近年目覚ましい発展を遂げている中国は、その動向が常に注目される経済大国です。そして、今後のさらなる発展と成長が見込まれていることから、中国株への投資が人気を集めており、中国株の投資に興味を持っている方も多数いらっしゃると思います。
そこで今回は、中国株に投資をするメリットとデメリットや中国株を購入できるネット証券会社を紹介したいと思います。
※2022年7月20日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
目次
- 中国株の特徴
1-1.各証券取引所で取り扱う株式銘柄や取引通貨の種類が異なる - 中国株に投資するメリット
2-1.値動きが大きい
2-2.経済が拡大すると見込まれている
2-3.配当金が高い - 中国株に投資するデメリット
3-1.日本では情報を得にくい
3-2.国の政策の影響が大きい
3-3.外国株特有のリスクがある - 中国株を購入可能な証券会社
4-1.マネックス証券
4-2.SBI証券
4-3.楽天証券 - まとめ
1.中国株の特徴
外国株を購入するのは、日本株を購入するのとは少し勝手が異なります。特に中国株は他の国の株式よりも特徴的といえます。というのも、中国には以下の3つの証券取引所があり、それぞれで銘柄や取引通貨などが異なるからです。
- 上海証券取引所
- 香港証券取引所
- 深セン証券取引所(センは土ヘンに川)
最も規模が大きい取引所が「上海証券取引所」です。特に、中国国内の大企業の銘柄が多く集まっているのが特徴です。
次に規模が大きい取引所が「香港証券取引所」です。アメリカの影響を受けやすいといわれており、流動性と透明性が高いため、世界基準に近い証券取引所といえます。また、外国人投資家でも自由に投資ができるため、中国株に投資する日本人投資家に最も人気がある証券取引所となっています。
最も規模が小さい取引所が「深セン証券取引所」です。日本のマザーズやジャスダックのように、ベンチャー企業の株式銘柄を多く取り扱っています。
1-1.各証券取引所で取り扱う株式銘柄や取引通貨の種類が異なる
これら3つの証券取引所の大きな特徴として、取り扱う株式銘柄や取引に使用する通貨が異なるということが挙げられます。
上海と深センではA株とB株
中国本土にある上海証券取引所と深セン証券取引所では、それぞれ「A株」と「B株」を取り扱っています。
A株・B株はどちらも中国本土の企業の株式銘柄です。かつてA株はA株市場で中国人投資家のみが取引可能で、B株はB株市場で外国人投資家でも取引可能という決まりになっていました。しかし現在では制度が変更され、外国人投資家でも上海A株市場で一部銘柄に投資できるようになっています。
そして、どちらの証券取引所でもA株は人民元で取引を行います。一方、上海証券取引所のB株は米ドルで、深セン証券取引所のB株は香港ドルと、それぞれ外貨建てにて取引を行う決まりになっています。
また、上海証券取引所では「上海総合指数」、深セン証券取引所では「深セン総合指数」といったそれぞれの指数を発表しています。
香港では香港株とH株とレッドチップ
一方、香港証券取引所では、「香港株」「H株」「レッドチップ」を取り扱っています。
香港株とは、香港の企業や香港証券取引所に上場している外国企業の銘柄を指します。
また、H株は中国本土で登記され香港証券取引所に上場している企業の銘柄、レッドチップは中国本土以外で登記された中国資本の企業で、香港証券取引所に上場している銘柄を指します。
さらに、すべての取引は香港ドルで行われる仕組みになっており、それぞれ「香港株ハンセン指数」「H株指数」「レッドチップ指数」という指数を発表しています。
2.中国株に投資するメリット
それでは、中国株に投資をするメリットについて紹介していきましょう。
具体的には以下のようなメリットがあります。
- 値動きが大きい
- 経済が拡大すると見込まれている
- 配当金が高い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1.値動きが大きい
中国株に投資をするメリットの一つは、株価の値動きが日本株に比べて大きいということです。特にスイングトレードなどの短期的なトレードをメインに行っている方にとっては、利益を狙いやすいといえます。
ある程度の投資経験があって値動きを予測することができ、すぐに注文を出せる環境が整っているのであれば、中国株に注目してみるのも選択肢の一つです。
ただし、値動きの大きさは損失のリスクも大きくするため、投資判断は慎重に下すようにしましょう。
2-2.経済が拡大すると見込まれている
中国の経済が今後も拡大していくと見込まれているのも、中国株に投資をするメリットといえます。
中国の経済は、かつて世界の工場と呼ばれていたように、海外企業の製品製造を安く請け負ってきた歴史がありました。しかし、近年では中国企業が自ら製品やサービスを提供するようになっており、特にIT分野やAI分野の成長には目を見張るものがあります。
そして中国経済の成長傾向は今後も続くと期待されているため、株価も同様に上昇していくと考えられています。いわば、中国株には割安でかつ成長性が高い銘柄が多いといえるので、さまざまなトレード手法で利益を上げやすい状況にあるといえます。
2-3.配当金が高い
中国株の配当金が高いということも投資をするメリットです。
米国株と同様に、中国株は日本よりも高配当な株式銘柄が多いという特徴を持っています。銘柄によっては5%程度の高配当を期待できるものもあります。
また、香港証券取引所に上昇している株式銘柄に関しては、配当金に対して税金が発生しないため、その魅力はさらにアップします。
長期的な投資を考えている方にとっても、中国株投資はメリットが大きいのです。
3.中国株に投資するデメリット
