クリアル株式会社(以下、クリアル)は、情報収集・資金調達などの不動産投資に関わる様々な障壁を簡略化し、1万円から手軽に大型不動産への投資を可能にする、不動産投資クラウドファンディングサービス「CREAL(クリアル)」の投資家登録の受付を2018年11月13日より開始しました。
第1号案件は浅草エリアに位置する新築ホテルへの投資案件となり、CREALでの調達予定総額は8.8億円となります。不特法に基づくクラウドファンディングサービスでは最大の募集案件となります。(2018年11月12日当社調べ)
今回HEDGE GUIDE編集部は、そんなサービスを開始したばかりのクリアルの代表取締役である横田 大造氏にお話をお伺いしてきました!
話し手:クリアル株式会社 横田 大造氏
- 2000年、アクセンチュア株式会社入社。2005年、オリックス株式会社にて不動産ファイナンス業務に従事した後、2007年、ラサールインベストメントマネージメント株式会社にて、オフィス、レジデンシャル、商業施設等への投資業務に携わる。2011年、株式会社新生銀行に転職し、病院や介護施設を担保としたノンリコースローンファイナンス業務に従事する一方、ヘルスケアREITの企画・設立を担当。投資運用部長として物件取得業務を統括する。2017年4月よりクリアル株式会社の経営に参画し、代表取締役社長に就任。グループの不動産テック事業およびヘルスケア開発ファンド事業の責任者として各種新規事業を牽引。早稲田大学政治経済学部卒。
インタビュー概要
- CREALとは?
- CREALの情報開示へのこだわり
- 8.8億円募集の第1号案件について
- 元本割れを防ぐためのリスクヘッジ
- 今後の取り組みについて
- 不動産投資クラウドファンディングを今後検討している方へメッセージ
- 編集後記
1. CREALとは?
Q: CREALのサービスについて教えてください
実際に不動産投資を行っている感覚そのままに、契約実務や不動産管理をインターネットで簡略化したサービスです。不動産投資における必要情報を明確(クリア)にした、本物(リアル)の不動産クラウドファンディングサイトです。
Q: CREAL開始のきっかけを教えてください
もともと私は、新生銀行で病院や介護施設を担保としたノンリコースローンファイナンス業務を担当していました。当時はヘルスケア部門の機関投資家が少なく、リーマンショック後で賃料収入などの変動もなかったのにも関わらずなかなか投資が進んでいませんでした。一方で、そういった施設の社会的なニーズは引き続き高い状況なんですよね。少子高齢化で需要が増えていて、新規の入居希望のお客さんが待っている状態です。さらに、安定したキャッシュフローも期待できるという投資家さんにとってもメリットがあります。しかしそれでもなぜ、投資が進まないのかと考えたときに、流動性がないのではないかと思ったんです。つまり、出口戦略が描きにくいということです。
そんなときに、勤めていた新生銀行でヘルスケアREIT事業の立ち上げの担当となりました。ヘルスケアREITの出現により老人ホームというアセットの流動性が増したはずなのですが、それでもまだ機関投資家主導の老人ホーム開発はなかなか進みませんでした。なぜかというと、機関投資家にとって10億円ぐらいの投資案件は規模が小さく、投資規模の効率を考えるとやらないんですよね。また、投資アセットとしての歴史も深いため、多くの機関投資家は老人ホームや病院への投資はやりたがらないんです。そういった「社会的には必要だがなかなか資本が集まらない」という領域が多くあり、それではもったいないということで、安定したクラウドファンディングのサービスで「不動産投資を民主化し、眠るお金を呼び覚まし、社会をよくする」というミッションのもと、CREALを開始しました。
Q: JリートとCREALの違いを教えてください
どちらも一般の不動産投資と比較して、少額で投資ができる方法ですので、違いがわかりにくいという声をいただくこともあります。違いを簡単にご説明すると、Jリートは4〜5%の利回りがありますが、Jリートマーケットも株式マーケットに影響されやすいという特徴があります。つまり、投資したリート株式が株式マーケットに連動し、結果として投資した元本が大きく上下するハイリスクハイリターンになってしまうという傾向があります。
一方、CREALも利回りは同じく4%程度ですが、こちらは分配の原資が投資物件の賃料なので毎月分配を受けることができ、また不動産の価格は日々刻々と変動するような性質のものではなく、緩やかに変化していくものです。株価や経済情勢の変動を受けにくいので安定したリターンを得られるという特徴があります。また、優先劣後構造の採用により、劣後部分に当社が一定の出資をすることで、運用終了時にキャピタルロスが一定範囲であれば投資家の皆様の元本が戻ってきます。
あとはJリートの場合、投資判断はポートフォリオのアセット数を考慮すると時間を要してしまいます。また、投資家自身でポートフォリオを構築できるわけではないので、不動産に直接投資しているという実感がありません。一方で、CREALのサービスは、1物件単位で募集しているのでご自身でポートフォリオをつくれます。また物件の情報も動画、イラストを用いてわかりやすいよう公開しており、「顔が見える投資」を実現しています。
