成長株の見つけ方は?ベテラン投資家が考える銘柄選びの3つのポイント

成長株投資を行えば、大きな利益を狙うことができます。 ただ、株価が大きく下落する恐れもあるので、リスク管理が大切です。 この記事では、投資歴20年以上の筆者の経験から、成長株を選ぶときの3つのポイントについて解説します。

目次

  1. 成長株とは
  2. 成長株のポイント① 指標はROEと売上高成長率をチェックする
    2-1.ROEとは
    2-2.売上高成長率とは
  3. 成長株のポイント② キャピタルゲイン狙いで投資する
  4. 成長株のポイント③ 成長株の株価は本来の企業価値よりも割高になりやすい
  5. 米国株は成長株が大きく上昇
  6. 金利上昇で成長株はどうなる?
  7. まとめ

1.成長株とは

成長株は「グロース株」とも呼ばれ、業績や株価が高くても、今後さらに成長が見込める株式のことです。成長株は、売上や利益などが年々大きく増加していて、今後さらに増加していくと予想されており、流行の業種や、最先端の技術を持つ企業が多くなっています。

成長株(グロース株)に対し、業績などのファンダメンタルズに比べて株価が低い状態で放置されている株のことを、割安株(バリュー株)といいます。

それでは、成長株に投資するときのポイントについて解説します。

2.成長株のポイント① 指標はROEと売上高成長率をチェックする

グロース株を選ぶときは、「ROE(自己資本利益率)」や「売上高成長率」を参考にします。それぞれの特徴について解説します。

2-1.ROEとは

ROEは”Return on Equity”の略で、「自己資本利益率」ともいいます。ROEは企業の自己資本(株主資本)に対する当期純利益の割合で、計算式は以下の通りです。

ROE(%)=当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

たとえば、当期純利益が10億円で自己資本が100億円だった場合のROEは、

ROE(%)=10億円(当期純利益)÷100億円(自己資本)×100=10%

となります。

ROEは投資家が出した資本に対し、企業がどれだけの利益を上げているのかを表す指標です。ROEが高いほど成功率が高いといえ、一般的に10%を上回っていると優良企業だと判断します。

2-2.売上高成長率とは

売上高成長率とは、企業の売上高の伸び率のことです。「売上高伸び率」とも呼ばれ、売上高の伸び率が高い企業は、成長率も高いと判断できます。売上高成長率の計算式は、以下の通りです。

売上高成長率(%)=(当期売上高ー前期売上高)÷前期売上高

たとえば、当期の売上高が40億円で、前期の売上高が30億円だった場合、売上高成長率は次のようになります。

売上高成長率(%)=(40億円(当期売上高)-30億円(前期売上高))÷30億円(前期売上高)=33.33%

成長株を探す時は、継続して成長している企業かどうかを見極めることが大切です。ですから、売上高成長率は1年でなく、3~5年程度の期間で判断するのが一般的です。また、同業他社と比較して、その企業がどの程度成長しているのかを比較することもできます。

3.成長株のポイント② キャピタルゲイン狙いで投資する

株式投資の利益には、「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2種類があります。キャピタルゲインとは、株式を売却することによって得られる売買差益のことです。一方、株式を保有していることによって得られる配当金などをインカムゲインと言います。

成長株は企業の売上高や利益の大きな成長が期待できるので、株価が5倍、10倍といった大きなキャピタルゲインを狙うことができます。ただ、マーケットが期待するような成長ができなかった場合、株価が大きく下落するリスクもあるので注意が必要です。

また、成長株は配当を抑えて事業投資を行っていることが多く、配当が少ない、もしくは支払われない(無配)場合もあります。成長株は、配当などのインカムゲイン投資には向いていないのです。

4.成長株のポイント③ 成長株の株価は本来の企業価値よりも割高になりやすい

成長株を保有する投資家は、現時点の企業価値よりも、将来生みだされる利益に期待しています。ですから、成長株の株価は将来の成長性を織り込んだ数字となっており、本来の企業価値よりも高くなることがほとんどです。

ですから、株価分析で用いる「PER(株価収益率)」や「PBR(株価純資産倍率)」などは高くなっており、きちんと企業価値を見抜くのが困難になっているケースも多くあるのです。

成長株投資では、今後の成長性が期待されているので、期待外れとなった場合は株価が大きく下落する可能性があります。成長株投資をする場合は、日頃からニュースや決算などをしっかりチェックしておき、今後も業績が伸びるかどうかを判断することが大切です。

5.米国株は成長株が大きく上昇

2021年は、米国株が大きく上昇しました。機関投資家の多くが運用指標とするS&P500種株価指数は2021年に27%上昇し、過去最高値を70回更新しました。

ただ、米国株の上昇を引っぱるのは、限られた一部の成長株です。GAFAMやテスラなど10銘柄にも満たない米国の成長株が株価上昇をけん引しており、時価総額が3兆ドル前後のアップルなど、巨大IT企業に資金が集まる一極集中の構図が強まっているのです。

S&P500種株価指数に占める上位5銘柄の時価総額シェアは、2021年12月に23.9%と、全体の約4分の1に迫っています。ITバブルの天井をつけた2000年3月の18.4%を超え、1970年代以来の高い水準となっているのです。

6.金利上昇で成長株はどうなる?

2022年は、FRB(米準備制度理事会)によるテーパリング(量的緩和の縮小)前倒しや、利上げ観測によって米長期金利が上昇しやすくなっています。そして、金利上昇局面では、成長株(グロース株)よりも割安株(バリュー株)が優位になります。金利上昇局面では、投資家が企業のバリエーション(価値評価)に対して慎重になるからです。

グロース株はPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などが割高であることが多いので、金利が上昇している債券を買うよりも、本当にその株式の価値は妥当なのか、割高すぎるのではないかと考えられるようになり、株価指標が割高な成長株よりも割安株に見直し買いが入りやすくなるのです。

まとめ

米国を中心とした最近の株価上昇は、成長株(グロース株)がメインです。 グロース株は大きな利益を狙うこともできますが、株価が下落するスピードも速いので、 損切り注文を徹底するなど、リスク管理をきちんとするようにしてください。

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山下耕太郎

山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011