場へ上場している銘柄を組み入れたファンドです。多くの国内株式は、過去5年間比較的上昇傾向でしたが、2020年2月中旬頃から3月末に下落しました。原因は主に新型コロナウイルスによるものと考えられます。2020年4月1日から4月20日時点までの推移では価格変動は一旦落ち着きを見せています。

海外株式型は、欧米やロシア、中国など海外企業の銘柄を組み入れたファンドです。アメリカやカナダ、イギリスなど、先進国の株式で構成されるファンドと、東南アジア諸国など新興国で構成されるファンドに分かれているのも大きな特徴です。

一般的に海外株式は国内株式よりも価格変動しやすく、換金時に為替(ドルやユーロなど)相場の影響も受ける可能性があります。たとえば購入後、1ドル120円から100円へ円高へと動いた場合、ドルから円へ換金すると利益が減少し、1ドル100円から120円へ円安へと動いた場合、利益が増加します。

そのため為替リスクを抑えたい方は、まずは国内株式型ファンドから検討してみるのがいいでしょう。また、海外の株式型ファンドの購入を検討する際は、先進国の株式などから検討すると良いでしょう。新興国の株式は、為替変動リスクに加えて株価変動リスクも大きいため、非常にハイリスク・ハイリターンのアセットとなるためです。

1-3 運用方針によってリスクも変わる

株式型のファンドには、それぞれ運用方針が決められています。

運用方針は、たとえば以下のような内容を指します。

  • 株式会社の主要な株主が、経営者の銘柄に投資
  • 近年急速に業績を拡大しているベンチャー企業の銘柄に投資
  • 今後成長が期待できると運用会社が判断した銘柄へ投資

小型株やベンチャー企業の銘柄への投資を運用方針としているファンドは、国内株式の中でもリターンを期待できると共にハイリスクといえるでしょう。小型株やベンチャー企業の株価は、価格変動が激しい傾向となっていますので、株式型ファンドを購入する時は、どのような銘柄へ投資を行うのか確認するのも大切です。

1-4 日経平均やNYダウを基準にしている株式型ファンド

株式型ファンドの中には、日経平均株価やNYダウといった指数との連動を目指したタイプもあります。

株式投資でよく用いられる指数とは、特定銘柄の株価ではなく複数の銘柄を平均化したり、特殊な計算を行ったりして算出した数値のことです。

たとえば日経平均株価とは、東証一部上場企業の中で225銘柄の株価を平均化させたものです。このような指数と連動するように運用しているファンド全般は、インデックスファンドとも呼ばれています。

インデックスファンドは、TOPIXなどのような特定の指標と同じ値動きを目指す運用をするファンドです。一方、アクティブファンドは特定の指標を上回る運用方針で、上昇局面では指標より大きいリターンを目指し、下落局面では指標より小さい損失を目指しますが、その分インデックスファンドよりも信託報酬が高くなっています。

信託報酬をできるだけ抑えたいという方はインデックスファンドを中心に選び、ハイパフォーマンスを狙ってみたいという方はアクティブファンドを中心に選んでみると良いでしょう。

2 国内外の公社債に投資を行う「債券型」

続いては、債券型のファンドについて解説します。債券といえば、ローリスク・ローリターンのイメージが強いですが、ミドルリスク・ミドルリターンや、ハイリスク・ハイリターンのものもあります。そのため、債券型ファンドを選ぶ時も、特徴を理解した上で判断しましょう。

2-1 株式よりはリスクを抑えられる可能性がある

投資信託の債券型ファンド(公社債投資信託)は、主に国内と海外に分けることが可能です。

また債権の種類は、国や公共団体が発行している公債と、企業が発行している社債の2種類が存在あります。

債券は満期まで保有していると元本と利息を受け取ることができます。しかし、金利が上昇すると債券価格は下落するため、ファンドの基準価額も下落します。

国内債券は、海外債券や株式に比べるとローリスク・ローリターンではありますが、リスクが0ではない点を意識しましょう。

2-2 ハイイールド債などはリスクが高い

海外債券は国内債券と比較して、為替相場の影響を受ける可能性もありリスクが高いといえます。また、海外の中には金利よりもインフレ率が高いケースもあるため、基準価額が上昇していても資産価値は減少していることもあります。

