「CRE Funding」は物流不動産案件を専門に取り扱うソーシャルレンディングサービスです。まだ比較的新しいサービスであるため、どのような実績があり、投資の際にどのような点に注意すべきか、気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、これまでCRE Fundingはどれほどの募集実績があるのか、またCRE Fundingが扱う物流不動産案件に投資するときの注意点についてお伝えしていきます。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- CRE Fundingの概要
1-1.FUEL株式会社と株式会社シーアールイーが運営するソーシャルレンディング
1-2.物流不動産案件を専門に扱う
1-3.マスターリースと保証が設定されている - CRE Fundingの実績
2-1.案件募集の実績(2021年5月時点)
2-2.貸し倒れや返済遅延の発生はない(2021年5月時点) - CRE Fundingに投資するときの注意点
3-1.利回りは他ソーシャルレンディングより低い
3-2.運営不動産の流動性は低め - まとめ
1.CRE Fundingの概要
CRE Fundingは、東証プライム上場のCREグループが運用するオンラインファンドです。金融・不動産等の専門家による審査・モニタリングを行うことで、これまでプロしか扱えなかった物流不動産への投資機会を個人の投資家に提供しています。
投資額は1万円から、ファンドの運用期間は9ヶ月~12ヶ月程度、利益の分配は3か月毎となっています。また、CRE Fundingの利回りは2.5%~4%程度と他サービスと比べてやや低めですが、その代わりに、株式会社シーアールイーによるマスターリースや保証、物件の担保などが設定されています。これにより、投資家側は元本毀損リスクをおさえて投資を進めることができます。
1-1.FUEL株式会社と株式会社シーアールイーが運営するソーシャルレンディング
CRE Fundingは、FUEL株式会社と東証プライム上場の不動産会社と株式会社シーアールイーが運営を行っているソーシャルレンディングです。
株式会社シーアールイーは、倉庫などで物流不動産の運営を行っている不動産会社であり、東証プライムに上場している大規模な会社です。
一方、FUEL株式会社はソーシャルレンディングのシステムの運用やマーケティング、株式会社シーアールイーは募集案件の組成を行っています。CRE FundingはFUEL株式会社が行なうソーシャルレンディングプラットフォームの運営の第1号となっています。
このように、CRE Fundingは2社のノウハウを組み合わせて運営されているソーシャルレンディングサービスであることが分かります。
1-2.物流不動産案件を専門に扱う
株式会社シーアールイーは、倉庫を中心として物流不動産を専門に開発・運営している不動産会社です。このような背景もあり、CRE Fundingで取り扱う不動産案件は、全て日本にある物流不動産の取得、運営案件となっています。
物流不動産はインターネット通販の市場が伸びている昨今、市場における重要度を増しており、開発物件の面積も店舗不動産より物流不動産の方が拡大傾向にあります。
また、新型コロナウイルスの感染拡大が収束していない2021年5月時点、物流不動産を投資対象とする注目度も上がっています。株式会社シーアールイーが運営する不動産投資信託(REIT)銘柄でるCREロジスティクスファンド投資法人(3487)の価格変動を見てみると、新型コロナウイルスの影響により2020年2月頃に一時的に値を下げましたが、長期的にみて上昇傾向となっています。
一方でREIT市場全般の価格推移を示す東証REIT指数は、2021年5月時点でコロナ禍以前の値までには戻していません。
この二つの違いの一因として、東証REITにはホテルや商業施設なども含まれていることが考えられます。
ホテルや商業施設などの収益不動産は新型コロナウイルスの感染対策によって休業・営業自粛などを行った影響が大きく、収益減少の懸念が大きい投資対象となっています。
一方、個人宅への配送など、物流不動産の運用は人と人の接触機会を減らす感染対策においても効果的であり、需要減のリスクが比較的に低いことから投資対象としての注目度を上げたと予想されます。
1-3.マスターリースと保証が設定されている
CRE Fundingの特徴は、物流不動産を扱っていることだけではなく、投資家の資産保全対策も特徴的です。