2. 情報開示へのこだわり
Q: 案件の情報掲載に関するこだわりを教えてください
- 掲載写真の枚数
- 動画やイラストでの説明
- 第三者が出しているドキュメント
- オペレーターさんの実績を公開
- 周辺のマーケット状況など
投資する際に、投資物件を誰が運営しているかというところが非常に重要だと思っているので、時間のない投資家の方々が知りたい情報を、代わりに当社がインタビューしています。たとえば今回の第1号案件の浅草のホテル「ホテルアマネク 浅草吾妻橋スカイ」の場合、ホテルのオペレーターであるアマネクさんに協力してもらい、なかなか入って見ることのできない内部共有部や居室の質や特徴などを動画やイラストで説明を加えています。
また、実際にアマネク社長様とのインタビューや、ホテル支配人様のホテルへの想いなどを取材したりもしています。その他にも、ホテルで起こった出来事やイベントごとのレポート、稼働率などのデータ情報まで公開する予定です。不動産投資をする方はそういった手触り感も求めている方が多いと思うんです。
浅草エリアのホテルの競合ホテルの稼働率データなど投資判断に役立つ情報も合わせてサイト上に載せているので、投資の際の検討材料にすることが可能です。当社の案件は、できる限りの情報を公開しています。物件の写真の枚数も多めに用意することはもちろんですが、他社さんでは載せていない地図や物件の図面も公開しています。これと合わせて当社の一方的な発信ではなく、鑑定評価だったり建物の診断書だったり第三者からのレポートも開示しているというのが特徴です。
オペレーターさんも「本来であれば情報開示は避けたい」というところが多い中で、どこまで説得して情報を出せるかが大事だと考えています。物件によって情報開示できる範囲は異なるので、もし投資家さんから公開していない物件情報の問い合わせがあったときは個別のご案内になる場合もあります。セミナーも今後増やしていきたいと思っているので、そういう場で極力開示していきたいとは思っています。
3. 8.8億円募集の第1号案件について
Q: 今回の第1号案件の平均の投資額はどのくらいでしょうか
平均はおよそ30万円くらいです。大口の方ですと数千万円の方もいます。
Q: 現段階で残り10日ですが(2018年12月17日時点)あとどのくらいで締め切りになりそうですか?
おそらくこのペースだと今週末くらいではないでしょうか。1日6千万円〜7千万円くらいずつの投資額をいただいています。今、クラウドファンディングやソーシャルレンディングの世界では物件の販売開始とともにいかに素早く購入申し込みができるかという「クリック合戦」が問題になっていますよね。当社の物件では、金額を上げることでもっと多くの方に投資のチャンスを提供したいという想いがあります。
今後、1週間くらいで集められる1〜2億円のミドルレンジの物件も、出していきたいと考えています。大型物件は2か月に1回のペースで、ワンルームマンションのような物件は、週1本のペースで月4件くらいを予定しています。
Q: 投資の際に別途の費用はかかるのでしょうか
入出金時の手数料はかかってしまいますが、それ以外はかかりません。なお、配当金の分配には源泉徴収税を控除しております。
4. 元本割れを防ぐためのリスクヘッジ
Q: 運用終了時の元本割れのリスクやその対策について教えてください
運用終了時に物件の売却価格などを含め損失が出た場合には、元本割れのリスクが発生する可能性があります。ただ、全ての案件について当社が共同出資しており、一定の範囲で当社が優先的に損失を負担するという優先/劣後方式を採用しております。また、そもそもそういったことが起こらないように、第三者の査定評価や内部の投資委員会で厳選に審査された物件のみを取り扱っています。
Q: もしオペレーターさんが倒産した場合、どのようなリスクヘッジがあるのでしょうか
仮にオペレーターさんが倒産した場合は、賃料の原資がなくなってしまうので別のオペレーターさんを探さなければなりません。一方で、当社子会社がマスターリースとして入っており、実質的な賃料保証を行っておりますので投資家の皆様へ変わらず毎月配当が可能です。
そのような万が一オペレーターさんにクレジットイベントが発生した場合でも、当社の投資案件は、物件自体の見極めに力を入れていますので、代替のオペレーターさんを見つけることができるというのがポイントです。たとえば今回の第1号案件の場合は、そもそもの需要の強い浅草立地という点、新築という点を含めた物件自体の訴求力も高いということを考えますと、代替オペレーターをすぐに見つけることができると考えています。
Q: 今後、高い利回りの物件がでる可能性はあるのでしょうか
可能性としてはなくはないですが、都心立地で安定して売却できるというのを考えると、どうしても4%~5%がメインとなるのではないでしょうか。今後投資家の幅が広がり、ハイリスクハイリターンを受け入れる需要が増えれば、バラエティに富んだアセットも出していきたいと考えてはいますが、やはり安定して投資のリターンを得られるようにすることが大前提です。
5. 今後の取り組みについて
Q: 2020年に向けての不動産投資の展望
