20代で始める投資にソーシャルレンディングはおすすめ?メリット・デメリットも解説

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定年退職時に2,000万円の貯金がなければ、老後の生活費が不足すると言われる昨今、若い頃から積極的な資産形成に取り組むことで、将来に備える重要性も高まっていると言えるでしょう。
しかし、資産運用の方法について悩みを抱える20代の方の中には、収入に余裕がないために資産運用が難しいと考える方も多いのではないでしょうか。

そこで、20代から始められる資産運用の方法の一つとして、ソーシャルレンディング投資の特徴、ソーシャルレンディングのメリットとデメリットについてご紹介します。

目次

  1. ソーシャルレンディング投資の3つのメリット
    1-1.ソーシャルレンディングは金利収入なので安定収益が狙える
    1-2.ソーシャルレンディングは少額から投資できる
    1-3.ソーシャルレンディングは運用の手間がかからない
  2. ソーシャルレンディング投資の3つのデメリット
    2-1.中長期の投資方法のためすぐには資産を増やせない
    2-2.貸し倒れ(デフォルト)リスクがある
    2-3.満期まで資金を引き出せない
  3. ソーシャルレンディング投資の複利効果
    3-1.毎月1万円ずつ投資した場合
    3-2.毎月2万円ずつ投資した場合
    3-3.5年毎に1万円ずつ増やした場合
  4. まとめ

1.ソーシャルレンディング投資の3つのメリット

ソーシャルレンディング投資の3つメリットをここではお伝えします。

1-1.ソーシャルレンディングは金利収入なので安定収益が狙える

ソーシャルレンディングは、資金を必要とする事業者と、投資したい個人をソーシャルレンディング会社がネット上で結びつけるサービスです。クラウドファンディングと同じ形式で、ソーシャルレンディング会社が投資家から少額ずつ資金を集めます。

そして、ソーシャルレンディング会社は、事業資金を必要とする会社に集めた資金を融資します。ソーシャルレンディング会社は融資の際に金利を上乗せして貸し付けを行い、その金利差分が投資家に還元されます。金利収入が投資家に還元されるスキームであるため、収入の目安が立ちやすい特徴があります。

例えば投資信託では、為替の差益分や株式の運用益が投資家に分配されます。そのため、経済全体の値動きをダイレクトに受け、安定した利率を保つのが難しいという特徴を持っています。
一方ソーシャルレンディングでは、直接的に株価変動の影響を受けず、貸付け時に設定した金利を保てる、という点で貸し倒れなどが起きなければ安定収入を狙えると言えます。

1-2.ソーシャルレンディングは少額から投資できる

ソーシャルレンディング事業を営む多くの会社では、1万円や2万円といった少額からの投資が可能です。
例えば、不動産投資を始めようと思っても、自己資金として数百万円の資金を用意する必要があったり、金融機関から多額の融資を受けなければ投資ができなかったりします。

一方、ソーシャルレンディングでは、複数の投資家が同じファンドに投資をする形式を採用しているため、1万円からの少額投資が可能となっています。無理のない範囲でコツコツと投資を積み重ねていくことで、投資資金が少ない方でも資産形成をスタートできます。

1-3.ソーシャルレンディングは運用の手間がかからない

ソーシャルレンディングでは、金利収入が投資家に還元されます。そのため、相場に応じた取引や相場の状況を監視する必要がありません。投資後は毎月配当される金利収入を待つと資産が増えていきます。

「若いうちはまだ、本業の仕事に専念してスキルを伸ばしていきたい」という考えの方であっても、ソーシャルレンディングへの投資は本業の仕事に影響せず、並行して取り組めるのもメリットの一つです。

2.ソーシャルレンディング投資の3つのデメリット

ここまでソーシャルレンディング投資3つのメリットについてご紹介しました。一方で、ソーシャルレンディング投資にはどのようなデメリットがあるのか確認しましょう。

2-1.中長期の投資方法のためすぐに増やせない

株取引の短期売買やFXトレードなど、短期的にキャピタルゲインを狙う投資方法では短い期間に大きな利益を得ることが可能です。また、証拠金以上のレバレッジをかけて売買する手法により、より早い段階で大きな利益を生み出す可能性を持っています。

