クレジットカードの不正利用が発覚した際の対応と予防策は?

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クレジットカードには、カード不正利用検知システムなど、不正利用対策が施されています。ただし、それでも不正利用されてしまう場合はあるので、被害を受けた際の対応を把握しておき、万が一の時にすぐ動けるよう準備しておくのが大切です。

そこでこの記事では、クレジットカードの不正利用が発覚した際の対応と注意点、予防策について詳しくご紹介します。

クレジットカードを初めて発行するにあたってリスクを把握しておきたい方やクレジットカードのセキュリティを強化したい方などは、参考にしてみてください。

※この記事は2022年10月7日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
※本記事は情報提供を目的としており、特定サービスの利用を勧誘するものではございません。申込に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. クレジットカードの不正利用に気づいた場合の対応方法
    1-1.カード会社へクレジットカードの利用停止を依頼
    1-2.警察へ被害届を提出
    1-3.クレジットカードの再発行手続き
  2. クレジットカードの不正利用被害は補償してもらえる
    2-1.不正利用に気が付いた段階で不正利用補償の調査依頼
    2-2.要件を満たせば損害額を補償
  3. クレジットカードの不正利用被害を防ぐには?
    3-1.IDやパスワードの使いまわしはNG
    3-2.利用明細の定期的な確認
    3-3.パソコンやスマートフォンにセキュリティソフトを導入
    3-4.盗難されないよう管理は厳重に
    3-5.第三者へカード情報を提示しない
    3-6.本人確認書類を紛失しないよう厳重に管理
    3-7.街中ですぐにカードを取り出さない
  4. まとめ

1.クレジットカードの不正利用に気づいた場合の対応方法

クレジットカードの利用明細を確認した際、身に覚えのない請求を見つけて、不正利用に気付くというパターンが一般的です。

まずは、クレジットカードの不正利用に気づいた場合の対応方法を確認していきましょう。

1-1.カード会社へクレジットカードの利用停止を依頼

クレジットカードの不正利用を見つけた場合は、すぐにカード会社の専用デスクへ連絡し、利用停止の依頼を行うことが重要です。

早い段階でカードの利用停止措置が実行されれば不正利用の被害額を抑えられ、個人情報の抜き取りなどといった被害を避けられる可能性もあります。

クレジットカード会社で実施している利用停止措置とは、クレジット決済の利用を停止させる手続きのことです。

各カード会社では、カードの利用を停止させる措置に関する相談を受け付けています。調査の結果、不正利用被害が確認されればクレジット決済などの利用を停止してもらえる仕組みです。

たとえば、三井住友カードの場合は、カード会員専用サイトのVpassもしくは電話で利用停止措置に対応しています。楽天カードは、コンタクトセンター(電話)で対応しています。

専用サイトと電話で対応しているケースの他、電話対応のみのケースもあるので、カードの発行前に不正利用被害の問い合わせ方法や電話番号などを確認しておきましょう。

1-2.警察へ被害届を提出

カード会社へ利用停止措置の依頼を行ったあとは、警察へ被害内容に関する相談を行いましょう。

警察では、クレジットカードに関連した詐欺被害などの事案にも対応しています。不正利用被害を受けた場合、カード情報から個人情報などを抜き取られるリスクもあり、早急に警察へ被害届を提出しておくことが重要です。

相談の際は、最寄りの警察署へ直接相談、110番通報やサイバー犯罪相談窓口への連絡などといった方法を選べます。

1-3.クレジットカードの再発行手続き

クレジットカードの利用停止措置を実施してもらったあとは、再発行手続きを進めていきます。

利用停止措置を受けたカードは、クレジット決済を含む各種機能が無効となります。再度カードを利用するためには、カード会社で再発行してもらう必要があります。

再発行手続きの申込は、利用停止措置実行後に行うことが可能です。三井住友カードの場合は、カード会員向けサービスVpass内や電話で進められる仕様となっています。

クレジットカードや問い合わせ方法によっては再発行手数料がかかるため、事前に手数料の有無について確認しておくのも大切です。

2.クレジットカードの不正利用被害は補償してもらえる

クレジットカードの不正利用によって被った損害額は、補償してもらえる可能性があります。不正利用補償に関する制度は、どのカード会社でも定められています。

それでは、不正利用補償の手順やポイントについて確認していきましょう。

2-1.不正利用に気が付いた段階で不正利用補償の調査依頼

不正利用補償を受けるには、カード会社へ被害額などを調査してもらう必要があります。

調査依頼は、カードの利用停止措置に関する相談と同時に行うことが可能です。相談方法は、主に各カード会社の会員向けサービスサイトからの申込手続き、もしくは電話による問い合わせの2種類に分かれています。