不動産に限らず景気というのはトレンドなので、上下幅は必ずあります。重要なのは「伸びているものに投資をすること」です。例えば、人口増加が予測される東京都心部のコンパクトレジデンス投資、高齢化社会における病院・老人ホーム施設投資、国内外旅行者が増加する中での宿泊施設投資が一例として挙げられます。
安定的リターンを生むためには、伸びている市場に投資することが大原則です。個人的な見解としては、2020年のオリンピック後というより2020年前の消費税の増税の方が影響が大きいのではないかと思います。
Q: 10年後、20年後のビジョンを教えてください
当社では、不動産投資のハードルを下げて、多くの方にこのCREALを利用してもらいたいと考えております。新しい資産運用のきっかけとして未経験層の方々に広く浸透させたいというのが最大の目標です。まだ不動産投資を始めていない方々の投資を始めるきっかけになるためには、内容をもっと噛み砕いてわかりやすくする必要があります。クラウドファンディングサービスをスマホでできるアプリケーションをつくり、パッケージ化するところまでやりたいです。
そしてただ不動産投資として当社のサービスを利用してもらうだけではなく、CREALで社会に資産運用という習慣を根付かせ、世の中に必要とされているが資本が行き届かない領域へ、資本を巡らす導管としての役割・社会的意義を果たしたいと考えています。そのようなビジネスをひとつでも多く実現していきたいと思っています。
6. 今後不動産投資クラウドファンディングを検討している方へメッセージ
ソーシャルレンディングやクラウドファンディングで問題になっているのは投資対象が見えないということです。自分自身が何に投資をしているのか見極めて判断をし、投資の実態をつかむことが大事です。
あとはクラウドファンディングサービスの提供事業者です。事業者が倒産してしまうとお金を取り戻すのに時間がかかってしまいます。誰と、何に投資をしているのか。投資商品と事業者の2点はしっかり確認しなければいけません。
そして「利回り」だけに踊らされてはいけないと思っています。利回りが高いとリスクもそれだけ高いので、リスクとリターンはトレードオフの関係にあるというところが鉄則ですので、そこは肝に命じることが大切です。
7. 編集後記
今回のインタビューで感じたのは、代表の横田氏のキャリアや投資観の一貫性です。新生銀行時代に病院や介護施設を担保としたノンリコースローンファイナンス業務を担当していた経験があるからこそ、“伸びる市場”がわかり、今のCREALのサービスで社会的な物件を扱うことにもつながっています。また、そのチャンスを広げるために惜しみなく情報開示をしているため、投資初心者の方でも取り組みやすくなっています。
オープンな会社さんなので、サイトに情報がないからといって諦めず、わからないことや知りたいことがあれば個別にお問い合わせをしてみることもおすすめです。
また、12月3日から12月27日までは「CREALオープニングキャンペーン」が開催されており、期間中に合計10万円以上の投資申込をした場合に、プレゼント額100万円を上限として、投資申込額が10万円以上30万円未満の方は1%、投資申込額が30万円以上の方は2%がもれなくプレゼントされます。
不動産投資やクラウドファンディング投資を検討されている方は、ぜひこの機会に始めてみてはいかがでしょうか?
サイト名 | CREAL | |
URL | https://creal.jp/ | |
運営会社名 | クリアル株式会社 | |
本社所在地 | 東京都港区新橋二丁目12番11号 新橋27MTビル8階 | |
設立 | 2011年 | |
代表取締役 | 横田 大造
宅地建物取引士、不動産証券化協会認定マスター、医療経営士 2000年、アクセンチュア株式会社入社。2005年、オリックス株式会社にて不動産ファイナンス業務に従事した後、2007年、ラサールインベストメントマネージメント株式会社にて、オフィス、レジデンシャル、商業施設等への投資業務に携わる。2011年、株式会社新生銀行に転職し、病院や介護施設を担保としたノンリコースローンファイナンス業務に従事する一方、ヘルスケアREITの企画・設立を担当。投資運用部長として物件取得業務を統括する。2017年4月よりクリアル株式会社の経営に参画し、代表取締役社長に就任。グループの不動産テック事業およびヘルスケア開発ファンド事業の責任者として各種新規事業を牽引。早稲田大学政治経済学部卒。 |
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資本金 | 100,000,000円 | |
上場有無 | 未上場 | |
サービス開始年月 | 2018年11月 | |
参考利回り | 4%~5%(※運用2年目から利回り6%の案件あり) | |
投資金額 | 1万円から | |
運用期間 | 18ヶ月~24ヶ月程度(案件により異なる) |
※2019年8月時点の情報となります。最新情報に関しては上記サイトを御覧ください。
【関連サイト】CREAL[PR]
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