一方、ソーシャルレンディングでは融資の際に金利を上乗せして貸し付けを行い、その金利差分が投資家に還元されます。そのため、中長期的に運用しなければ大きな利益を得ることはできません。

元本の価格変動が少なく、大きな損失の可能性が低い分、ミドルリターンの投資方法であることには注意しましょう。

2-2.貸し倒れ(デフォルト)リスクがある

ソーシャルレンディングによる貸し付け先の事業者が経営困難な状況に陥り、返済不可能になるケースがあります。このようなケースを「貸し倒れ」と言い、投資家は投資金の一部、または全額が返済されずに損失を被ることになります。

貸付先の事業者の選定がどのような条件で行われているのか、投資を検討しているソーシャルレンディング会社では過去のデフォルトは起きているのか、投資前に確認しておくことが重要です。

2-3.満期まで資金を引き出せない

一定期間の貸し付けにより利益を生むソーシャルレンディングの特性上、運用期間中は資金を引き出せないようになっています。
そのため投資金の設定をギリギリまで高く設定してしまうと、想定外の出費に対応できないかもしれません。投資金は余裕のある範囲で設定することが大切です。

3.ソーシャルレンディング投資の複利効果

投資金を複利で運用する場合、20代の早いタイミングで投資を開始することにメリットがあります。複利による利益の上昇幅について、例に挙げて実際に確かめてみましょう。

ただし、このシミュレーションはあくまでも「全ての投資が滞りなく成功した場合」を仮定したものです。実際には貸し倒れ等により元本を喪失するリスクもあるため、下記の通りに資産が殖やせるわけではありません。
あくまで資産形成における複利投資の強みを知るための参考として読んでください。

3-1.毎月1万円ずつ投資した場合

毎月1万円ずつをソーシャルレンディングに投資して、翌年に運用益の全てを複利で回したケースのシミュレーションです。ソーシャルレンディングの運用利回りは、下表では税引き後で5%程度を想定しています。

年間投資額 年間利益 総資産
1年目 120,000円 6,000円 126,000円
2年目 246,000円 12,300円 258,300円
3年目 378,300円 18,915円 397,215円
4年目 517,215円 25,861円 543,076円
5年目 663,076円 33,154円 696,230円
6年目 816,230円 40,811円 857,041円
7年目 977,041円 48,852円 1,025,893円
8年目 1,145,893円 57,295円 1,203,188円
9年目 1,323,188円 66,159円 1,389,347円
10年目 1,509,347円 75,467円 1,584,814円
11年目 1,704,814円 85,241円 1,790,055円
12年目 1,910,055円 95,503円 2,005,558円
13年目 2,125,558円 106,278円 2,231,836円
14年目 2,351,836円 117,592円 2,469,428円
15年目 2,589,428円 129,471円 2,718,899円
16年目 2,838,899円 141,945円 2,980,844円
17年目 3,100,844円 155,042円 3,255,886円
18年目 3,375,886円 168,794円 3,544,680円
19年目 3,664,680円 183,234円 3,847,914円
20年目 3,967,914円 198,396円 4,166,310円
21年目 4,286,310円 214,316円 4,500,626円
22年目 4,620,626円 231,031円 4,851,657円
23年目 4,971,657円 248,583円 5,220,240円
24年目 5,340,240円 267,012円 5,607,252円
25年目 5,727,252円 286,363円 6,013,614円
26年目 6,133,614円 306,681円 6,440,295円
27年目 6,560,295円 328,015円 6,888,310円
28年目 7,008,310円 350,415円 7,358,725円
29年目 7,478,725円 373,936円 7,852,662円
30年目 7,972,662円 398,633円 8,371,295円

