株主優待は、企業が株主に対して自社製品や金券、優待券などを贈呈する制度で、上場企業の約40%が実施しています。有名な飲食店を数多く経営する東証2部上場企業のアトムも株主優待を実施する企業の1つです。
アトムの株主優待では、同社などが経営する飲食店などで使用できる株主優待ポイントが入手できるので、外食の多い方に嬉しい内容です。今回は2022年度のアトムの株主優待について内容の詳細や配当、注意点などを紹介しますので、銘柄選びの参考にしてください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年2月21日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
目次
- アトムの株主優待の内容
- 株主優待ポイントの贈呈
- アトムの配当の内容
- アトムの業績の内容
- アトムの企業情報
- アトムの株主優待を受ける場合の注意点
6-1.外食産業のため新型コロナウイルス感染症の影響を強烈に受けている
6-2.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
6-3.権利付最終日での購入には注意
6-4.元本を毀損する可能性がある - まとめ
1.アトムの株主優待の内容
銘柄 | アトム |
コード | 7412 |
優待回数 | 2回 |
優待権利確定月 | 3月・9月 |
優待利回り | 5.19% |
株価 | 770円 |
優待を得るための最低投資額 | 77,000円 |
権利付最終日 | 2022年3月29日(火)・9月28日(水) |
※2022年2月21日時点のデータ
アトム(7412)の株主優待の内容は下記の通りです。
- 株主優待ポイントの贈呈
2.株主優待ポイントの贈呈
アトムの株主優待では、同社が運営する店舗やコロワイド、カッパ・クリエイトが運営する店舗、アトムが厳選した日本の特産品購入に使える株主優待ポイントが贈呈されます。
保有株数と贈呈されるポイントは下記のとおりです。
保有株数 | 優待ポイント |
---|---|
100株 | 4,000円相当(2,000円相当×年2回) |
500株 | 20,000円相当(10,000円相当×年2回) |
1,000株 | 40,000円相当(20,000円相当×年2回) |
アトムでは年2回の株主優待が受けられます。3月末の割当基準日に株式を保有している場合は6月に、9月末の割当基準日に株式を保有している場合は12月に、それぞれ優待ポイントが発行されます。
優待ポイントは1ポイント1円で使用できます。優待ポイントの有効期限は、ポイント付与日より1年間です。
2-1.優待ポイントが使用できる店舗
株主優待ポイントは、アトムが運営する店舗のほか、コロワイドやカッパ・クリエイトが運営する店舗で使用できます。ただし、店舗によっては使用できないケースもあります。
優待ポイント利用可能業態・店舗 | 甘太郎、いろはにほへと、北海道、やきとりセンター、ラパウザ、三間堂、贔屓屋(奈良本店(FC)を除く)、ウルフギャング・パック、ほのぼの横丁、カラオケ、デイ・トリッパー、3・6・5酒場、フレンチーナ、NIJYU-MARU、KITEKI、M.M MARKET&CAFÉ、トンテキ とん八、ステーキ宮、にぎりの徳兵衛、寧々家、カルビ大将、時遊館、味のがんこ炎&がんこ亭、かつ時、海へ、和処ダイニング暖や、海鮮アトム、炭火焼処 鳥の蔵、和牛ステーキ 桜 那須高原店、CANTINA、なぎさ橋珈琲、カフェ&ビヤレストラン 宮、やきとん酒場ぎんぶた、みなとみらい食堂、かっぱ寿司 |
優待ポイントが利用できない業態・店舗 | 牛角、温野菜、かまどか、土間土間、ぶっちぎり酒場、牛角食べ放題専門店、牛角焼肉食堂、しゃぶしゃぶビュッフェ温野菜、とんかつ さくら、なにわ味 贔屓屋奈良本店(FC)、鮨処「濱」、BAR「馬車道」、バンノウ水産、シルスマリア、フレッシュネスバーガー、Cheeseness Burger To Go、FRESHNESSパン工房、焼肉 飛車角、LITORANEO、はまやカレー、大戸屋ごはん処、海外店舗 |
3.アトムの配当の内容
アトムの配当の内容は下記の通りです。
年度 | 1株配当(円) | 配当利回り |
---|---|---|
2017年3月期 | 2 | 0.28% |
2018年3月期 | 2 | 0.21% |
2019年3月期 | 2 | 0.20% |
2020年3月期 | 2 | 0.23% |
2021年3月期 | 2 | 0.26% |
※2022年2月21日時点のデータ
アトムのここ5年間の1株あたり配当金は2円で推移しています。新型コロナウイルス感染症の影響が強かった2021年3月期決算でも、配当金額に変更はありませんでした。
また、配当利回りは0.20%から0.28%で推移しており、こちらも大きな変化は見られませんでした。
4.アトムの業績の内容
アトムの業績の内容は下記の通りです。
社名 | 株式会社アトム |
業種 | 小売業 |
代表者 | 山角 豪 |
決算 | 3月 |
資本金 | 1億円 |
本社所在地 | 神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1 ランドマークタワー12F |
上場市場 | 東証2部 |
上場年月日 | 1994年11月 |