そして特に注意すべき債券型ファンドが、ハイイールド債が含まれるファンドです。

ハイイールド債は、信用格付(投資家への支払い能力や倒産リスクなど)が低く年利回りの高い債券の名称です。価格変動が激しく、短期的に大きな損失リスクもあるため、注意が必要な投資商品の一つです。

このように債券型ファンドを選ぶ時は、取り扱っている債券の種類にも注目しましょう。

3 不動産へ投資を行う「REIT」

REIT(Real Estate Investment Trust)とは不動産投資信託のことで、日本のREITはJ-REITと呼びます。

3-1 リスクは景気だけではない

REITはアメリカで作成された金融商品です。また、日本では2001年に初上場した比較的新しい商品です。

  • REIT:海外の不動産投資信託(海外REITとも呼ばれる)
  • J-REIT:日本の不動産投資信託(国内REITとも呼ばれる)

REITは、ビルや住宅、商業施設などさまざまな不動産へ投資を行っているのが特徴です。

基準価額は、不動産の運用状況に応じて変わります。仕組みとしては不動産投資と同じですが、実物と比べて1万円といった少額から投資ができるのはREITの大きなメリットです。

REITのリスクは景気や金利変動による不動産価格下落の可能性だけではありません。REITが投資している建物で賃料の滞納や、災害による損壊などが発生すれば、基準価額にも影響を与えます。

基本的にミドルリスク・ミドルリターンですが、状況によってはハイリスクなケースもあります。さらに不動産に関する知識も必要となります。

不動産投資に関心がある方や、株式・債券以外にも分散投資を行いたい場合などに検討してみるといいでしょう。

4 金など原油を投資対象とした「コモディティ」

コモディティファンドとは、金や原油などを投資対象とした投資信託のことを指します。具体的には、以下のような商品を投資対象としています。

  • 原油
  • ガソリン
  • 天然ガス
  • トウモロコシ
  • 小麦
  • 大豆

それぞれの基準価額は、原油市場など各市場の価格に連動しているので、物価のインフレが進むほど基準価額も上がる傾向となっています。

世界経済は上下を繰り返しながら徐々に物価上昇をしているため、インフレと価格の関係から見るとコモディティ投資にはメリットもあります。しかし、ファンドの種類が少なく、価格変動の予測も難しいため初心者向きとはいえません。

たとえば、新型コロナウイルスによる需要減少をきっかけとした、2020年3月~4月の原油価格急落は、ロシア、サウジアラビアとアメリカのエネルギー利権の対立も関係しています。

このようにコモディティファンドは、災害や政治、安全保障も関わるため、株式や債券に比べて分析が難しいことから上級者向けのファンドといえるでしょう。

5 複数の資産を含めた「バランス型ファンド」

バランス型ファンドとは、株式や債券、不動産など複数のアセットタイプを組み入れたファンドを指します。

メリットとしては、ファンドを選ぶ手間を省ける点などが挙げられます。また、バランス型ファンドでは株式が下落しても、市場の違う債券や不動産などで損失をカバーすることも可能です(分散投資効果)。

リターンは特化型ファンドと比較すると低く、ローリスクローリターン~ミドルリスクミドルリターン程度です。投資信託初心者にとっては比較的選びやすく、リスク回避という点でも相性の良い選択肢でしょう。

なおバランス型ファンドは運用対象が多岐にわたるため、一見すると何を運用しているのか少々分かりにくくなっていますが、ファンド購入時に提供される目論見書(運用方針や運用実績などを説明している資料)で主な資産を確認することができます。

6 まとめ

投資信託のリスクは、アセットタイプで比較するとコモディティや新興国株式、ハイイールド債を組み入れた債券型ファンドなどが高い傾向です。そしてミドルリスクミドルリターンのファンドは、国内株式やREIT、海外債券、バランス型ファンドが該当するでしょう。

ただし市場の状況によっては、リスク・リターンも変動します。投資信託を行う際は、アセットタイプの特徴やリスクを確認した上で、現在の市況なども踏まえて判断しましょう。

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菊地 祥

菊地 祥

FP3級技能士、投資信託4年目、株式投資8年目。2018年からフリーランスとしてwebライティングやメディア運営を行っています。また、webライターとしては株式投資や投資信託などをやさしく解説。