クレジットカードのキャッシング機能は、現金を借りることができ、急な出費や買い物で現金を必要としている時に活用できるものです。しかし、返済負担などいくつか注意しなければいけないポイントがあります。
そこでこの記事では、クレジットカードのキャッシング機能について詳しくご紹介します。キャッシング機能も利用しながら買い物してみたい方や、キャッシング機能の利便性や注意点を知っておきたい方などは、参考にしてみてください。
※この記事は2021年6月14日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
※本記事は情報提供を目的としており、特定サービスの利用を勧誘するものではございません。申込に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- キャッシング機能の必要性は状況に応じて変わる
1-1.すぐに現金を用意しなくてはいけない時
1-2.海外旅行で現地通貨をその場で用意する必要がある時
1-3.利用する理由がない場合 - キャッシング機能の活用方法
2-1.提携金融機関のATMで借入
2-2.電話で申し込む
2-3.インターネットで申し込む
2-4.海外のATMで外貨による借入 - 借入の後は指定の方法で返済
- キャッシング機能の申込方法
4-1.クレジットカード作成と同時に申込手続き
4-2.クレジットカード発行後にキャッシング機能を申し込む - キャッシング機能を利用する際の注意点
5-1.ショッピング枠とキャッシング枠が互いに影響を与える場合もある
5-2.利用しすぎによる負担増加に注意
5-3.金利を確認しておく
5-4.ポイント付与などといった特典はない - まとめ
1.キャッシング機能の必要性は状況に応じて変わる
クレジットカードのキャッシング機能はショッピング機能と異なり、カード発行もしく発行後に別途利用申込を行い、審査に通過した場合に利用可能となります。カード利用者の意思でキャッシング機能を追加せず、カードを利用し続けることも可能です。
まずは、クレジットカードのキャッシング機能が必要な場面、不要といえる状況を確認していきます。
1-1.すぐに現金を用意しなくてはいけない時
キャッシュカードを持ち歩いていない状態で、なおかつ早めに現金を用意しなければいけない時は、クレジットカードのキャッシング機能が役立つ場合もあります。
- 給料日前で財布に現金が少ない状態で、かつ今すぐ現金を用意しておく必要がある
- 出張中、手持ちの現金が少なく、現金払いのお店やサービスを利用しなければいけない
- 外出先で現金を引き出さなければいけない状況で、キャッシュカードを保有していない
キャッシング機能は、カード会社と提携している金融機関のATMから現金を借り入れることができます。また、海外でキャッシング機能を利用する時も同様の手順で、外貨を借入可能となっています。
至急現金を用意しなくてはいけない状況が多い方にとっては、特にメリットのある機能です。
1-2.海外旅行で外貨をその場で用意する必要がある時
海外旅行や出張中、外貨を用意しなければいけない時は、クレジットカードのキャッシング機能を活用しやすいといえます。
外貨を現地で入手するには、空港や銀行などで両替もしくはクレジットカードのキャッシング機能といった方法を活用します。周辺に両替所がない、なおかつATMのみしか利用できない状況の場合は、クレジットカードのキャッシング機能が役立ちます。
他にもクレジットカードを含むキャッシュレス決済非対応のお店は、外貨を手元に用意しておかなければ買い物できません。海外旅行の頻度が高い方の中で、銀行や両替所の少ない街へ観光に行く方などは、キャッシング機能の利用メリットがあります。
1-3.利用する理由がない場合
日常生活で現金を急ぎで用意しなければいけない場面が少ない方や借入に抵抗を感じている方、金利負担を避けたい方などは、利用メリットの少ない機能といえます。
クレジットカードのキャッシングは借入なので、利息を上乗せした金額で返済する必要があります。そのため、借り入れる必要のない状況で利用してしまうと、家計を圧迫する可能性があり、デメリットの多い機能です。
買い物やその他事情で現金が必要な時や日常生活の買い物における支払いであれば、クレジットカードのショッピング機能やキャッシュカードによる現金引き出しでも対応することは可能です。
キャッシング機能に関心を持っている方などは、まずはキャッシュカードやショッピング機能で対応できるかライフスタイルを確認してみましょう。
2.キャッシング機能の活用方法
続いては、クレジットカードのキャッシング機能の利用や返済方法などの、活用前に押さえておきたいポイントを確認していきます。
2-1.提携金融機関のATMで借入
キャッシング機能では、カード会社の提携金融機関が運営しているATMを利用して現金を借り入れることが可能です。