総投資額360万円に対し、30年の運用で2倍以上に資産が増えます。
また年間の利益は約40万円、毎月の投資収入は3万円になります。

3-2.毎月2万円ずつ投資した場合

次に、少しペースを上げて2万円ずつを毎月投資した場合のシミュレーションです。

年間投資額 年間利益 総資産
1年目 240,000円 12,000円 252,000円
2年目 492,000円 24,600円 516,600円
3年目 756,600円 37,830円 794,430円
4年目 1,034,430円 51,722円 1,086,152円
5年目 1,326,152円 66,308円 1,392,459円
6年目 1,632,459円 81,623円 1,714,082円
7年目 1,954,082円 97,704円 2,051,786円
8年目 2,291,786円 114,589円 2,406,375円
9年目 2,646,375円 132,319円 2,778,694円
10年目 3,018,694円 150,935円 3,169,629円
11年目 3,409,629円 170,481円 3,580,110円
12年目 3,820,110円 191,006円 4,011,116円
13年目 4,251,116円 212,556円 4,463,672円
14年目 4,703,672円 235,184円 4,938,855円
15年目 5,178,855円 258,943円 5,437,798円
16年目 5,677,798円 283,890円 5,961,688円
17年目 6,201,688円 310,084円 6,511,772円
18年目 6,751,772円 337,589円 7,089,361円
19年目 7,329,361円 366,468円 7,695,829円
20年目 7,935,829円 396,791円 8,332,620円
21年目 8,572,620円 428,631円 9,001,251円
22年目 9,241,251円 462,063円 9,703,314円
23年目 9,943,314円 497,166円 10,440,480円
24年目 10,680,480円 534,024円 11,214,504円
25年目 11,454,504円 572,725円 12,027,229円
26年目 12,267,229円 613,361円 12,880,590円
27年目 13,120,590円 656,030円 13,776,620円
28年目 14,016,620円 700,831円 14,717,451円
29年目 14,957,451円 747,873円 15,705,323円
30年目 15,945,323円 797,266円 16,742,590円

こちらも総投資額720万円に対し、2倍以上に資産が増えます。
年間の運用収入は約80万円です。

3-3.5年毎に1万円ずつ増やした場合

同額を捻出して毎月投資し続けるのではなく、5年毎にソーシャルレンディングの運用額を1万円ずつ増やした場合のシミュレーションを見てみましょう。

年間投資額 年間利益 総資産
1年目 120,000円 6,000円 126,000円
2年目 246,000円 12,300円 258,300円
3年目 378,300円 18,915円 397,215円
4年目 517,215円 25,861円 543,076円
5年目 663,076円 33,154円 696,230円
6年目 936,230円 46,811円 983,041円
7年目 1,223,041円 61,152円 1,284,193円
8年目 1,524,193円 76,210円 1,600,403円
9年目 1,840,403円 92,020円 1,932,423円
10年目 2,172,423円 108,621円 2,281,044円
11年目 2,641,044円 132,052円 2,773,096円
12年目 3,133,096円 156,655円 3,289,751円
13年目 3,649,751円 182,488円 3,832,239円
14年目 4,192,239円 209,612円 4,401,850円
15年目 4,761,850円 238,093円 4,999,943円
16年目 5,479,943円 273,997円 5,753,940円
17年目 6,233,940円 311,697円 6,545,637円
18年目 7,025,637円 351,282円 7,376,919円
19年目 7,856,919円 392,846円 8,249,765円
20年目 8,729,765円 436,488円 9,166,253円
21年目 9,766,253円 488,313円 10,254,566円
22年目 10,854,566円 542,728円 11,397,294円
23年目 11,997,294円 599,865円 12,597,159円
24年目 13,197,159円 659,858円 13,857,017円
25年目 14,457,017円 722,851円 15,179,868円
26年目 15,779,868円 788,993円 16,568,861円
27年目 17,168,861円 858,443円 18,027,304円
28年目 18,627,304円 931,365円 19,558,669円
29年目 20,158,669円 1,007,933円 21,166,603円
30年目 21,766,603円 1,088,330円 22,854,933円

こちらでは累計で1,260万円の投資額に対して、2,176万円という資産と、毎年100万円以上の運用収入が手に入ります。20代の方が今から30年間ソーシャルレンディング投資に取り組むことで、定年退職前にこれだけの資産を形成できる可能性があります。年金と合わせれば貯まったお金と運用収入で、老後2,000万円以上の資産形成をすることも可能です。

まとめ

ソーシャルレンディングは中長期に運用する複利での投資に向いています。また、30年など長期的に運用すれば多くの利益を得ることも可能です。投資金が少ない20代の方でも、毎月1万円前後の少額資金で投資できる点もメリットでしょう。

ただし投資である以上、ソーシャルレンディングはノーリスクではありません。ソーシャルレンディングのデメリットも確認した上で慎重に投資する対象を選ぶことが大切です。中長期の運用を視野に入れ、着実な資産形成を目指しましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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