三越伊勢丹、2022年の株主優待は?配当や権利確定日、注意点も

※ このページには広告・PRが含まれています

株主優待とは、企業が株主に対して自社製品や金券、優待券などを贈呈する制度です。上場企業の約4割が株主優待を行っており、東証プライム上場企業の三越伊勢丹も株主優待を実施しています。

三越伊勢丹の株主優待では同社グループの店舗などでの買物や飲食代金、サービスで利用できる優待割引カードが贈呈されます。今回は2022年度の三越伊勢丹の株主優待について、詳細や配当、注意点などを紹介しますので、銘柄選びの参考にしてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年2月20日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. 三越伊勢丹の株主優待の内容
  2. 株主優待カードの贈呈
    2-1.優待適用外の品目やブランドがある
  3. 三越伊勢丹の配当の内容
  4. 三越伊勢丹の業績の内容
  5. 三越伊勢丹の企業情報
  6. 三越伊勢丹の株主優待を受ける場合の注意点
    6-1.新型コロナウイルスの影響で会計予測が変化する可能性がある
    6-2.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
    6-3.権利付最終日での購入には注意
    6-4.元本を毀損する可能性がある
  7. まとめ

1.三越伊勢丹の株主優待の内容

銘柄 三越伊勢丹ホールディングス
コード 3099
優待回数 2回
優待権利確定月 3月・9月
優待利回り
株価 971円
優待を得るための最低投資額 97,100円
権利付最終日 2022年3月29日(火)、9月28日(水)

※2022年2月20日時点のデータ

三越伊勢丹(三越伊勢丹ホールディングス・3099)の株主優待の内容は下記の通りです。

  1. 株主優待カードの贈呈

2.株主優待カードの贈呈

三越伊勢丹の株主優待では、株主優待カードが贈呈されます。

同社グループ店舗などでの買物や飲食代金の10%割引、同社グループのサービス・施設利用時の割引優待を受けることが可能です。

優待内容 詳細
買物や飲食代金の割引 三越、伊勢丹、岩田屋、丸井今井などのグループ各店舗での買物、レストラン・喫茶・イートインの飲食代金 10%割引
同社グループ会社・提携施設の優待割引など
(限度額なしの優待)
三越劇場、理容室、美容室、貸衣装、写真室、エステティックサロン・ネイルサロンなど、クリーニング、洗車コーナー 10%割引
文化展、美術展などの有料催事 一部無料
駐車場 駐車場無料サービスが1時間延長
伊勢丹会館(レストラン・喫茶・美容室)、クイーンズ伊勢丹 5%割引
ホテルニューオータニ東京、横浜グランドコンチネンタルホテルなど 優待料金での利用可能

※それぞれ100円以上の買物から利用可能
※優待の詳細については同社Webサイトや提携施設にて確認してください。

また、優待割引には利用限度額が設定されており、株主名簿に登録されたタイミングや株式の保有数、保有期間によって限度額が異なります。

所有株式数 3月31日時点の株主名簿に登録された株主の利用限度額 9月30日時点の株主名簿に登録された株主の利用限度額
100株以上300株未満 30万円 15万円
300株以上500株未満 40万円 20万円
500株以上1,000株未満 50万円 25万円
1,000株以上3,000株未満 100万円 50万円
3,000株以上5,000株未満 150万円 75万円
5,000株以上10,000株未満 200万円 100万円
10,000株以上 300万円 150万円

※初めて株主優待カードが発行された後、継続して株式を保有し3月末日の基準日を2年連続かつ300株以上の保有で迎えた場合、次回以降送付される株主優待カードの利用限度額が2倍となる。

なお、年2回の優待を受けることができ、3月31日時点の株主には6月下旬頃、9月30日時点での新規株主には11月下旬頃に優待カードが送付されます。それぞれの優待カードの有効期限は翌年の7月31日までとなっています。

2-1.優待適用外の品目やブランドがある

三越伊勢丹の株主優待では優待割引を受けられない商品やブランドがあるため、利用時には注意が必要です。具体的な優待適用除外品目・ブランドは下記のとおりです。

適用除外品目 商品券、百貨店ギフトカード、全国百貨店共通商品券、セレクトオーダーシャツお仕立券、紳士服お仕立券、ギフト券類(ビール共通券・図書カード・おこめ券・アイスクリーム券 他)、煙草、葉巻、地金、地金型金貨、プラチナ貨、地金相場連動商品、ゴルフ会員権、書籍、音楽ソフト・映像ソフト、ゲーム機本体、楽器、住宅リフォームおよびその関連する機器と工事費、配送料、修理・加工料、箱代、各種買物袋、ドライアイス代、時計電池交換、レンタル介護用品、花キューピット、歯科室、クリニック、施術料(ティースアート・ダイソンヘアなど)、ウォータークリーニング、屋上諸施設、チケット販売、旅行代金、イベント参加費、駐車料金、お年玉袋・お楽しみ袋等の福袋、受講料(ゴルフスクール・三越カルチャーサロンなど)、自転車防犯登録、レンタルサイクルおよびその保証金、システム料(選べるギフト)、定期宅配事業(イセタンドア)、オンラインギフトサイト(ムードマーク バイ イセタン)、その他特に指定したもの
適用除外となるブランド ルイ・ヴィトン、ブルガリ(フレグランスを除く)、カルティエ、ディオール ジュエリー(一品150万円未満)、ティファニー(フレグランスを除く)、フォクシー、アディアム、エルメス、シャネル(化粧品を除く)、ロレックス、俄(ブライダル商品)、パテック フィリップ、ライカ、モンベル、チューダー、ベルルッティ、 デルヴォー、リシャール・ミル、リヴェラーノ&リヴェラーノ、アイファニー、ビックカメラ 日本橋三越など

