株式投資に興味を持っている学生の方も多いと思います。ですが、どうやって始めればいいのか、どれくらいの資金が必要なのかなど、最初はわからないことも多いものです。
そこで今回は、学生の方が株式投資を始める方法や投資に必要な金額、メリット、注意点などを紹介します。最後に学生の方が利用しやすい証券会社も紹介しますので、参考にしてください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 学生が株式投資を始めるための条件
1-1.学生が株式投資を始めるために必要な資金額は? - 学生が株主投資を始めるメリット
2-1.収入源を増やせる
2-2.お金について勉強できる
2-3.就職活動に活かせる
2-4.長期投資の恩恵を受けやすい
2-5.人生の選択肢が増える - 学生が株式投資を始める注意点
3-1.損失が発生することがある
3-2.親の扶養から外れる可能性がある
3-3.未成年者の株式投資には親権者の同意が必要
3-4.学業に集中できない可能性がある - 学生が株を始めるための具体的な手順
- 学生にも使いやすい証券会社
5-1.SBI証券
5-2.松井証券
5-3.auカブコム証券
5-4.LINE証券
5-5.楽天証券 - まとめ
1.学生が株式投資を始めるための条件
株式投資には投資家の年収規定がありません。そのため、収入のない学生でも株式投資に参加できます。また、証券会社にとっては、条件次第で未成年者でも証券口座を開設できますので、未成年の学生の方でも株式投資を始めることができます。
ただし、未成年の方が株式投資を始める際には、以下の規定があります。
- 親権者の同意書を提出する
- 親権者が同じ証券会社に証券口座を開設している
- 現物取引のみ可能
そのため、未成年者の場合、親に内緒で株式投資を始めることはできません。また、信用取引を行うには一定の投資経験を積む必要があります。
1-1.学生が株式投資を始めるために必要な資金額は?
日本国内の証券市場に上場している株式には、数百円から数万円までさまざまな株価がついています。一部の例外を除いて、国内上場株式の単元株式数は100株単位に統一されているため、数万円から数百万円の投資資金が必要となります。
ただし、単元未満株を取引できるサービスを提供する証券会社を利用すれば、1株から株式を購入できるため、数百円程度の少額から株式投資を始めることができます。
2.学生が株主投資を始めるメリット
学生が株式投資を始めることには、以下のメリットがあります。
- 収入源を増やせる
- 経済について勉強できる
- 就職活動に活かせる
- 長期投資の恩恵を受けやすい
- 人勢の選択肢が増える
それぞれ詳しくみていきましょう。
2-1.収入源を増やせる
株式投資を行うことで売却益や配当金などの利益を得られる可能性があり、アルバイトや仕送り以外に収入源を増やせるというメリットが期待できます。
2-2.お金について勉強できる
株式投資を始めることで、利益や利率、手数料などお金についての知識を身につけることができます。また、日本や世界の経済状況についての知識や経営・ビジネスの知識、リスクヘッジの大切さなど、さまざまなことを体験しながら学ぶことができます。これらの知識を持っていると、今後の人生にも活かせます。
社会人になってから勉強の時間を取るのはなかなか難しくなってきます。学校では学べないお金の知識を得られるというのは、学生のうちに株式投資を行うメリットといえます。
2-3.就職活動に活かせる
株式投資で得た情報があれば、就職活動でも応募する企業を選びやすくなります。
株式投資を行う際は、企業について情報を収集し、その銘柄に投資するかどうかを判断することになります。その過程でさまざまな企業や業界の情報を手に入れることができますし、面接でも企業や業界について知っていることはプラスに影響します。株式投資は就職活動にも活かせるというのは、学生にとってメリットとなります。
2-4.長期投資の恩恵を受けやすい
投資においての基本は長期投資による複利運用です。学生のうちから株式投資を始めることで、複利の恩恵を受けやすくなります。
複利とは利子に利子がつくことをいいます。100万円を株式に投資することによって1年後に10%の利益が出た場合、元手は110万円になります。2年目には100万円に10万円をプラスした110万円を投資でき、同じ利益率だった場合には、利益は11万円となります。これを繰り返すことで、利益額をどんどん増やすことができます。これが複利の力です。
投資期間が長くなるほど、複利の力は大きくなります。つまり、長期投資はできるだけ若いうちから始めることが大切になるのです。
2-5.人生の選択肢が増える