※2022年2月21日時点のデータ
株式会社アトムは、ステーキや居酒屋、回転寿司、焼肉、カラオケなど、飲食店などの店舗を運営する企業です。「レストラン事業」「居酒屋事業」「カラオケ事業」を手掛けており、北海道から関西までの地域をメインに直営店とフランチャイズ店舗を数多く展開しているのが特徴です。
5.アトムの企業情報
年度 | 営業収益 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 包括利益 |
---|---|---|---|---|---|
2017年3月期 | 526億6,300万円 | 19億9,000万円 | 20億4,100万円 | 1億2,100万円 | 1億4,300万円 |
2018年3月期 | 532億900万円 | 23億3,800万円 | 23億6,800万円 | 8億1,400万円 | 7億9,100万円 |
2019年3月期 | 519億3,400万円 | 15億9,900万円 | 16億3,000万円 | △3億6,200万円 | △3億8,600万円 |
2020年3月期 | 496億8,900万円 | 11億200万円 | 11億8,300万円 | △22億1,500万円 | △21億9,100万円 |
2021年3月期 | 321億8,500万円 | △12億7,100万円 | △12億5,400万円 | △18億1,300万円 | △18億200万円 |
※2022年2月21日時点のデータ
※業績は連結
アトムの業績は2018年3月期をピークに減少傾向にあります。特に新型コロナウイルス感染症の影響があった2021年3月期は、営業収益が前年比175億円減となり、営業利益などの他の項目はすべて赤字となっています。
ただし、2022年3月期第2四半期決算短信に記載されている[2022年3月期の連結業績予想]によれば、営業利益・経常利益・当期純利益はすべて黒字に転換すると見込まれています。
6.アトムの優待を受ける場合の注意点
アトムの株主優待を受ける場合は、下記のポイントに注意しましょう。
- 外食産業のため新型コロナウイルス感染症の影響を強烈に受けている
- 優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
- 権利付最終日での購入には注意
- 元本を毀損する可能性がある
6-1.外食産業のため新型コロナウイルス感染症の影響を強烈に受けている
アトムのメイン事業となっているのはレストラン事業や居酒屋事業、カラオケ事業などの飲食店経営です。そのため、近年の新型コロナウイルス感染症の影響を直に受けているといえます。
営業店舗の休業や時短営業、外出自粛、テレワークの継続、忘年会・新年会・歓送迎会の需要の消滅など、さまざまな影響によって売上収益を大きく減らしている状況にあります。
不採算店舗の閉鎖や北海道アトムの譲渡などの手段を講じて巻き返しを図っているものの、今後の影響については不透明な部分が多いといえます。
株主優待のために株式を取得する場合は、同社の動向や株価に注視するべきです。
6-2.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
株主優待の内容は変更されたり、優待自体が廃止されたりすることがあります。優待の内容変更・廃止がアナウンスされた場合、株式の売却による株価の急落が発生することもあるため、注意してください。
株主優待について情報を仕入れながら、適切な判断を行いましょう。
6-3.権利付最終日での購入には注意
株主優待を受けるために、権利付最終日(権利確定日から2営業日前)やその直前で株式を購入する場合は、十分注意してください。というのも、株主優待銘柄は権利付最終日に向かって買われるため、株価が上昇しやすいからです。そのため、購入時にはすでに割高になっている可能性があります。
一方、権利落ち日(権利付最終日の翌日)以降には株を手放す方が一定数いるため、株価が下落しやすくなります。株主優待を受けられたとしても、含み損を抱えてしまう可能性がありますので、購入のタイミングには十分気を付けましょう。
6-4.元本を毀損する可能性がある
株式投資を行う以上、元本を毀損する可能性があります。そのため、株主優待が目的で株式を購入する場合でも、株の値動きは必ずチェックしましょう。場合によっては、元本毀損を防ぐため売却したほうがいいケースもあります。
株主優待を受けられたとしても、損失によるダメージが大きければ、トータルで損となるケースも多くなります。損失が大きくならないよう、対策を講じておきましょう。
まとめ
今回はアトムの2022年の株主優待について紹介しました。
アトムの株主優待では、同社が運営する店舗やコロワイド、カッパ・クリエイトが運営する店舗などで使える株主優待ポイントがもらえます。利用できる店舗も多いので、気になる方は優待内容を確認してみてください。
優待内容は今後ずっと継続されるとは限りません。すでに株主となっている方も、これから株主になりたい方も、最新の情報は常にチェックするようにしましょう。
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山本 将弘
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