投資信託の販売手数料(購入時手数料)の相場は?安い金融機関も

投資信託の販売手数料は、販売会社によって異なるため、同じファンドでも手数料が違うことがあります。同じファンドならコストを掛けずに購入したいところですが、購入手数料の差は販売会社のサービス内容と関連しているので一概に安ければいい、という訳ではありません。

この記事では、販売手数料はなぜ差があるのか、販売手数料の相場など、詳しい情報をまとめています。投資信託にかかるコストや、投資信託の運用について気になる方は記事内容をご確認ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2021年12月10日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. 投資信託の販売手数料に差がある理由
    1-1.金融機関ごとに大きな差がある
    1-2.人件費、店舗運用費など
  2. ネット証券と実店舗型の銀行、証券会社の販売手数料比較
    2-1.純資産ランキングで見る販売手数料
  3. ネット証券と実店舗型の銀行、証券会社の違い
    3-1.実店舗の有無と人件費の差
    3-2.ネット証券は投資助言等は原則受けられない
  4. 投資信託の手数料の仕組み
    4-1.販売手数料は販売会社の利益
  5. 運用コストで損をしない心がけ
    5-1.ネット証券のノーロードファンドを活用
    5-2.ファンドの運用手法に注目
  6. まとめ

1.投資信託の販売手数料に差がある理由

金融機関ごとに投資信託の販売手数料に差がある理由を解説します。

1-1.金融機関ごとに大きな差がある

投資信託の販売手数料は、金融機関によって大きな差があります。ネット証券の投資信託販売手数料は、0円のところが多くありますが、実店舗がある銀行や証券会社では、それなりの手数料が設定されています。

数パーセントの販売手数料が運用にどんな影響があるのかというと、買付当初は手数料の分だけマイナスからスタートしますので、販売手数料が最初の収益の壁となることがあるのです。

販売手数料が1%を超える場合、収益が継続してプラスに転じるまでには、それなりの時間がかかる可能性があります。したがって、販売手数料は買い付け時に注意して確認しておく必要があるのです。

1-2.人件費、店舗運用費など

ネット証券やネット銀行は、基本的に店舗を持たないため、あまり人件費やテナント料がかかりません。単純にかかる経費が少ない分、販売手数料を0円にすることができるのです。また顧客が自力で買付、売却を行うことが基本となっているため、株式の売買手数料も低く設定でき、信用取引もハードルを低くしてネット上で取引が行えるようになっています。

ある程度は自分で投資ができるという方は、手数料が安いネット証券やネット銀行を活用すると効率的に運用することができます。

2.ネット証券と実店舗型の銀行、証券会社の販売手数料比較

販売手数料は実際にどの程度の差があるのでしょうか。各金融機関ごとの主なファンドで比較してみました(2021年12月10日時点の最新情報をもとにしています)。

2-1.純資産ランキングで見る販売手数料

ファンドの規模を示す純資産ランキングにて、各金融期間トップ5のファンドにかかる販売手数料を表にまとめてみました。

どの金融機関でも上位を占めているファンドは似ていますが、購入手数料に大きな差が見られます。実店舗型の三菱UFJ銀行ゆうちょ銀行野村證券は購入金額に応じて販売手数料を徴収していますが、ネット証券のSBI証券楽天証券は0%です。

販売手数料の差は最大3.3%となり、運用初期には販売手数料が収益の壁となる可能性があります。

1位 2位 3位 4位 5位
三菱UFJ銀行 アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型<為替ヘッジなし>予想分配金提示型
3.3%
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)
2.2%~3.3%
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
0%
netWIN GS テクノロジー株式ファンド Bコース<為替ヘッジなし>
0%~3.3%
グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド<為替ヘッジなし>(愛称:未来の世界)0.55%~3.3%
ゆうちょ銀行 ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)
1.54%~3.3%
ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型) Bコース(為替ヘッジなし)
1.1%~2.75%
東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)【愛称:円奏会】
0.22%~1.65%
スマート・ファイブ(毎月決算型)
0.66%~2.2%
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
0%
野村證券 アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型
1.65%~3.3%
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)
3.85%
netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)
0.55%~3.3%
グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし) 愛称:未来の世界
0.55%~3.3%
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)
1.375%~3.3%
SBI証券 アライアンス-アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信D毎月H無予想分配金提示型
0%
ピクテ-ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)
0%
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
0%
GS-netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)
0%
One-グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし) (愛称:未来の世界)
0%
楽天証券 アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型
0%
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)
0%
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
0%
netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)
0%
グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)
0%