たとえばイオンカードでは、イオン銀行やゆうちょ銀行、三菱UFJ銀行などといった提携金融機関のATMに対応しています。提携金融機関の種類は、クレジットカード会社のサイトから確認できるようになっています。
イオンカードでキャッシング機能を利用する方法を、以下に紹介します。
- ATMにクレジットカードを入れる
- 画面内のイオンカードボタンを押す
- イオンクレジット取引ボタンを押す
- 画面が切り替わったのちお借入れボタンを押す
- クレジットカードの暗証番号を入力
- 返済方法を選択(リボ払い、一括払い)
- 借入金額を入力しATMから現金を引き出す
暗証番号および借入金額の入力などといった基本的な操作は、他のクレジットカードと同様です。ATM利用手数料に関しては、ATMの種類やカードのサービスによって異なります。たとえばイオンカードのキャッシングでは、イオン銀行ATMの利用にかぎりATM手数料無料です。
2-2.電話で申し込む
多くのクレジットカードでは、専用ダイヤルでキャッシング機能に関する申込手続きを行うことができます。
電話申込を行うときは、指定の番号に電話をかけます。その後の細かな流れは、カード会社によって異なりますが、ガイダンスに従って暗証番号や借入額を入力もしくは担当者の指示に沿って手続きを進めていきます。
借入手続きが完了した後は、事前に登録しておいた口座へ振り込まれます。なお電話によるキャッシング手続きでは、現金を受け取ることができない点に注意が必要です。
2-3.インターネットで申し込む
一般的にクレジットカードのキャッシング機能は、インターネットでも利用できます。インターネット経由で申込手続きを進める場合は、カード会社のサイトへアクセスし、キャッシングに関するページからカードの暗証番号やパスワード、借入金額などの必要事項を入力します。
申込手続き後は、確認メールが登録アドレス宛てに届き、カード会社で設定した日時に指定口座へ振り込まれる仕組みです。なお、電話での申込手続きと同じく、現金で受け取ることができない点に注意が必要です。
2-4.海外のATMで外貨による借入
海外でキャッシング機能を利用する時は、カードのブランドに対応しているATMで借入手続きを行います。たとえばVisaのクレジットカードを所有している場合は、Visa対応のATMにて借入手続きを行うことができます。
ATMの操作方法は、暗証番号の入力と取引やクレジットカードの種類などを選択、借入金額の入力などといったものです。
イオンカードやセゾンカード、オリコカードなどでは、海外のATM操作に関して以下のように説明しています。
- ATMにカードを入れる
- カードの暗証番号を入力
- 取引内容を選択(引き出し:WITHDRAWALやCASH ADVANCE)
- キャッシング方法の選択(クレジットカード:CREDITやCREDIT CARD)
- 借入金額の入力
- 現金を受け取る
対応言語に関しては、場所によって英語以外の可能性もあります。さらに、ATMの機種によって操作方法も変わる場合があるので、あらかじめ現地情報を調べるのが大切です。
セゾンカードなど一部のカード会社では、海外キャッシング未経験者に向けたシミュレーションサービスを提供しているので、事前に流れを確認できるようになっています。
3.借入の後は指定の方法で返済
キャッシング機能を活用して借入を行ったあとは、借入月の翌月に一括もしくはリボ払いといった方法で返済していきます。
一括払いとは、1回で金利を上乗せした借入金額を返済する方法のことです。利率は、カード会社により異なるので、事前にカード会社のサイトで年率を確認しておきましょう。
リボ払いは、分割で借入額を返済していく方法です。残高スライド方式と定額方式、定率方式に分かれていて、それぞれ支払い額の設定に違いがあります。
残高スライド方式は、毎月の利用額に応じて返済額が調整されます。対して定額方式は、利用額にかかわらず一定の返済額となる返済方式です。たとえば、毎月の返済額を5,000円に設定しておくと、利用額数万円や数十万円でも常に毎月の返済額は5,000円となります。
定率方式は、返済額の割合が固定となった返済方式です。たとえば10%という設定では、借入残高の10%に相当する返済額を毎月返済していきます。
返済方式はカード会社によって変わるので、申込手続き前に各サイトから確認しておきしょう。
4.キャッシング機能の申込方法
キャッシング機能の利用には、キャッシングに対応したクレジットカードを発行する必要があります。さらにカード発行だけでなく、キャッシングの申込手続きも必要です。
ここでは、キャッシング機能の申込方法の流れについて確認していきます。
4-1.クレジットカード作成と同時に申込手続き
キャッシングに対応したクレジットカードでは、カードの発行手続きと同時にキャッシングを申し込むことができます。カードの申込については、インターネットやカウンターなどといった方法から選択します。