CRE Fundingが2021年5月までに募集した案件には、全案件に家賃保証と売却時の保証が設定されています。
株式会社シーアールイーが取得した物流不動産は、他社に転貸することで空室の有無にかかわらず、一定の家賃収入を得ており、その賃料収入を投資家に配分します。このような契約をマスターリースと言い、第三者へ転貸することを前提とした賃貸借契約が締結されています。
また、取得した物流不動産は案件の運用終了後の売却時にも投資家の出資元本を返済できるように、株式会社シーアールイーが売却価格に保証を設定しています。
このような投資家の資産保全対策を行っていることから、投資家は低リスクに配当金を得られる可能性が高く、また元本を回収しやすくなっている特徴があります。
2.CRE Fundingの実績
2020年2月に案件の募集を開始したCRE Fundingの、2021年5月時点までの期間での募集実績を確認してみましょう。
2-1.案件募集の実績(2021年5月時点)
約1年間のソーシャルレンディングの募集の中でCRE Fundingの実績は以下のようになっています。
- 募集案件数:10件
- 累計募集金額:8億5,800万円
2億円を超える大型の案件も含まれていますが、募集開始後すぐに満額に達しています。ただし、2021年は4月、5月と募集がないため、募集頻度は高くない点に注意が必要です。
2-2.貸し倒れや返済遅延の発生はない(2021年5月時点)
CRE Fundingの案件の運営実績ですが、貸し倒れや返済遅延が発生した案件は1案件もありません。 投資家に対して出資元本の返還と配当金を提供することに成功しています。
3.CRE Fundingに投資するときの注意点
次に、CRE Fundingで投資をする時にはどういう点に注意をするべきか、ポイントごとに確認をしていきましょう。
3-1.利回りは他ソーシャルレンディングより低い
CRE Fundingの案件の利回りは年利2%~3%前後となっており、他のソーシャルレンディングよりもやや低い数字となっています。
例えば2021年5月時点で1,000億円以上の募集規模がある大手ソーシャルレンディングの「クラウドバンク」では利回りが6~7%という案件もあります。
また、収益不動産を扱う「LENDEX」では、利回りが8%を超える案件も見られています。
CRE Fundingの収益性に関しては、これらのソーシャルレンディングよりやや低い水準であると言えるでしょう。ただし、マスターリースによる家賃保証、そして売却保証があるという、他のソーシャルレンディングにはないメリットもあります。
総じてCRE Fundingは、ローリスク・ローリターンという特徴を持っていると言えるでしょう。また、時折開催されるキャンペーンを利用すれば、利回りをアップさせることもできるため、キャンペーン情報を確認しておくことも大切です。
3-2.運営不動産の流動性は低め
物流不動産の特徴として、不動産としての流動性が低い点が挙げられます。
物流不動産を売ろうとしても、居住用不動産と違い購入先は物流不動産を運営する不動産会社などに限られます。また、物流不動産は設備や敷地面積が多く、売買価格も高額になってきます。
このような事情から、売却先が限られることで流動性が低く、現金化には時間がかかることが懸念されます。さらに、新型コロナウイルスの影響が収束したアフターコロナにおいて、物流不動産の需要がどのように変化するのか、未知数である点にも注意しましょう。
まとめ
CRE Fundingのこれまでの募集実績と、物流不動産に投資するときの注意点をまとめてきました。共同運営のFUEL株式会社は複数のソーシャルレンディングの運営を行っており、CRE Fundingはその第1号として実績を積み重ねています。
CRE Fundingは物流不動産を扱いながら、全案件にマスターリースによる資産保全対策を行い、比較的ローリスク・ローリターンな案件への投資を提供する特徴的なソーシャルレンディングサービスです。
利回りがもの足りないと感じる人は、他のソーシャルレンディングと併用して分散投資を検討したり、キャンペーンを利用したりして、リスクとリターンのバランスをとることも検討してみると良いでしょう。
HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム
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