株取引のスイングトレードでは、タイミングによっては配当や株主優待などを得ることもできます。また、スイングトレードはデイトレードなどに比べるとトレードそのものの難易度が下がるため、これから株取引をはじめる方や、仮想通貨やFXと並行して株取引を始める方にも取り組みやすい取引スタイルでもあります。
今回は株式投資におけるスイングトレードについて、やり方やメリット・デメリットを解説します。
目次
- 株式投資におけるスイングトレード
1-1.株式投資におけるスイングトレードとは?
1-2.株式投資におけるスイングトレードの特徴
1-3.株式投資におけるスイングトレードのやり方 - 株式投資におけるスイングトレードのメリット・デメリット
2-1.スイングトレードのメリット
2-2.スイングトレードのデメリット - 株式投資におけるスイングトレードのリスク対策
3-1.株式投資のスイングトレードのリスクとは?
3-2.株式投資のスイングトレードのリスク対策 - まとめ
1.株式投資におけるスイングトレード
まず、株式投資におけるスイングトレードとそのやり方について解説します。
1-1.株式投資におけるスイングトレードとは?
スイングトレードとは、エントリーから決済までが数日から数ヶ月と、ある程度の短い期間からある程度時間を要するトレードスタイルの事をいいます。1日の取引時間内にトレードを終えるデイトレードや、数秒から数分でトレードを終えるスキャルピングとは大きく時間の概念を異にします。
どのような金融商品を対象とするトレードであれ、トレードはエントリーから決済までの時間が短くなればなるほど、難しくなる傾向にあります。
その理由としては、相場には突発的な動きがどうしても発生するため、必ずしも相関関係やテクニカル分析のセオリー、ファンダメンタルズの動きに合致しているとは限らないからです。
特にスキャルピングやデイトレードに関しては、予測できない動きに対応する必要があり、相場に慣れていない初心者の方にとっては、非常に難しいものでしょう。
1-2.株式投資におけるスイングトレードの特徴
株式投資におけるスイングトレードの特徴としては、短期の取引よりもリスクプレミアムが高くなり、リスクに見合ったリターンが得られる確率が高くなる点があります。また、トレンドに継続性があり、数ヶ月で大きな利益を手にするチャンスもあります。
1-3.株式投資におけるスイングトレードのやり方
デイトレードの場合と同じように、株でスイングトレードを行う場合であっても、取引自体の考え方は他の金融商品のスイングトレードと同じように考えることができます。
しかし、デイトレードと違い、より大きな時間軸で市場の動向を掴む必要があります。大きな経済の流れ、投資対象銘柄が含まれる産業(業界)の方向性と、市場における対象銘柄のポジション、優位性などを判断する必要があります。
つまり、ファンダメンタルズの分析がデイトレード以上に重要となるのです。
対象銘柄の選定方法としては、個別の銘柄からファンダメンタルズの情報を集める場合と、注目している産業から銘柄を見つけに行く2つのアプローチ方法があります。
そして実際に対象銘柄を見つけた後に、その銘柄の月足や週足を分析します。
分析方法としては、基本的なライン引きを行います。トレンドラインと、レジスタンスライン、サポートラインを引き、フィボナッチ・リトレースメント、移動平均乖離率などを用いて、重要な価格を見つけに行きます。
スイングトレードの期間にもよりますが、大きな利益を獲得したい場合は、現物で買いポジションでエントリーするのが一般的です。そのため、各銘柄の底値を取りに行くことが多くなりますが、大抵の場合は下がっている株を拾いに行くことになります。
エントリータイミングを図るためには、テクニカル分析で用いるインジケーターを使用しますが、細かな時間足を用いる必要はなく、基本は日足、最低でも4時間足を使用すると良いでしょう。
2.株式投資におけるスイングトレードのメリット・デメリット
次に株式投資におけるスイングトレードのメリットとデメリットについて解説します。
2-1.スイングトレードのメリット
株式投資をスイングトレードで行う際のメリットについては、以下のようなものが挙げられます。
- ポジションメイクをした後にチャートに張り付いている必要がなく、証券市場の取引時間と勤務時間が重なる場合でもトレードがしやすい
- 大きな時間足だけを使って分析をするため、チャート分析に必要な時間が短い
- 権利確定のタイミングに株式を保有していることで、配当金や株主優待などトレード以外の報酬を得ることができる
- 利益確定と損切りも大きな値幅で行うため、相場の急変などに慌てることが少なくなる
- ファンダメンタルズ分析を通して、企業や業界の動向に詳しくなる
- スキャルピングやデイトレードに比較して肉体的な疲労が少ない
2-2.スイングトレードのデメリット
続いて、株式取引をスイングトレードで行う場合のデメリットについて解説します。
- 信用取引で銘柄を保有していると手数料がかさむため、信用取引が利用しづらい
- デイトレードよりもファンダメンタルズの分析が重要となるため、企業研究や産業研究が必要となる
- 含み損が発生している時期が長くなることがあり精神的な負担が重くなる
- チャートのチェックが疎かになりがち
- エントリーや決済のタイミングがなかなか来ない場合も多い
3.株式投資におけるスイングトレードのリスク対策
最後に株式投資におけるスイングトレードのリスクとその対策方法について解説します。
3-1.株式投資のスイングトレードのリスクとは?
株式投資のスイングトレードのリスクと、それに伴うミスの事例しては、以下のようなものが挙げられます。
- 大きなドローダウンが発生した際に、ストップロス値に届く前に不安に駆られて損切りをしてしまう
- 配当などの権利確定日にこだわりすぎることにより、それよりも大きな利益を逃してしまう
- 株価が大きなダウントレンドにある際に信用売りを行う必要がある
- 利益確定を行った後も、利益が出る方向に相場が動いた際に、安易に順張りエントリーをして高値掴み、安値掴みをしやすい
株取引のスイングトレードにおけるリスクは、個別のトレードでのリスクというよりは、株式相場そのものが抱えている株取引のリスクや、トレーダーとしてのメンタルコントロールが主な要因となります。
3-2.株式投資のスイングトレードのリスク対策
株式投資のスイングトレードのリスク対策として重要なのは、以下の2点です。一つはメンタルコントロールをしっかり行うということと、どのような投資をする時にでも必要となる基本的な資金管理をしっかりと行うことです。
メンタルコントロールに関しては、エントリーをする際に設定した利益確定と損切りの価格を原則として守ることが必要です。そのためにも、利益確定と損切りの設定した価格を、なぜその価格にしたのかという根拠を明確にしておくことが重要です。
利益確定と損切りの価格を変更する場合は、その根拠に影響を与えるような要因があった場合のみ変更する形を取るとよいでしょう。
資金管理に関しては、2%ルールをポジションそのものに適用し、そのポジションに投資する額を投資資金全体の2%以内とすることで最大の損失も2%以下に収めることができます。
まとめ
スイングトレードは、どの金融商品においても基本となるトレードスタイルであるため、これから新しく投資を始める場合は、スイングトレードから始めるのも良いでしょう。
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中島 翔
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