直近でテンバガーを達成した米国株は?銘柄探しのコツや注意点も

世界の有名企業が主な資金調達の場としている米国株式市場では、IPO(新規株式公開)にこぎ着けたのち株価を初値の10倍以上に伸ばしてしまう企業も少なくありません。

株価が倍以上になった銘柄はマルチバガー(multi-bagger)、10倍になった銘柄はテンバガー(ten-bagger)と呼ばれます。今回は、こうした銘柄への投資について説明したいと思います。

成長著しい若い企業にタイミング良く投資することによって、思いもよらないほど大きな利益が得られる可能性があるということも米国株投資の醍醐味の一つです。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 近年、テンバガーを達成した5銘柄
  2. テンバガー候補をどう探すか
    2-1.時価総額は小さいほうが良い
    2-2.四半期決算のクリア
    2-3.企業売却でプレミアムの上乗せも
  3. 未来のテンバガー候補5銘柄
    3-1.注目のビジネスモデル「BNPL」のアファーム
  4. まとめ

1 近年、テンバガーを達成した5銘柄

テンバガー候補銘柄を紹介する前に、2015年~2019年の5年間にIPO時から株価が実際に10倍以上になった銘柄を5つだけ挙げます。

社名 ティッカー 上場年月日 初値(ドル) 最近の株価(ドル) PER
アトラシアン TEAM 2015/12/10 21 410.46
トウィリオ TWLO 2016/6/23 15 365.03
オクタ OKTA 2017/4/7 17 257.71
ドキュサイン DOCU 2018/4/18 29 272.89(※1)
ズーム ZM 2019/4/18 36 314.76(※2) 83.46

(株価は2021年10月19日終値)
※1:2021年8月10日に314.76ドルまで上昇
※2:2020年10月19日に588.84ドルまで上昇

この5銘柄の中で、アトラシアンを除く4銘柄にはいくつかの特徴があります。新型コロナウィルスのまん延が事業の追い風となり、21年春以降に急速に株価が上昇したという点です。また、実際の業績に比べて株価が大きく伸びているため、PERが非常に高い(または最終赤字のため算出不能)という点です。

しかし、株価が200日移動平均線を大きく割り込んでいるズーム・ビデオコミュニケーションを除き、4銘柄の足元の株価は上場来高値からそれほど乖離せずに推移しています。今後の決算発表で機関投資家の期待を裏切らないことが前提となりますが、これらテンバガー達成銘柄にはまだ上昇余地があると言っていいでしょう。

2 テンバガー候補をどう探すか

それでは、テンバガー候補を探すにはどのような点を考慮すればいいでしょうか。

2-1 時価総額は小さいほうが良い

まず対象となるのは、時価総額が小さい企業です(望ましいのは100億ドル以下)。IPOによって知名度を上げるとともに運営資金を増やし、成長を加速させようとしている企業を選ぶのです。

こうした企業が提供するサービスや商品が時流に乗って浸透すれば、すでに紹介した5社のように株価が短期間に上昇していきます。リモートワークの普及で恩恵を受けたズームが好例です。

2-2 四半期決算のクリア

とはいえ、ばくぜんとした期待や商品・サービスの質の良さだけで買い続けるほど機関投資家は甘くありません。重要なのは四半期ごとの決算の内容です。

売上高とEPS(一株あたり当期純利益)がアナリストの予想を上回ることが求められるほか、EPSの伸び率も重視されます(ただし、IPOから間もない企業は最終利益が何四半期も赤字というケースが多くあり、必ずしも同条件で足切りされるわけではありません)。

これらのハードルをクリアした上で、次の四半期や通年のガイダンスが市場予想を上回ると「合格」とされます。こういう銘柄を握り続けるのがテンバガーへの一歩となります。

2-3 企業売却でプレミアムの上乗せも

大化けが期待できる若い銘柄を保有するメリットは、株価の上昇だけにとどまりません。大手企業による買収もあります。買収側の企業は通常、身売りする側の企業の株価にプレミアムを上乗せします。相手側企業の経営陣や株主の同意を得やすくするためです。

一例を挙げると、ネットワーク機器メーカーのシスコシステムズは今年3月、通信機器メーカーのアカシア・コミュニケーションズを買収しました。2016年5月に1株23ドルで上場したアカシアに対し、シスコは1株当たり115ドルを支払っています(買収が発表された前日のアカシアの株価は86.45ドル。シスコは約33%を上乗せした形になります)。

3 未来のテンバガー候補5銘柄

ここからは、未来のテンバガー候補5銘柄を紹介します(ヘッジガイド編集部により選定。将来の企業成長や株価の上昇を保証するものではございません)。

社名 ティッカー 上場年月日 初値(ドル) 最近の株価(ドル) PER
アサナ ASAN 2021/9/30 27 127.65
アファーム AFRM 2021/1/13 49 155.35
エアビーアンドビー ABNB 2020/12/10 68 170.74
ユニティ U 2020/9/18 52 147.71
データドッグ DDOG 2019/9/19 27 157.94

(株価は2021年10月19日終値)

3-1 注目のビジネスモデル「BNPL」のアファーム

5銘柄のなかでも注目度が高い銘柄はアファーム・ホールディングス(Affirm Holdings)でしょう。今年1月13日にナスダックに上場した際の初値は49ドルでした。初日に94.33ドルと約2倍へと急騰したのち、足元の株価は9カ月余りで約3倍に伸びています。

この企業が注目されている背景には、米国や欧州の若者の間で「Buy Now Pay Later(BNPL)」=後払いサービス=が支持されていることがあります。

アファームのサービスを分かりやすく説明しますと、ユーザーはまずアファームに代金を肩代わりしてもらう形で提携サイトから商品などを購入し、その後にアファームに代金(分割払いを選んだ場合は手数料も)を支払うというものです。これによって買い物の際のユーザーの心理的なハードルが下がるとともに、商品が売れやすくなる効果があると言われています。

このサービスでアマゾン・ドット・コムと協業することが発表された8月27日の翌28日、アファームの株価は前日比43.5%高と急騰しました。アファームはアマゾン以外でも、ECサイト構築支援のショッピファイやディスカウントストアのターゲットなどともパートナー関係を構築し、業容を拡大しています。

まとめ

テンバガー候補と判断して実際に購入しても、達成までの道のりは決して楽なものではありません。相場全体が弱気に転じて機関投資家が保守的になったとき、PER(株価収益率:株価が一株あたり当期純利益(EPS)の何倍かを示す指標)が非常に高い/算出できないグロース株は真っ先に売られます。

また、流通している株式数が少ない場合、特にポジティブなニュースがある訳でもないのに株価が急伸したり、逆にネガティブなニュースが出ている訳でもないのに大きく下げたりすることがあります。急騰する銘柄には急落するリスクもあるのです。

 短期で大きく儲けようと、ボラティリティが高い銘柄ばかりを追うことはお勧めできません。IPOから間もない銘柄の購入にあたっては、事前に十分な調査をしていただきたいと思います。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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