米セントルイス連銀総裁 年内「3%超に利上げを」と主張

米セントルイス地区連銀のジェームズ・ブラード総裁は3月18日、15~16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げが決定されるなか、0.5%の利上げを主張したことについて説明する声明を発表した(*1)。

米連邦準備理事会(FRB)は先週開かれたFOMCにて、フェデラルファンド(FF)金利(#1)の誘導目標を0~0.25%から0.25~0.50%に引き上げることを決定した。2018年12月以来の利上げとなる。2月の消費者物価指数(CPI)が40年ぶりの高水準になるなか、FRBはインフレ抑制に乗り出した形だ。

1回の利上げ幅を0.25%とした場合、22年中に7回の利上げに動く見通しである。政策金利の誘導目標の下限は1.75%になる。FOMC各メンバーによる年末時点の政策金利水準をドットで示したドットプロットでは、1.75~2.00%に10名のメンバーが集中しているが、それ以上が8名となった。

タカ派で知られるブラード総裁はそのFOMCで唯一、反対票を投じたほか、約9兆ドルに膨らんだFRBの保有資産を減らす量的引き締め(QT)を開始すべきだと主張した。18日の声明では、年内に12回分に相当する利上げを実施し、政策金利を3%超の水準に引きあげるべきだと指摘。プルーデントな(慎重な)マクロ経済政策を運営するうえで、力強い実体経済と予想外の高インフレは政策金利が低すぎることを意味すると述べた。

また声明では、景気拡大に伴うインフレ圧力の高まりを未然に防ぐべく、急激な利上げを実施した1994~95年の金融政策を例にとり、現在の市場環境においても同様の措置を講じるべきだと主張した。

足元ではFRB高官によるタカ派寄りのコメントが目立つ。FRBのパウエル議長も21日、加速する物価上昇を抑制すべく、政策金利を0.5%引き上げる可能性を示唆している(*2)。一方、日本は現状の大規模な金融緩和策を維持しており、日米の金融政策の違いを織り込む円売り・ドル買いが進んでいる。ドル円は23日、1ドル=121円30銭近辺まで売られ、約6年ぶりの円安水準をつけた。

世界経済および金融市場に大きな影響を及ぼすFRBの政策対応に市場の注目が集まっている状況だ。

(#1)フェデラルファンド金利…FRBが短期金融市場を操作する際に指標とする政策金利。

【参照記事】*1 セントルイス連銀「President Bullard Explains His Recent FOMC Dissent
【参照記事】*2 連邦準備理事会「Speech by Chair Pro Tempore Powell on restoring price stability

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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