2-2.要件を満たせば損害額を補償

カード会社で定められている要件を満たした場合は、不正利用によって被った損害額を補償してもらえます。

細かな要件については非公開です。カード会社によっては、不正利用補償の対象期間や対象者に関して公開している場合があります。

三井住友カードの不正利用補償は、カード利用停止に関する申込手続きを行った日の60日前までに受けた損害を補償してもらえるのが特徴です。補償の対象者はカード会員のみで、本人の家族や同居人、代理人による不正利用による被害は補償対象外とされています。

他にもセゾンカードの不正利用補償は、不正利用に関する連絡を行った日から61日前までに受けた損害が補償される規約です。

一般的に補償対象期間については、カード会社側で定められています。不正利用の発覚から時間を置かずにカード会社へ連絡することが、補償対象外となることを避ける上で重要なポイントといえます。

3.クレジットカードの不正利用被害を防ぐには?

クレジットカードの不正利用被害に遭わないためには、カードの利用や管理方法について日ごろから注意しておく必要があります。

ここからは、クレジットカードの不正利用されないための予防策について紹介します。

3-1.IDやパスワードの使いまわしはNG

クレジットカードの会員向けサービスを登録する場合、他のサービスで使用しているIDやパスワードを使いまわさないよう注意が必要です。

近年、クレジットカードの利用明細や個人情報の設定管理は、各カード会社提供の会員向けサービスで確認できるようになりました。

Webサービスやネットショップへ登録しているIDやパスワードをクレジットカード関連のサービスへ使用してしまうと、1つのサイトから情報流出やハッキングされた場合にクレジットカードのWebサービスへ不正ログインされる可能性が高まります。

さらにクレジットカードの会員向けサービスへ不正ログインされた場合、会員ページからカード番号を含む各種情報や個人情報を抜き取られてしまいます。

カード会員向けサービスを登録する時は、新たにIDやパスワードを作成しておきます。IDやパスワードを考える時は、1234などといった簡単な内容ではなく、複雑な並びに設定するのも重要です。

3-2.利用明細の定期的な確認

不正利用被害を受けたかどうか早く気付くには、日ごろから利用明細を定期的に確認しておくのが大切です。

クレジットカードの利用明細は、毎月郵送もしくはアプリやWebサービスへ送られています。記録されている内容は、利用金額や利用年月日、利用場所(利用ショップ)、合計の支払額などです。

利用明細を定期的に確認することで、身に覚えのない利用額や項目を早めに発見できます。

不正利用補償に関しては、利用停止措置の相談から約2ヶ月前までの被害に対して補償されます。利用明細を定期的に確認していれば、被害発生から2ヶ月以内に状況確認やカード会社への連絡を行うことが可能です。

アプリやWebサービス、郵送で利用明細を送付された場合は、ネットショップの購入履歴やレシートと照らし合わるなど、不正利用の痕跡がないか丁寧に確認していきましょう。

3-3.パソコンやスマートフォンにセキュリティソフトを導入

パソコンやタブレット、スマートフォンには、セキュリティソフトを導入しておくのも不正利用被害リスクを抑える上で欠かせません。

セキュリティソフトには、以下のような機能が搭載されています。

  • Webサイトに組み込まれているウイルスや不正プログラムの検知
  • 危険なサイトにアクセスしないようアクセスブロック
  • 端末で受信したメールのウイルスに関する検知
  • 外部からの不正アクセスなどを防ぐプログラム

フィッシング詐欺からカード情報やアカウントを守るには、セキュリティソフトが必要です。フィッシング詐欺は、企業や行政を騙ったメールやWebサイトにアクセスしたユーザーに個人情報や銀行口座番号、カード情報をなど提出させて、金銭などを盗むタイプの詐欺です。

フィッシング詐欺に騙されてしまうと、クレジットカードを不正利用されてしまう可能性があります。セキュリティソフトを導入および定期的に更新を行い、フィッシング詐欺を含むさまざまな脅威から端末や情報を守るよう日々気を付けるのが大切です。

