ソーシャルレンディングの不動産案件を選ぶ際に見るべき3つのポイント

※ このページには広告・PRが含まれています

ソーシャルレンディングは、他の投資と比較して作業の必要が少ないながらも、高い利回りを得ることができる投資手法として人気があります。その一方で、融資によって利益を得る投資である以上、融資先の貸倒れのリスクも常に考えておかなければいけません。

今、ソーシャルレンディング案件の中で多いものの一つに、不動産を購入する事業者向け融資の案件があります。こういった不動産関係の案件に投資するとき、どういった点をチェックしてリスク対策を考えれば良いのでしょうか。

目次

  1. まずは運営する物件の住所を確認する
    1-1.物件が所在するエリアの公示地価と地価の推移を見る[PR]
    1-2.収益性や利回りを確認する
  2. 担保としての価値も確認する
  3. 融資先の不動産会社の情報が確認できる会社を利用する
  4. まとめ

1.まずは運営する物件の住所を確認する

ソーシャルレンディングおよび不動産投資型クラウドファンディングでは、不動産を購入する事業者向けの融資が多く、こういった案件の主な融資先は不動産会社となります。

ここでの一般的なスキームでは、不動産会社はソーシャルレンディングやクラウドファンディングを通じて資金を調達します。そして調達した資金をもとに物件を購入し、建物にリフォームやリノベーションを施したうえで、他の事業者に物件を売却して利益を得ます。

仮にソーシャルレンディング経由で1億円を年利10%で1年間借りたとして、リフォームに2,000万円をかけて1億5千万円で売却すれば、1,000万円の金利を支払っても2,000万円の利益が出る、という形になります。

また、売却だけではなく、一棟アパートや区分マンションを購入して運営することで利益を出していくケースもあります。前者の場合は転売益が、後者の場合は運営で得られる家賃が不動産会社の利益になります。

ソーシャルレンディングは基本的には融資であるため、たとえその不動産が転売できなくても、債務者である不動産会社はソーシャルレンディング事業者を通じて投資家に金利を支払わなくてはいけません。ただし、不動産が売却できなければ、返済できる見込みは薄くなってしまうため、返済遅延や貸倒れが発生するおそれがあります。

そのため、案件が確実であるかどうかを確認するには、購入を行う物件の住所をしっかりと調べておくことが重要です。購入する不動産物件の住所が確認できれば、その付近の土地の価格や家賃の相場などを調べやすくなります。土地の評価額などの資産価値が把握できれば、その案件の利回りや担保の評価額などが妥当かどうかの判断が容易になるのです。

1-1.物件が建つエリアの公示地価と地価の推移を見る

物件が建つ住所が分かったら、その付近の公示地価を調べてみましょう。公示地価は国土交通省が毎年1月1日時点の不動産の相場を調査し、3月に発表しているデータです。不動産の売買実績や2名以上の不動産鑑定士による評価によって算出され、不動産取引の現場でも参考価格としてよく利用されます。

こちらのページから簡単に公示地価を確認でき、また近年の公示地価推移も同時に調べることができます。

公示地価の値を確認して近年は価格が上昇しているか、下落しているかをまず確認します。公示地価が上昇しているエリアであれば、需要が増えて売却価格も上がっていくことが予測できます。

一方で、公示地価が下がっている場合、人口が減少していたり、商業地としての需要がなくなっていたりなどの理由で、今後も公示地価が下降していく可能性が高いと言えます。その場合、万が一にでも貸倒れが起きてしまった場合、売却価格も下がると予想されることから十分に資金が回収できない可能性もあります。

また、公示地価は全国2万ヶ所以上で調査が行われていますが、都市計画地域が中心になるため、全国すべての場所の数値がわかるわけではありません。ただし、ソーシャルレンディングや不動産投資型クラウドファンディングを通じて購入される不動産の場合、需要の高いエリアが中心になるため、住所が判明すればほとんどのケースで公示地価を把握できるでしょう。

1-2.収益性や利回りを確認する

また、物件を運営して収益を投資家に分配する不動産投資型クラウドファンディングの場合、提示されている収益性が本当に正しいかどうかを把握する必要があります。

例えば不動産投資型クラウドファンディングの『CREAL』では、新宿区内の区分マンション案件の募集実績があります。住所がわかるのであれば、最寄駅に立地するマンションの家賃の相場を不動産物件情報サイトなどから調べてみましょう。

こちらの案件の場合、募集されたマンションの住所は東京都新宿区高田馬場および下落合駅付近の区分マンションになっています。こういった物件の家賃を不動産情報サイトなどで調べてみると、物件の情報と過去の家賃の相場が出てきます(参考:LIFULL HOME’Sでの検索結果)。このワンルームマンションの家賃の相場は7~7.5万円程度になっています。

この7~7.5万円という家賃を募集金額で割った利回りは、およそ5.3~5.8%になります。投資家への分配利回りが4.5%だと考えれば、この数字は比較的妥当なものだと考えられるでしょう。

2.担保としての価値も確認する

また、購入される不動産が建つエリア内では、どの種類の物件に需要があるのか、可能であればチェックしておきましょう。例えば住宅地の中に商業用のビルがあっても、事業用としてあまり需要がないことも考えられます。

不動産は公示地価、基準地価、路線価などの目安となる数値はいくつかありますが、最終的には売主側と買主側の事情によって価格は変化していきます。また「単身者向けアパートやマンションは、この住宅街の中では需要がない」などのように、エリアごとに事情を調べ、不動産が購入に適した物件であるかどうかも確認しておく必要があります。

3.融資先の不動産会社の情報が確認できる会社を利用する

融資先である不動産会社の情報が確認できるソーシャルレンディングサイトや不動産投資型クラウドかファンディングサイトを利用することも大切です。

不動産投資型クラウドファンディングを提供する会社では、案件ごとに物件の情報を公開しています。ソーシャルレンディングでも、クラウドバンクといった大手のソーシャルレンディングサイトは「匿名に関する解除の通達」を金融庁から受け、融資先の情報を一部解禁する動きを見せています。

例えばクラウドバンクのこの案件を見てみると、閲覧はあくまでクラウドバンクの会員登録者に限定されるものの、融資先の情報までしっかりと記載されています。サイトでは融資先の社名や住所、財務状況まで確認できるため、クラウドバンクとの関係性について、また融資先の財務状況の見通しについても確認できるようになっています。そして担保の所在や用途も詳細に記載されています。

またLENDEXも、先日「一部の融資先については社名を開示する」との発表を行っています。

まとめ

投資案件を選ぶ際に豊富な情報が提供されるのであれば、投資家は自ら案件の良し悪しを判断できるようになります。そのため、最近のソーシャルレンディング界隈において情報開示が進む傾向は喜ばしいと言えるでしょう。

ただし、それはあくまでも公開されている情報が全て正しいという前提によるものです。不動産は住所が分かれば、最近では現地に行かずともGoogle Mapなどで建物を確認することができますし、近所に住んでいる人であれば実際に目視で確認することもできるでしょう。

せっかく貯めた自分のお金を投資するのですから、物件の所在地をもとに公示地価や家賃相場を調べるなど、慎重な判断と審査を行ったうえで投資先を選びましょう。

The following two tabs change content below.

HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチームは、ソーシャルレンディングや金融知識が豊富なメンバーがソーシャルレンディングの基礎知識から投資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」