※適用除外品目やブランドは予告なく変更される場合あり

3.三越伊勢丹の配当の内容

三越伊勢丹の配当の内容は下記の通りです。

年度 1株配当(円) 配当利回り
2017年3月期 12 0.98%
2018年3月期 12 1.02%
2019年3月期 12 1.07%
2020年3月期 12 1.90%
2021年3月期 9 1.16%

※2022年2月20日時点のデータ

ここ数年の三越伊勢丹の配当金は9円から12円の間で推移しています。2020年3月期までは12円の配当金を出していたものの、2021年3月期から9円に減配している状況です。

また、配当利回りは0.98%から1.90%で推移しています。2018年3月期以降は1%以上の配当利回りをキープしており、比較的ブレは小さいといえるでしょう。

4.三越伊勢丹の業績の内容

三越伊勢丹の業績の内容は下記の通りです。

年度 売上高 営業利益 経常利益 親会社株主に帰属する当期純利益 包括利益
2017年3月期 1兆2,534億5,700万円 239億3,500万円 274億1,800万円 149億7,600万円 132億9,500万円
2018年3月期 1兆2,688億6,500万円 244億1,300万円 273億2,500万円 △9億6,000万円 86億8,800万円
2019年3月期 1兆1,968億300万円 292億2,900万円 319億9,500万円 13億4,800万円 25億2,000万円
2020年3月期 1兆1,191億9,100万円 156億7,900万円 197億7,100万円 △111億8,700万円 △177億9,400万円
2021年3月期 8,160億900万円 △209億7,600万円 △171億7,100万円 △410億7,800万円 △395億2,800万円

※2022年2月20日時点のデータ
※業績は連結

三越伊勢丹では売上高は2018年3月期、営業利益は2019年3月期をピークに減少している状況にあります。

特に2021年3月期では新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言・時短営業の影響もあり、すべての決算項目で数字を大きく下げ、赤字となっている状況です。

2022年3月期の連結業績予測によれば、売上高は4,250億円と前年の半分程度に減収すると見込まれており、厳しい状態が続いているといえます。

5.三越伊勢丹の企業情報

社名 三越伊勢丹ホールディングス
業種 小売業
代表者 細谷 敏幸
決算 3月
資本金 509億9,500万円
本社所在地 東京都新宿区新宿五丁目16番10号
上場市場 東証プライム
上場年月日 2008年4月

※2022年2月20日時点のデータ

三越伊勢丹ホールディングスは、百貨店事業、クレジット・金融・友の会事業、不動産業を軸にした事業セグメントを構成する企業です。

特に百貨店事業は売上高の8割を占めるコア事業です。三越・伊勢丹・岩田屋・丸井今井の4つののれんを保有しており、国内外に合わせて49の店舗を運営しています。

6.三越伊勢丹の優待を受ける場合の注意点

三越伊勢丹の株主優待を受ける場合は、下記のポイントに注意しましょう。

  • 新型コロナウイルスの影響で会計予測が変化する可能性がある
  • 優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
  • 権利付最終日での購入には注意
  • 元本を毀損する可能性がある

6-1.新型コロナウイルスの影響で会計予測が変化する可能性がある

三越伊勢丹の業績は現状悪化しているといわざるを得ない状況で、新型コロナウイルス感染症の影響が大きいと決算資料にも記載されています。

三越伊勢丹としても、新型コロナウイルス感染症が経済活動に対して、いつ・どれくらいの影響を及ぼすのか詳細に予測することはできず、現在発表している業績予測が変更になる可能性があることを示唆しています。

百貨店事業をメインに展開している三越伊勢丹は、緊急事態宣言や時短営業などの影響を受けやすいといえます。

株主優待を受けるために株式を保有する場合でも、今後の動向には注目すべきです。業績に改善が見込めない場合は、株式の保有について再度検討する必要があるでしょう。

6-2.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある

株主優待の内容は変更されたり、優待自体が廃止されたりすることがあります。優待内容変更・廃止が発表された場合、株式が売られて株価が急落したり、損失が発生したりする可能性もあるので注意が必要です。

株主優待が目的で株式を保有する場合でも、関連情報を仕入れ適切な投資判断を下すことを忘れてはいけません。

6-3.権利付最終日での購入には注意

株主優待のために、権利付最終日(権利確定日から2営業日前)やその直前に株式を購入する場合は注意が必要です。人気が高い優待銘柄の場合、権利確定日に向かって株価が上昇し、権利落ち日(権利付最終日の翌日)以降に株価が大きく下落する傾向にあります。

そのため、株主優待を受けられたとしても、その後に大きな含み損が発生する可能性があります。株式購入のタイミングは慎重に判断しましょう。

6-4.元本を毀損する可能性がある

優待目的で株式を保有する場合でも、元本を毀損する可能性があります。さまざまな要因に影響され株価は常に変動しているためです。

そのため、優待目的であっても株価の動きは必ずチェックしましょう。状況によっては、元本毀損前の株式の売却や損切り(=損失を確定させるための売却)を決断した方がいいケースもあります。

あらゆる状況を想定してどう対処するのか、事前に考えておくことが重要です。

まとめ

今回は三越伊勢丹の2022年の株主優待について紹介しました。三越伊勢丹では買物や飲食代金などが割引になる株主優待カードを贈呈しています。日頃から三越伊勢丹系列の百貨店を利用している方にとってメリットの大きい優待内容といえるでしょう。

ただし、今後優待内容は変更される可能性もあります。優待目的で株式を購入する前に、同社Webサイトで優待内容に変更がないかなど、情報を確認するようにしてください。

The following two tabs change content below.

山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。