株式投資に成功すれば、多くの知識を手に入れられますし、もしかすると多くの資産を得られるかもしれません。知識と資産があれば、一つの企業や業界で働き続けるだけではなく、自分がやりたい仕事を選んだり、起業したりする選択肢も取りやすくなります。
株式投資は人生の選択肢を増やすための土台となる可能性があるのです。
3.学生が株式投資を始める注意点
一方で、学生が株式投資を始める場合には、以下の点に注意が必要です。
- 損失が発生することがある
- 親の扶養から外れる可能性がある
- 未成年者の株式投資には親の同意が必要
- 学業に集中できない
それぞれ詳しくみていきましょう。
3-1.損失が発生することがある
資産運用の世界には、リスクとリターンという言葉があります。リターンとは「資産運用で得られる成果」を、リスクとは「不確実性の振れ幅」を表します。株式には信用リスク(投資した企業が破綻する可能性)や価格変動リスク(売却時の株価が購入時の株価から上下する可能性)などがあります。
株式投資で配当金や売却益などの「利益」を得られる可能性があるということは、同じように「損失」が発生することにもなります。株式投資をしたからといって必ずしも利益ばかりが発生するわけではないということを理解しておきましょう。
3-2.親の扶養から外れる可能性がある
株式投資によって利益が発生した場合、親の扶養から外れる可能性があります。
学生の方は収入が少ないため、親の扶養に入っているケースが一般的です。この場合の学生を扶養親族といい、親権者は扶養控除を受けられるので、支払う税金を抑えることができます。
ですが、以下の場合は親の扶養から外れることになります(2022年2月9日時点の税制に基づく)。
- 扶養親族の合計所得金額が48万円を超える場合
- 特定扶養親族の合計所得金額が63万円を超える場合
扶養親族とは16歳以上の人、特定扶養親族とは19歳以上23歳未満の人をいいます。
アルバイト等で得た給与収入や株式投資での利益などによる収入がある場合は、給与収入から給与所得控除(55万円)を引いた金額と株式投資等で得た利益を足して、上記の金額を超えている場合は扶養から外れることになります。
この対策としては、「特定口座(源泉徴収あり)」にて株式投資を行うことが重要です。確定申告不要の源泉徴収された利益は所得金額の合計からは除かれるため、株式投資でどれだけ利益が発生しても扶養親族から外れることはないからです(ただし、損益通算などの理由で確定申告が必要になった場合は、所得として扱われるため扶養から外れる可能性があります)。
一方で「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」で株式投資を行った場合、確定申告を行う必要があるため、利益が48万円を超えると扶養から外れ、自身で所得税等を支払う必要が生じます。
扶養から外れることで親の税負担が増えたり、自身が所得税や住民税、健康保険料等を負担したりすることになるケースがあるため、注意しましょう。
3-3.未成年者の株式投資には親権者の同意が必要
未成年者が株式投資を始めるには、親権者の同意が必要です。これは未成年者が行う契約によって不利益を被らないように、法律によって定められているためです。ちなみに現在は20歳が成年となる年齢で、2022年4月1日からは18歳が成年年齢となります。
また、未成年者が証券口座を開設する場合、親権者の同意書や続柄がわかる書類に加えて、親権者が同じ証券会社に証券口座を開設している必要があります。つまり、未成年の学生が親に内緒で株式投資を始めることはできないのです。
3-4.学業に集中できない可能性がある
学生が株式投資を始めると、相場が気になって学業に集中できなくなることがあります。日本の株式市場は主に学校の授業中の時間に開いています。そのため、保有する株価の値動きがどうしても気になってしまうというわけです。
4.学生が株を始めるための具体的な手順
株式投資を始める場合は、まず証券口座と資金を準備します。証券会社を選んで口座開設を申し込み、資金を入金すれば株式投資を行えます。
口座を開設する場合は、以下の書類が必要になります。
- 本人確認書類
- マイナンバーがわかる書類
免許証やパスポートなど顔写真付きの本人確認書類1点か、もしくは住民票・保険証などの顔写真なしの本人確認書類2点を提出します。
未成年者の口座開設には法定代理人(原則は親権者)の届出と法定代理人と口座開設者の続柄がわかる書類も提出します。
また、マイナンバーがわかる書類としては、マイナンバーカードまたは通知カードの提出が必要です。マイナンバーカードは顔写真付きの本人確認書類にもなるため便利です。
5.学生にも使いやすい証券会社
最後に、学生の方が株式投資を始めるのに便利な証券会社を紹介します。まず、証券会社選びのポイントにしたいのは以下の3点です。
