株式投資を始めてみたいけど、銘柄をどう選べばいいか、どのように投資すればいいか分からない人も多いのではないでしょうか。国内株式は3,752銘柄(2021年1月末時点)もあり、その中で投資したい銘柄を探すのは大変です。
そこで今回は、初心者の方が株式を選ぶ際に、最初に見るべきポイントと注意点、投資の考え方について説明します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 株式投資の利益は「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2種類
1-1.キャピタルゲインとは
1-2.インカムゲインとは - 投資初心者はインカムゲイン狙いの株式投資から始める
2-1.配当金とは
2-2.株主優待とは - 株は長期保有する
- 株式投資ではネット証券を利用する
4-1.SBI証券
4-2.楽天証券
4-3.マネックス証券 - まとめ
1.株式投資の利益は「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2種類
株式の投資で得られる利益には「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2種類があります。それぞれの違いについて解説します。
1-1.キャピタルゲインとは
キャピタルゲインは「売却益」や「譲渡益」ともいいます。株を保有し売却時に得られる利益のことです。株の購入金額が10万円で、売却時に15万円であれば利益は5万円(税金・手数料は除く)となります。この5万円がキャピタルゲインです。
キャピタルゲインは、インカムゲインと比較し利益が大きくなる場合もありますが、反対にマイナスになることもあります。売却時にマイナスが出たときは「キャピタルロス」とも言います。
1-2.インカムゲインとは
インカムゲインとは株の保有中に得られる利益のことです。株式投資では「配当金」や「株主優待」がインカムゲインとなります。
キャピタルゲインと比べて1回に受け取る金額は少ないのですが、長期保有することにより、定期的な収入が期待できます。
2.投資初心者はインカムゲイン狙いの株式投資から始める
投資初心者はインカムゲイン狙いで投資を始めるようにすると良いでしょう。インカムゲインは売却などのタイミングを逐一図らなくても、株式を長期で保有しているだけで狙える収益なので、手間や時間がかからないからです。
株式投資のインカムゲインである「配当金」と「株主優待」について、以下で解説します。
2-1.配当金とは
配当金とは、会社が事業で得た利益の一部を株主に還元するものです。一般的に配当金は、年に1〜2回決算のあとに保有する株式数に応じて配分されます。
配当金は会社の利益から分配されるため毎年同じ金額ではありません。会社の業績が悪ければ配当金が減額あるいは0円になったり、逆に業績が良ければ配当金が増額されたりします。
配当金の目安として「配当利回り」があります。配当利回りとは株価に対し年間でどのぐらいの配当が得られるかの指標で、計算式は以下の通りです。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当額÷1株購入額×100
2021年1月の東証一部の平均利回りは1.92%で、配当利回り3%以上の銘柄は「高配当銘柄」と定義されることが多くあります。配当狙いで投資する場合は、3%以上を目安にするようにしましょう。
ただ、高配当銘柄でも業績が悪化すると配当金が減る恐れもあります。投資する会社の業績は必ず確認することが重要です。
2-2.株主優待とは
株式投資のもう一つのインカムゲインである株主優待について解説します。
株主優待は、保有している株の自社商品や商品券・割引券が届くサービス。カタログギフトやQUOカードなど、いくつかのコースの中から選べる優待もあります。株主優待目当てで株を購入する投資家も多くいます。
ただ、株主優待は任意の制度であるため、全銘柄が取り扱っているわけではありません。優待制度を取り扱っているのは、上場企業のうち約4割の1,520社です(2020年11月時点)。
3.株は長期保有する
インカムゲイン狙いで投資をするには、長期で運用することが大事です。短期で運用してもインカムゲインは増えないからです。
また長期投資でもう一つのメリットが「株主優待」です。最近では保有年数に応じて株主優待がグレードアップされる銘柄も増えています。最低単位数100株でもグレードアップする銘柄を紹介します。
名称 | 最低購入価格 | 企業概要 | 優待内容 |
---|---|---|---|
オリックス(8591) | 約18万円 | リース・レンタカー・法人金融サービス・生命保険・不動産・環境エネルギーなど多角な事業展開をしている。 | 100株以上3年未満でBコースのカタログギフトから1点。 【長期特典】100株以上3年以上で1ランク上のAコースから1点選択できる。 |
ビックカメラ(3048) | 約12万円 | 大手の家電量販店。株主優待券は、同社グループのスフマップ・コジマ・通販サイトの「ビックカメラ.com」でも利用可能。 | 100株以上500株未満で2月に2,000円、8月に1,000円のお買い物券。 【長期特典】1年以上2年未満で8月に1,000円、2年以上で8月に2,000円のお買い物券追加。 |
楽天(4755) | 約11万円 | 大手の通販サイト「楽天市場」。他に楽天銀行・楽天トラベル・楽天証券など幅広い事業展開をしている。 | 100株以上で500円相当の楽天キャッシュ付与。1,500円相当の楽天トラベルの国内宿泊クーポン進呈。 【長期特典】5年以上保有で楽天キャッシュ1,000円相当になる(楽天キャッシュは、楽天市場・楽天トラベル・ラクマなどで使用できるオンラインの電子マネー)。 |
※2021年2月16日時点
4.株式投資ではネット証券を利用する
ネット証券は、口座開設から株の売買までネットのみで利用できます。売買手数料も店頭証券よりも安く、サービスも豊富という特徴があります。そこで、以下では取引を始めやすい3つのネット証券を紹介します。
4-1.SBI証券
SBI証券は大手ネット証券の一角。アクティブプランを利用すれば約定代金100万円以下は手数料がかからないので、少額から株式投資を始めたい人にピッタリといえます。
また手数料が安いだけでなく、サービスも豊富です。携帯アプリだけで株式取引が可能で、リアルタイム株価・チャート・株主優待検索・四季報などの情報も見られます。そして、SBI証券のアナリストによる動画やオリジナルレポートも無料で利用できます。
さらに売買手数料などに応じてTポイントが貯まり、貯まったTポイントで投資信託の購入が可能です。
4-2.楽天証券
楽天証券でも1日定額コースを選択すれば、1日の取引金額合計100万円まで手数料がかかりません。
初心者でも操作しやすいスマホアプリ「iSpeed」でどこでも取引ができ、PC版「マーケットスピードⅡ」ではテクニカル指標やニュースなどが無料で利用可能。企業情報を調べるときに便利な日経テレコンも、楽天証券ユーザーなら無料で利用できます。
4-3.マネックス証券
マネックス証券の国内株式の売買手数料は、取引金額5万円超10万円以下99円、10万円超20万円以下115円です(税込)。取引毎手数料コースで月間30万円以上の手数料が発生すると、半額分のマネックスポイントが貯まります。マネックスポイントは、nanacoやWAONポイント・アマゾンギフト券に交換可能です。
国内銘柄の分析ツール「銘柄スカウター」では、過去10期以上の長期業績やPER・PBR・配当利回りを最長5年間、グラフで表示することができるので便利です。
まとめ
配当金は1回ごとに発生する利益は少ないものの、長期投資することにより大きな利益になります。また株主優待は保有期間が長いと長期特典のある企業もあり、対象銘柄に投資をすると優待がグレードアップされます。
ただ、インカムゲインも保証されたものではありません。業績が悪化すると配当金が減ったり、株主優待制度がなくなったりする恐れもあります。必ず業績を確認し、赤字になっていないか、売上が大きく減っていないかなどを確認するようにしてください。
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山下耕太郎
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