インターネットでクレジットカードの申込手続きを行う場合は、申込画面にキャッシング機能の有無に関する項目が含まれています。キャッシングが必要な場合はチェックを入れた上で、その他必要事項や本人確認書類などを提出していく流れです。
対面による手続きの場合は、担当者の指示に従ってキャッシングを含む必要事項の記入などを行っていきます。
セゾンカードなど一部のクレジットカードは、最短即日でカード発行だけでなくキャッシング機能も利用できる場合があります。ただし、クレジットカードとキャッシングの審査内容や期間はそれぞれ異なるため、キャッシングのみ審査落ちとなる可能性も考慮しておくのが大切です。
なお、キャッシングの審査のみに落ちた場合でも、カード発行後に再度申し込むことができます。
4-2.クレジットカード発行後にキャッシング機能を申し込む
既にクレジットカードを発行していてキャッシング機能を追加していない時は、利用可能枠に関する申込手続きを行い、審査に通過できれば利用を始めることが可能です。申込手続きは、一般的にインターネットで行います。
審査要件に関しては、どのクレジットカード会社も非公開としているため、事前に細かく対策を立てるのは難しいといえます。
5.キャッシング機能を利用する際の注意点
クレジットカードのキャッシング機能は、利用可能枠や金利などそれぞれの仕組みや特徴を理解した上で、計画的に利用するのが重要です。
ここからは、クレジットカードのキャッシング機能に関する注意点を確認しておきましょう。
5-1.ショッピング枠とキャッシング枠が互いに影響を与える場合もある
クレジットカードの中には、ショッピング枠とキャッシング枠を組み合わせたカードもあります。このようなクレジットカードを利用する場合は、キャッシング枠が減らないよう、ショッピング枠の利用額に注意が必要です。
たとえば以下のようなケースでは、ショッピング枠の上限まで借入不可となります。
- 総利用可能枠50万円
- ショッピング枠40万円、利用額40万円
- キャッシング枠30万円⇒借入可能な金額10万円
全体の利用枠を示す総利用可能枠50万円の場合、ショッピング枠で40万円利用すると借入可能な金額は10万円です。仮にキャッシングの利用可能枠が30万円であったとしても、10万円を超える金額の借入は不可となります。
キャッシングを利用する時は、各カードの利用可能枠に関する規約や仕組みを把握しておくと、想定外のキャッシング枠不足などのミスを抑えやすいといえます。
また、ショッピング枠とキャッシング枠を別々にしたい場合は、クレジットカードサイトのFAQや利用可能枠に関する説明ページから、各利用枠のルールについて確認しておきましょう。
5-2.利用しすぎによる負担増加に注意
キャッシング機能を活用する時は、無計画な借入の繰り返しにも注意が必要です。特にリボ払いを選択した上で借入を何度も繰り返している場合は、長期間の返済につながるだけでなく利息負担も長引いてしまいます。さらに万が一返済が遅れた場合は、遅延損害金という支払いも生じます。
一括払いを選択している場合でも、無計画な借入の繰り返しは、返済の遅延や家計の圧迫などといったリスクにもつながります。まずはキャッシングの利用前に返済と収入のバランスを考えるのが重要です。
5-3.金利を確認しておく
キャッシングの金利は、クレジットカードによって異なります。事前に各クレジットカードの年率も確認しておくと、利息負担のシミュレーションを行うことができます。
たとえばイオンカードの年率は7.8~18.0%、セゾンカードは年率12.0%~18.0%、三井住友カードはカードによって15%前後に定められています。
利息の計算は、借入残高×借入利率÷365日×利用日数という式で求められます。
クレジットカード会社の中には、毎月の返済額を計算可能なツールを用意している会社もあるので、比較的簡単に利息を含む返済額を確認することが可能です。
5-4.ポイント付与などといった特典はない
一般的にクレジットカードのキャッシング機能では、借入や返済でポイント付与などの特典を受けることはできません。ポイントを貯めるには、キャッシングではなく通常のカード利用を行う必要があります。
その他特典に関してはクレジットカードによって異なるので、発行を検討する際は旅行特典などといったさまざまな優待サービスも確認しましょう。
まとめ
クレジットカードのキャッシング機能は、すぐに現金や外貨を調達しなければいけない時などに役立つ場合もあります。ただし、借入なので返済義務や利息負担などに注意が必要です。
海外旅行や出張の頻度が高い方や現金を手元に用意する機会の多い方は、クレジットカードのキャッシング機能や年率などといった点を確認しながら検討を進めてみてはいかがでしょうか。
菊地 祥
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