2022年、成績の良かったインデックスは?各主要ファンドの投資成績も

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2022年のインデックスファンドの中では、どのファンドの成績が良かったのでしょうか。本記事では、さまざまなテーマのファンドの中から、買付のランキングが高いファンドや各数値をもとにピックアップし、比較します。

また、インデックスファンドを選ぶ時のポイントも紹介していますので、あらためてインデックスファンドを探す方はご確認ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※信託報酬や基準価額など、課税対象となる数値はすべて税込表示としています。

目次

  1. 成績と人気を兼ね備えた5つのファンドをピックアップ
    1-1.eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
    1-2.ニッセイ外国株式インデックスファンド
    1-3.ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)
    1-4.iFree 日経225インデックス
    1-5.SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド
  2. 4つの指標による運用成績とファンド分析
    2-1.トータルリターン
    2-2.シャープレシオ
    2-3.純資産総額
    2-4.基準価額
  3. 各指標との関係性からみるファンド運営
    3-1.トータルリターンとシャープレシオ
    3-2.純資産の増減で人気を見る[PR]
    3-3.基準価額と分配金
  4. 抑えておきたいインデックスファンドの選び方と指標
    4-1.対象資産と国や地域
    4-2.運用コストの確認
    4-3.純資産総額から見るファンドの規模
    4-4.運用実績
    4-5.自分にとっての利便性
  5. まとめ

1.成績と人気を兼ね備えた5つのファンドをピックアップ

2022年の運用において、成績と人気の観点から5つのインデックスファンドをピックアップしました。

1-1.eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

三菱UFJ国債投信が運用するeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、S&P500インデックスファンドの中でも、多くの資金を集めているファンドです。すべてのファンドのランキングでも高い順位を常にキープしています。

1-2.ニッセイ外国株式インデックスファンド

ベンチマークとするMSCI コクサイ インデックスに連動する投資成果を目指すファンドです。日本を除く先進国に投資します。

S&P500よりも広範囲かつ多くの銘柄へ投資するため、株式ファンドの中では比較的低リスクな運用先として投資家から多くの資金を集めています。

1-3.ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)

東証REIT指数に連動する成績を目指すREITのインデックスファンドです。昨今の不動産価格上昇の影響のみならず、株式ファンドの分散投資先としても多くの資金を集めています。

毎月分配金の捻出を継続的に行っている点も、資金を集めているポイントでしょう。毎月分配型の投資信託は複利効果が期待できないため長期運用には向きませんが、なるべく手元に動かせる資金を持ちながら資産運用をしたい人などには選択肢に挙がります。

1-4.iFree 日経225インデックス

日経平均の算出元となる日経225に連動する成績を目指すファンドです。

昨今では米国のS&P500の注目度が高まっており、影が薄くなりつつある日経225ファンドですが、インデックスファンドとしては未だ多くの資金を集めています。日本市場の動向を抑えておきたい場合には、欠かせないファンドです。

1-5.SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド

FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスをベンチマークとしたインデックスファンドです。ベンチマークは、米国の高配当株をテーマとしています。配当をメインとしたインカムゲインが中心のファンドです。

株式指数のインデックスファンドとは別の運用先として資金を集めています。

2.4つの指標による運用成績とファンド分析

ファンドごとにそれぞれ扱うテーマは異なりますが、成績を表す数値にて、比較してみました。数値は2023年1月18日時点のものです。

  1. トータルリターン
  2. シャープレシオ
  3. 純資産総額
  4. 基準価額

2-1.トータルリターン

項目 トータルリターン/1年 トータルリターン/3年
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) -6.09% 14.40%
ニッセイ外国株式インデックスファンド -5.48% 12.52%
ダイワJ-REITオープン(毎月分配型) -5.48% -1.10%
iFree 日経225インデックス -7.54% 5.19%
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド 14.52%

2022年の株式市場は、インフレ対策として米国の利上げが頻繁に行われたため、世界的にボラティリティが高く、苦戦を強いられたファンドが多くみられます。REITも、株式市場に引っ張られる形でやや後退気味です。

そんな中でも、インカムゲインを主な収益源とするSBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドはプラス運営となっていました。分散投資の必要性を感じさせる一例です。

2-2.シャープレシオ

項目 シャープレシオ/1年 シャープレシオ/3年
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) -0.29 0.74
ニッセイ外国株式インデックスファンド -0.28 0.64
ダイワJ-REITオープン(毎月分配型) -0.45 -0.06
iFree 日経225インデックス -0.45 0.29
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド 0.77

ファンドの効率的運用の度合いを示すシャープレシオも、トータルリターンの数値に連動して、マイナスとなっています。SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドのトータルリターン14.52%に対するシャープレシオ0.77は、決して高い数値とは言えません。

収益のスタイルがインカムゲインなので、シャープレシオが低めに出ていると思われます。

2-3.純資産総額

項目 純資産総額
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 1,683,788百万円
ニッセイ外国株式インデックスファンド 430,670百万円
ダイワJ-REITオープン(毎月分配型) 411,414百万円
iFree 日経225インデックス 41,481百万円
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド 20,586百万円

純資産総額は、資産の時価総額と投資家から集めた資金の総額です。運用結果と人気の表れと見て良いでしょう。

昨今の米国株人気と相まって、純資産総額ではeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が多くの資金を集めています。

SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドは運用歴が浅いため、他のファンドと比べて純資産総額は少なめです。今後の株式相場の様相次第では、配当利益を主とするSBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドの注目度が高まる可能性もあります。