一方、中国株に投資する場合、以下のようなデメリットもあります。
- 日本では情報を得にくい
- 国の政策の影響が大きい
- 外国株特有のリスクがある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1.日本では情報を得にくい
中国株に関する情報を得にくいというのがデメリットの1つです。
インターネットの普及により、海外ニュースなどの情報を得やすくなった現在ですが、各株式銘柄の情報となると、なかなか情報が入ってこないというのが現状です。また、投資先の製品を確かめてみたり、企業を訪問したりするのは、日本株ならできても中国株となると難しくなります。
そのため、少ない情報を頼りにしたり、証券会社が出している情報をこまめにチェックしたりする必要があります。
3-2.国の政策の影響が大きい
中国株は国の政策の影響が大きいというのもデメリットといえます。
中国は共産党による一党体制で運営されています。民主主義国家ではなく、中国政府の一存によって大きく政策が変更されることもあり、民間企業への介入などで経済に大きく影響する可能性があるというのが、中国の特徴の1つともいえます。
そのため、中国株に投資をする場合は、中国政府がどのような経済政策を取っているのか必ずチェックする必要があります。さらに、アメリカとの貿易交渉が中国経済に与える影響もあるため、国際的なニュースも随時入手していく努力が必要になるといえます。
3-3.外国株特有のリスクがある
外国株投資特有のリスクが発生するというのも、中国株投資のデメリットです。
中国株は外国株であり、かつ新興国株であるという特徴を持っています。そのため一般的には以下のようなリスクがあります。
- 価格変動リスク
- 信用リスク
- 流動性リスク
- 為替変動リスク
- カントリーリスク
- 情報開示リスク
特に、「為替変動リスク」「カントリーリスク」「情報開示リスク」には注意が必要です。
中国株投資では、人民元での取引に加え米ドルや香港ドルでの取引も行われます。そのため、利益や損失に為替が影響することになります。
また、先述したように中国株は中国政府の政策の影響を受けやすいといえます。これが、中国株のカントリーリスクとなります。
外国株式の情報開示や株価変動の仕組みは、それぞれの国の法律や制度によって定められています。そのため、日本のものとは異なるケースがあることを理解しておきましょう。例えば、日本で民事再生法が適用された企業の場合、一定期間の猶予があってから上場廃止となりますが、中国株を取り扱う取引所では突然上場廃止になって取引ができなくなります。
また、企業内容の情報開示が行なわれないケースがありますので、投資に必要な情報を得られないこともあるでしょう。
中国株を取り扱う場合、このようなリスクが常に発生することを頭に入れておく必要があります。
4.中国株を購入可能なネット証券会社
中国株に投資をするためには、中国株を購入可能なネット証券会社を通じて取引を行うことになります。そこで、中国株を購入できるネット証券会社以下3社を紹介したいと思います。
- マネックス証券
- SBI証券
- 楽天証券
4-1.マネックス証券
マネックス証券の特徴は、取引できる中国株が多いということです。現在、香港証券取引所に上場している2,000銘柄以上の中国株を取り扱っており、上場するほぼすべての銘柄をカバーしています。
また、取引手数料は約定金額の0.275%(税込)に設定されています。これは中国株を取り扱うネット証券のなかでも最安水準となっています。さらに、円を香港ドルに両替することなくそのまま取引に利用することができるのもうれしいポイントです。
4-2.SBI証券
SBI証券では香港証券取引所に上場している1,300以上の銘柄を取り扱い、取引手数料も約定金額の0.286%(税込)と低く設定されているので、中国株投資を始めやすい環境が整っています。
また、楽天証券同様にNISA口座での取引にも対応しているほか、香港ドルによる外貨決済と日本円での円貨決済に対応しているため、自分の希望やスタイルに合わせて選択することができます。
4-3.楽天証券
楽天証券も香港証券取引所の約1,040銘柄、上海証券取引所A株市場の約250銘柄と豊富に銘柄を取り扱っているのが特徴です。
また、日本円でそのまま注文できる気軽さに加え、NISA口座でも中国株取引ができるので節税効果も期待できます。さらに、取引手数料の1%を楽天スーパーポイントでポイントバックしてくれる楽天ならではのメリットもあります。手数料も最低550円からと安価な水準です。
4-4.SMBC日興証券
SMBC日興証券では、「日興イージートレード」を申し込んだユーザーのみ中国株の取引が可能です。香港証券取引所でのリアルタイム取引ができる点が特長となっています。
取次手数料は最低55香港ドル(税込)、外国手数料等が最低で25香港ドルで、200万香港ドル未満の取引では上記3社に比べると割高な点はネックです。
4-5.岡三オンライン
岡三オンラインでも、一部中国株を取り扱っています。ただし銘柄数は上記に比べて少なく、手数料も1.1%(税込)と高めです。
まとめ
今回は中国株に投資をするメリットやデメリット、中国株を取り扱う証券会社などについて解説しました。
中国株は値動きが激しいため、短期的なトレードで利益を狙う方に向いた投資先といえます。また中国の経済成長による株価の上昇期待も魅力の一つです。ただし、中国・外国ならではのリスクもあるため、始める際にはよく相場環境などを調査しておきましょう。
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山本 将弘
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