海外の成長期待国を対象にしたソーシャルレンディング (貸付型クラウドファンディング)を展開するクラウドクレジット株式会社は7月19日、貸付先匿名化解除に関わる情報公開の方針に基づき、「シンガポール広告代理店ベンチャー企業支援ファンド」シリーズの貸付先(海外の資金需要者)を公開した。業者は2013年に現地で設立されたBonsey Jaden Pte。
クラウドクレジットによると、Bonsey社は成長が見込まれるASEAN圏のデジタルマーケティングの市場で総合サービスが提供可能なリーディングカンパニーとなることを目指し設立。創業以来、顧客企業にウェブサイトやモバイルアプリの提供をはじめ、ソーシャルメディアを活用したウェブキャンペーンの企画や新しい切り口のブランド戦略を提供するなど、デジタルマーケティング分野で複合的なサービスを展開している。
創業以来赤字決算が続いていたが、2018年6月に黒字転換を果たした。世界的な一般消費財メーカーや日本の大手飲料メーカーのグループ会社などの大口顧客を含めた顧客維持(リピート)率の高さに加え、同社のブランド価値の高まりが新規顧客獲得に繋がったという。
クラウドクレジットは東欧、ラテンアメリカ、アフリカ、東南アジア各地域で主にノンバンク、マイクロファイナンス機関、未電化地域を電化する電力ベンチャー企業などに融資を行っている。Bonsey社へのファンド組成について「当社にとっても新しいセクターへの融資であり、今後当社がより多くのセクターに投資を行う機会を提供し、様々な業種の事業にお金が届くことによって社会がより豊かになるような金融マーケット・プレイスとなっていくための新しい一歩」と位置づけている。
日本の貸付型クラウドファンディングでも貸付先の匿名化解除により資金需要者の社名を開示できるようになったことを受け、同社は5月、情報公開の方針を決定、①既存および新規の貸付先について原則として実名・財務情報を含む基本情報を公開。例外的に貸付先を匿名とする場合はその旨と理由を明記する。②情報公開については同社ホームページ上のファンド一覧内のファンドごとの各ページおよび法定書面(契約締結前交付書面等)をもって行う。
今後は「より幅広い事業への投資機会を提供していく中で、それらの企業・事業のより深い内容や運営する役職員についても紹介し、お客様の投資資金がどのような事業の運営に用いられているかの一層の可視化を図っていく」(杉山智行社長)方針だ。
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