2-4.基準価額

項目 基準価額
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 18,477円
ニッセイ外国株式インデックスファンド 26,013円
ダイワJ-REITオープン(毎月分配型) 2,213円
iFree 日経225インデックス 17,690円
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド 13,076円

基準価額は、純資産総額を口数で割り算することで求められます。運用成績と資金の多さを表す数値とも見ることができます。

ダイワJ-REITオープンは、特別分配金を多く出し続けているため、基準価額が特別に低くなっています。

基準価額が高いのは、ニッセイ外国株式インデックスファンドです。口数に対して多くの資産を築き上げている証拠でもあります。運用が上手く行っていると見ることもできます。

3.各指標との関係性からみるファンド運営

ファンドの運営は公開されている数値をもとに、分析、評価することができます。インデックスファンドにとどまらずファンド全体において、基本的な指標をもとにした分析ポイントを以下3点、紹介します。

  1. トータルリターンとシャープレシオ
  2. 純資産の増減で人気を見る
  3. 基準価額と分配金

3-1.トータルリターンとシャープレシオ

トータルリターンは、分配金込のファンド運用成績です。ファンドの本質的な運用成績といっても良いでしょう。

シャープレシオは、負ったリスクに見合うリターンが獲得できているかを見る数値です。数値が高いほど、効率的な運用が出来ていると判断できます。

したがって、ファンド本来の運用成果を分析するには、トータルリターンとシャープレシオの関係性に着目するとよいでしょう。

リターンは同じでも、効率の悪い運用をしているファンドのほうが、なにかのきっかけでマイナスへ転じる可能性が高まります。

3-2.純資産の増減で人気を見る

ファンドがもつ総資産は時価総額によっても増減しますが、投資家からの資金流入による増減にも影響されます。

ファンドの純資産増減は、運用増減額と資金増減額に分けられており、合算した数字が純資産の増減として発表されています。投資家による資金の流れは、資金流出入額として確認できますので、ファンド分析のポイントとして確認してみましょう。

3-3.基準価額と分配金

特別分配金を出しすぎているファンドは、基準価額が極端に少なくなっています。2,000円台まで下がっているファンドが見受けられますが、過去から現在にわたって毎月分配金を出し続けている証拠です。

極端に分配金が低いファンドの運用成績を見る時は、分配金と合算した数値で判断する必要があります。トータルリターンを見ると一目瞭然でわかりやすいのですが、グラフは、分配金込、再投資を読み取りましょう。

基準価額は低いものの、運用自体は上手く行っているファンドも見受けられます。

4.押さえておきたいインデックスファンドの選び方と指標

インデックスファンドを選ぶ時に、確認しておきたいポイントを5点紹介します。

  1. 対象資産と国や地域
  2. 運用コストの確認
  3. 純資産総額から見るファンドの規模
  4. 運用実績
  5. 自分にとっての利便性

4-1.対象資産と国や地域

まずは株や債券、不動産、商品など、どの資産に投資をするのか、そして国や地域の選定が必要です。

インデックスファンドは、株式や債券など特定の指数に連動する成績をめざす投資信託ですが、自分がどのような指数のインデックスファンドに投資しようとしているのか把握しておくことはとても重要です。

さらに深堀りして、選定銘柄の業種や選定基準など指数の運営方針まで理解を進めると、より運用状況を把握できるようになるでしょう。

4-2.運用コストの確認

資産形成を長期視点で考える場合、コスト意識をしっかりと持つことが重要です。インデックスファンドは、アクティブファンドのように飛び抜けた収益を目指す運用ではないため、よりコストを意識しなければいけません。

インデックスファンドにかかる主なコストは信託報酬です。まれに販売手数料や信託財産留保額がかかるファンドもあります。

ファンドを保有している間、継続的にかかる信託報酬は長期運用において大きな影響を与えます。

4-3.純資産総額から見るファンドの規模

ファンドの規模が小さく、指数の構成比率にあった投資ができないファンドは投資先として適当ではありません。1,000銘柄で構成される指数への投資において、700銘柄しか投資できない資産では、運用もままならないでしょう。

多くの資産を持つファンドのほうが、投資の効果が高く、柔軟な運用にも対応できます。

4-4.運用実績

インデックスファンドの運用実績は、ベンチマークとする指数にどの程度追随できているか?という点がポイントです。したがって、運用実績が浅いファンドでは、判断基準が曖昧になってしまいます。

運用実績を判断するためには、できるだけ長く運用しているファンドを選ぶと良いでしょう。

4-5.自分にとっての利便性

いくつかのインデックスファンドを選ぶポイントはあるものの、自分が投資するにあたってどの程度便利か?という視点も重要です。

例えば、あるファンドへ投資したいがために新たに証券会社の口座を開設するのは、開設の手間のみならず口座管理の観点から見ても不便です。

できるだけ余計な手間をかけずに投資できるファンド探しのために、証券会社の口座を開設する時点で、取り扱いファンドの多さを確認しておくことが重要です。

まとめ

2022年は、米国の相次ぐ利上げによって株式市場は苦戦を強いられました。株式を扱うインデックスファンドは軒並みマイナス運用です。REITや商品など、株式以外のインデックスファンドも思うような運用が出来ていませんでした。

そんな中でも、高配当銘柄のインデックスファンドであるSBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドは、プラス運用を実現していました。

長期運用では、市場の動き全体を把握するインデックスファンドだけでなく、異なるテーマを扱うインデックスファンドへの分散も必要です。

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sayran

「資産形成をより身近に」をモットーに、証券会社にて投資信託を中心にリスクの低い資産形成をオススメしていました。 テキストではよりわかりやすくみなさんの興味分野を解説し、資産形成の理解を広めていきたいと思っています。