分散投資、なぜ必要?投資手法の種類や分散投資のやり方も解説

これから投資を始めようと考えている方であれば【分散投資】という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。投資において分散投資は重要なワードの一つですが、本当の意味で分散投資をされている方は少ないかもしれません。

今回は投資におけるリスク対策の基本的なポイントとして、分散投資の考え方をご紹介したいと思います。

目次

  1. 投資はリスクが高くて危険?
  2. なぜ分散投資が必要なのか
  3. 分散投資の手法
    3-1.投資する時間を分散させる
    3-2.投資する資産を分散させる
    3-3.投資スタイルの分散
  4. まとめ

1.投資はリスクが高くて危険?

投資というと危険なイメージが浮かぶ方も多いとは思いますが、実際には持っている資産の中でレバレッジをかけないで投資する分には、最悪資産がゼロになることはあっても投資で借金をしてしまうということはあり得ません。

「投資に失敗して破産」といったニュースを耳にすることもあるかもしれませんが、それは信用取引などで高レバレッジをかけて(=お金を借りて)自己資産以上のかなり無茶な運用をしなければ起きないはずです。

また分散投資を行っておけば、資産がゼロになる可能性を限りなくゼロに近づけることができます。投資先全ての会社が一気に倒産し株券が紙くずになったり、債券投資であれば投資先国がデフォルト※に陥ったり、そこまでの不運が一度に押し寄せる可能性は相当低いと言えるでしょう。

※デフォルト…市場では債務不履行のこと

2.なぜ分散投資が必要なのか

分散投資は、投資対象を多様化させることで、資産運用に伴う価格変動リスクを低減させて高リターンをめざすために有効な方法です。

国内・海外の株や債券などいろいろカテゴリーがある中で、毎年成績が1位の資産を当て続けることが出来るのであれば、分散投資などしなくても大きな運用益を得られるでしょう。

しかし、そういった毎年値上がりの大きい資産クラスを当て続けるような正しい局面判断を続けることは投資のプロでも難しく、ましてや一般の方には非常にハードルが高いものであることから、値動きの異なる複数の資産にリスクを分散しながら、安定的な収益を期待する分散投資という考え方が誕生しました。

要するに分散投資の意味とは、高リターンを得るためというよりは、大きなドローダウンを抑えるという目的の方に比重が置かれているということです。ただし、分散投資をすることで大きなリターンは諦めざるを得なくなる、というわけではありません。

仮に30年の長期投資の間に3回大きなショックがあったとして、その都度ドローダウンを上手く抑制することに成功したとすると、最終的なリターンは大きくなる可能性があるのです。したがって分散投資は投資期間が長くなるほど効力を発揮するといえるでしょう。

※ドローダウン…最大資産(累積利益)からの下落率のこと

3.分散投資の手法

具体的な分散の方法は、国内外の株式や債券、石油や金などの資源、円やドルなどの通貨といった資産を分散させる方法と、裁量でタイミングを見計らって投資をするか毎月決まった金額を積立投資するといった時間を分散させる方法、資産の中で長期的にインカムゲインを狙う部分と短期的にキャピタルゲインを狙いにいく部分を分けるという投資スタイルを分散する方法の、大きく3つの考え方があります。

3-1.投資する時間を分散させる

割安の状態で買いたいがあまり、10年に1回程度訪れる“何とかショック“のような出来事をずっと待ち続けながらそれまで何もしないのでは時間を無駄にしてしまいます。かといって短期的な下げを待ってタイミングよく投資をすることは普段仕事をしている中ではかなり難しいでしょう。

そういう場合は、ドルコスト平均法と言われる積み立て投資が効果的です。定期的に「一定金額」ずつ買付ければ、価格が高いときには購入する量が少なくなる一方、価格が安いときには購入する量が多くなり、平均購入価格を安く抑えることができます。

また、つみたてNISA・iDeCoといった税金の優遇を受けられる方法もありますので、是非活用しましょう。こういった税金の優遇は投資期間が長期にわたれば相当メリットが出てくるはずです。

3-2.投資する資産を分散させる

値動きの異なる複数の業種の株式や債券を組み合わせて分散投資をすれば、リスクを分散することができます。ポイントは値動きが異なるものを組み合わせることです。株式内でも業種を分散し、資産クラスであれば株式と債券に分散し、更には国内外に分散することで、大きなドローダウンを抑えましょう。

一部簡単に分散投資例をご紹介しますと、現在の資本主義の世の中が続く前提であれば、理論的には一番リターンが得られるのは株式になりますので、ひとまず株式はポートフォリオの中に入れておきたいところです。

株のヘッジとしては一般的には値動きの法則が異なる債券ですが、金(ゴールド)も入れておきたい対象です。金は債券と違って金利収入は得られませんが、世界情勢の変化に強く、株安や紛争、テロなどが起きると安全資産として金を買う人が増えるため、逆に価値が上がることが多いのです。

国が破産し紙幣が単なる紙切れになっても、金の価値がなくなることは無いと考えられており、また金は鉱物ですから埋蔵量には限りがあり、供給過多による価値の暴落がないことから、世界中の中央銀行で準備資産として保有されています。

3-3.投資スタイルの分散

「キャピタルゲイン」は資産を売買することで得られる損益のことで、不安定(リスクが高い)ではあるものの大きな収益が期待でき、短期投資に向いています。一方、「インカムゲイン」は保有しているだけで発生する収入のことで、株式投資であれば配当、債券投資であれば利息収入に該当します。基本的にマイナスとなる可能性は低いものの(リスクは小さい)期待収益も小さく、長期投資に向いていると言えます。

これまで述べてきた時間や資産の分散投資は、基本的に長期投資を前提としたものです。しかし、30年の長期投資資金しか保有していなかったとして、もしタイミング悪く運用成績が悪い時に家族の問題などで急に資金が必要になったら、一部解約し強制的に損切りをして円資金を捻出しないといけません。

長期投資で一度運用資産を減らしてしまうと、複利効果も薄まってしまうのでなるべく解約は我慢したいところです。こういう時のために、予め解約することを想定し短期でキャピタルゲインを狙う資金があっても良いかもしれません。

ただし、キャピタルゲイン狙いの投資では投資のタイミングが非常に重要になってきます。基本は円預金で置いておきながら、チャンスがきたら投資するというくらいの余裕を持った運用スタイルにしましょう。

まとめ

基本的に分散投資はドローダウンを抑えることが一番の目的なので、長期運用をしているなかで大きなリスクイベントが発生するたびに効果を発揮するでしょう。しかし、投資を始めてから世の中のイベントを全く気にせず長期間放置することが出来る人は少ないかもしれません。

なぜなら、リーマンショックのような大きなショックイベントにより、分散投資といえども30%のマイナスを経験した人が、我慢して継続保有した結果その10年後にショックイベント前の残高に戻ったとすると、その時点で解約したくなるものだからです。

一般的に長期投資は途中で解約して出金したりすると複利効果が薄れるため、なるべく我慢ということが言われていますが、相場が長期間継続して右肩上がりとなることはなく、どこかで大きなショックに見舞われます。したがって、数年に一度、自分が高値と判断するタイミングで3割程度は利益を確定し現金化しておくという手法も有効です。

そうすることで大きなリスクイベントが発生しても、残った7割の資金を放置する余裕ができますし、一度出金した3割を良いタイミングで再投資することができれば、さらに大きなリターンに繋げることが可能となるのです。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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