- 取引手数料の安さ
- 取扱商品
- サービス内容
できるだけ資金を投資に回すために、取引にかかるコストをできるだけ抑えられる証券会社を選ぶことが大切です。また、扱っている商品とサービス内容は証券会社ごとに異なるので、よく比較して判断しましょう。日本株は全ての証券会社で同様の銘柄が購入できますが、外国株や投資信託は証券会社ごとに取扱銘柄に違いがあります。
以上のポイントを踏まえ、学生の方や投資初心者の方にも使いやすい以下5社の証券会社をご紹介します。
- SBI証券
- 松井証券
- auカブコム証券
- LINE証券
- 楽天証券
それぞれ詳しくみていきましょう。
5-1.SBI証券
SBI証券の特徴は取引手数料の安さにあります。アクティブプランで現物取引を行う場合、1日の約定代金合計額が100万円までは取引手数料が0円となります。投資に充てられる資金が限られる学生でも、手数料コストを抑えることができます。
また、単元未満株サービス「S株」は1株から取引可能で、少額投資がしたい方にも向いています。
未成年でも口座開設が可能ですので、株式投資を始めたいさまざまな方が利用できる証券会社となっています。
5-2.松井証券
松井証券も手数料の安さが強みの証券会社です。何度取引しても手数料が定額のボックスレートを採用しており、1日の約定代金合計額50万円まで取引手数料は0円です。また、単元未満株取引を行うことができ、インターネット経由での取引なら手数料が無料となります。
未成年でも口座開設でき、サポート体制も充実しているので、学生でも利用しやすい証券会社といえます。
5-3.auカブコム証券
auカブコム証券では、1株から株主になれる「プチ株」サービスを提供しています。限られた予算での株式購入や分散投資も可能ですので、少額投資から始めたい方には向いています。
取引手数料は約定代金の0.5%(税込0.55%)となっており、手数料コストを抑えることもできます。
また、「プレミアム積立(プチ株)」なら、毎月指定した銘柄を指定金額で買い付ける積立投資もできます。積立買付手数料は無料ですので、効率的かつ着実に投資できます。
5-4.LINE証券
スマホで少額から株式投資ができるLINE証券も学生に適した証券会社です。
100株単位での本格的な株式投資に加え、1株数百円から投資できる「いちかぶ」なら、少額から投資を始めることもできます。
また、LINE Payでの入出金やLINEポイントを換金した投資に利用できるのも特長です。
シンプルで見やすい取引ツールも備えているLINE証券は、株式投資を始めたい学生にとっても使いやすいサービスだといえます。
5-5.楽天証券
楽天証券も手数料が安い証券会社です。いちにち低額コースを利用すれば、1日の約定代金合計額100万円までは手数料無料で取引可能です。
また、「ポイント投資」なら楽天グループを利用してたまったポイントで、国内株式や投資信託に投資することもできます。
未成年の口座開設にも対応しており、取扱商品も豊富です。学生のうちから資産運用がしたい方にも使いやすい証券会社です。
まとめ
今回は学生の方が株を始める際の手順や必要金額、メリット、注意点について解説しました。
株式投資では、お金を増やせる可能性があるだけではなく、情報や知識を手に入れることもでき、今後の人生に活かすことができます。ただし、損失を出すリスクもあるため、まずは少額から売買を試してみることが大切です。
株式投資に興味のある方は、まずは手数料体系や1株から取引できるかどうか等のポイントも踏まえつつ自身に合いそうな証券会社を選択し、無くなっても支障のないお金の中から少しずつ始めることを意識して検討を進めてみてください。
- 外国株(米国株など)が買えるネット証券会社
- IPO投資に強い証券会社、少額からIPOに参加できるサービス
- 25歳以下の現物株式の取引手数料が実質0円の証券会社
- 貯まったポイントを使って株式投資ができるサービス
- 大手証券会社が提供している株式投資サービス
- 少額で株式投資ができるサービス
山本 将弘
最新記事 by 山本 将弘 (全て見る)
- CREAL(クリアル)の評判・口コミ・実績は?メリット・デメリット、利回りも - 2024年12月6日
- COZUCHI(コヅチ)で不動産投資、メリット・デメリットは?他社比較も - 2024年11月5日
- 不動産クラウドファンディングの市場規模は?件数・出資額や成功事例も - 2024年9月9日
- 金(ゴールド)投資信託のメリット・デメリットは?購入可能な証券会社も - 2024年5月27日
- 株初心者が知っておきたい売り板・買い板の見方、板を分析するメリットも - 2024年5月27日