3-4.盗難されないよう管理は厳重に

旅行や買い物が好きな方、出張の頻度が高い方、電車やバス通勤を行っている方などは、特にカードを盗難されないよう注意が必要です。

クレジットカードの不正利用被害には、盗難や紛失によって悪用されるケースがあります。盗難や紛失を防ぐには、以下のような点に気を付けましょう。

  • 電車やバスで寝ている間に盗難されないよう寝ない、体から離さない
  • 飲食店などで椅子の背もたれや少し離れた位置に貴重品を置かない
  • 飲食店などでお手洗いの際には貴重品を持ち歩く
  • 車の中に貴重品を置いたまま出歩かない

どうしてもカードを持ち歩いたり常に管理したりするのが面倒と感じる時は、キャッシュレスアプリへカードを登録することで、カードを自宅に保管したままスマホ経由でクレジット決済を行えます。

3-5.第三者へカード情報を提示しない

クレジットカードやカード情報の盗難事例には、企業や公務員を名乗る人物による詐欺に巻き込まれるケースもあります。

具体的には、銀行協会の職員や警察官、百貨店社員を名乗る人物から電話で「詐欺被害に遭っている可能性がある」などという話を聞かされ、自宅の住所を求められます。その後は、自宅へ訪問してきた人物からクレジットカードやカード情報などの提出を求められるので、応じてしまうとカードの不正利用や預金の盗難などといった被害につながります。

銀行協会の職員や警察官、クレジットカードの加盟店従業員、百貨店社員などは、対面や電話で個人情報やカード情報を聞いたりクレジットカードやキャッシュカードなどの提出を求めたりすることはありません。

第三者へカード情報や個人情報、銀行口座の番号、さまざまなサービスのパスワードやIDを伝えないようにすることが、不正利用や個人情報抜き取りの被害に遭わないために必要な行動です。

3-6.本人確認書類を紛失しないよう厳重に管理

本人確認書類を紛失しないよう丁寧かつ厳重に管理しておくことが、クレジットカードの不正利用リスクを抑える上で重要なポイントの1つです。

ローンや賃貸の入居申し込み手続き、クレジットカードの新規申込手続きなど、さまざまな手続きで必要になるのが、本人確認書類です。

本人確認書類を紛失もしくは盗難されてしまった場合、第三者に悪用されてしまう可能性があります。具体的には、自身の本人確認書類でクレジットカードの新規申込手続きを進められ、万が一審査に通過してしまうとそのまま不正利用される仕組みです。

さらに銀行口座の番号まで知られていると、自身の口座から不正利用分の請求額を引き落とされてしまいます。

万が一本人確認書類を紛失もしくは盗難された場合は、速やかに警察と書類の発行元、信用情報機関へ相談することで、被害の拡大防止へ向けて動いてもらえます。

3-7.街中ですぐにカードを取り出さない

クレジットカードを外出先で利用する時は、決済手続きなど使用の必要な状況以外に取り出さないよう日頃から意識しておきましょう。

スキミングと呼ばれる犯罪では、カードの情報を端末で不正に読み取られます。特に従来の磁気ストライプ型カードは、スキミングで読み取られやすい状況です。

各カード会社は順次ICチップ搭載のカードへ切り替えているので、スキミング対策が進んでいます。ICチップ搭載カードは、磁気ストライプ型よりセキュリティの強化された仕様です。

しかし、100%スキミング被害を受けないということではありません。カード番号を盗み見られたりスキミングされたりしないよう、クレジット決済の必要な場面以外でカードを取り出さないよう注意が必要です。

なお、ナンバーレスカードについては、氏名やカード番号などが記載されていません。カード情報はアプリに登録されているので、第三者から盗み見られずに活用できます。三井住友カードが提供するナンバーレスカードや、セゾンカードデジタルなど、複数のカードが発行されています。

まとめ

クレジットカードの不正利用に気付いた場合は、すみやかにカード会社へ利用停止の依頼を行うことが必要です。また、警察への被害届提出とカード会社への不正利用補償に関する相談を行うことで、被害拡大の防止やサポート、損害額に対する補償を受けられます。

加えて、ナンバーレスカードを利用することで、カード番号を盗み見られるリスクを軽減できます。セキュリティを重視したい方は、合わせて検討すると良いでしょう。

クレジットカードを初めて発行する方やクレジットカードの管理方法についてよく分からない方は、今回紹介した内容を参考にクレジットカードの利用について検討してみてはいかがでしょうか。

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菊地 祥

FP3級技能士、投資信託4年目、株式投資8年目。2018年からフリーランスとしてwebライティングやメディア運営を行っています。また、webライターとしては株式投資や投資信託などをやさしく解説。