3.ネット証券と実店舗型の銀行、証券会社の違い

手数料の安さが注目されるネット証券ですが、実店舗をもつ証券会社とは具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

3-1.実店舗の有無と人件費の差

実店舗の有無とそれに伴う人件費の差は、販売手数料に顕著に現れています。そのため、実店舗をもつ老舗証券会社は新規の顧客獲得が難航しており、古くから付き合いのある富裕層中心に営業活動を進めている現状があります。

実店舗をもつ証券会社は店舗のスリム化や省人化を進めることで、新規顧客との接点を失うため、ますます富裕層メインの営業へ向かっていくと見られています。

3-2.ネット証券は投資助言等は原則受けられない

ネット証券の弱点は2つあり、そのうちの1つは投資助言を受けられない点にあります。担当者が個々に付きませんので、発注から売却まで全て自分の判断で行います。そのため受発注を簡単に行えるツールや、判断材料としての情報や読み物が充実している点も、ネット証券の特徴です。また外部の投資助言業者であるIFAと提携している証券会社もあります。

2つ目の弱点は、IPO(新規株式公開)の株式割当が少ない点です。IPOの主幹事・幹事は実店舗をもつ証券会社が選ばれる事がほとんどなので、IPOに参加したい方は老舗の総合証券会社から申し込むほうが当選率を高くできる場合があります。

4.投資信託の手数料の仕組み

投資信託の運用に関わる会社や、手数料の仕組みについて確認しておきましょう。

4-1.販売手数料は販売会社の利益

投資信託は販売会社と運用会社、受託会社の3つの組織が運営に携わります。

販売会社は証券会社、銀行などの金融機関が行い、運用会社は三菱UFJ国際投信や三井住友アセットマネジメントといった金融機関系の会社から、さわかみ投信や鎌倉投信などの独立系の会社があり、ファンドの商品設計や運用指図を行います。運用会社からの指示を受けて実際に銘柄の売買や資産の管理を行うのは、信託銀行です。

信託報酬は、3つの会社で配分されますが、販売手数料は全て販売会社に入ります。販売会社は投資信託を販売すると、販売手数料と信託報酬を手にすることができるのです。

なお信託財産留保額は、解約する時に純資産が急に減ると保有している人が損をする可能性があり、公平性を保つために設けられていますが、最近では信託財産留保額なしのファンドが多くなりました。

5.運用コストで損をしない心がけ

販売手数料や信託報酬などの運用コストは、投資信託の長期運用において重要なポイントとなります。できるだけ損をしないための心がけを解説します。

5-1.ネット証券のノーロードファンドを活用

販売手数料を抑えたい場合、ネット証券を活用しましょう。主要なネット証券の多くは販売手数料無料のサービスを展開しており、運用をスムーズにスタートさせることができます。

ただし手数料が安いメリットの一方で、運用に関する一通りのことは自分で判断しなければいけません(IFAに委託する場合を除く)。手数料の恩恵を享受したい場合、先に投資についての勉強を進める必要があります。

5-2.ファンドの運用手法に注目

販売手数料以上に重要な運用コストは信託報酬です。販売手数料は買付の時だけにかかりますが、信託報酬はファンドを保有している間、ずっとかかり続けます。

信託報酬からファンドの運営費用をまかなうため、売買が多いファンドは自動的に信託報酬が高くなります。またベンチマークとする指標を上回る成績を目指すアクティブファンドは、比較的信託報酬が高くなりがちです。

信託報酬と運用のテーマや内容は、事前にしっかり確認しておきましょう。

まとめ

販売手数料は金融機関ごとに大きな差があります。実店舗をもつ銀行や証券会社は、販売手数料が高くなりがちですが、ネット証券では販売手数料無料がスタンダードになりつつあります。

手数料を抑えたい場合ネット証券が優勢ですが、投資に関する判断や受発注は原則として自分で行う必要があります。また、ネット証券はIPO株の割当が少ないデメリットもあります。

実店舗をもつ証券会社や銀行とネット証券のメリットとデメリットを把握した上で、自分の投資スタイルに合う証券会社を選ぶようにしましょう。

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sayran

sayran

「資産形成をより身近に」をモットーに、証券会社にて投資信託を中心にリスクの低い資産形成をオススメしていました。 テキストではよりわかりやすくみなさんの興味分野を解説し、資産形成の理解を広めていきたいと思っています。